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アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

初雪

2016年11月24日 | 緑の季節

今日は2016年11月24日です。まだ11月だと言うのに、東京はじめ関東一円で初雪が降りました。11月の初雪は54年振りとのことです。54年前は1962年、大学を卒業して青森県弘前で社会人として第一歩を踏み出した年です。当時の日記を取り出してみたところ、弘前では11月22日に初雪が降っていました。“雪が降ると途端に気温が下がった。朝、顔を洗おうとすると、タオルが糊付けしたようにピンとなっている。歯ブラシは氷の棒みたいになっている”と記していました。

その翌々日26日も雪が降っており、50センチの積雪の中、開拓農道の測量を始めています。嶽にある現地事務所に泊まり込み、そこから2キロ離れた現地までけもの道みたいな細い通路の凹みを辿って歩いてゆきます。積雪のため、測量の基準となる測量杭を見つけるのに苦労しています。昼食は、住み込みで現地事務所を管理している老夫婦に作ってもらった弁当を、藪の中で焚火を囲んで職員2人、雇いの作業員6人で食べました。

現在は、農水省職員が自前で測量することはなく、コンサルタントに設計も含めて発注するのが普通です。しかしその頃は、路線設定から測量・設計・積算・発注・工事監督・検収まで、全て農水省職員が行っていたのです。コンサルタントに発注するようになったのは、1968年ごろからです。雪のない期間は工事たけなわで多忙を極め、冬の間に測量~積算を室内で行うのです。岩木山麓の開拓事業ですので、冬の方が落葉で見通しがよくなり、測量しやすくなるのです。熊も冬眠しているので安全です。雪国とはいえ、当時の冬期間は連日の夜なべ仕事で明け暮れるのです。4年過ごしたここで、私は自前作業で鍛えられたお陰で、一人前の技術者になれたように思います。

日記をめくってみますと、“食糧は与えられるものであってはならず、自ら生産すべきものである。それには、食糧援助ではなく、生産技術の移転、生産インフラ整備の技術・経済援助が国際協力事業の内容でなければならない”と書いています。私が国際協力に従事し始めるのは1971年からですが、当時雪に埋もれながら、すでにこんなことを考えていたのですね。

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