アイ・ラブ みどり

逆境にもめげず、けなげに生きるみどり達がいとおしくてなりません。

ツワブキ

2023年11月27日 | うちの庭では

ツワブキの花が日陰で咲いています。花は咲いても実が着かないようで、20年以上栽培しているのに、タネがこぼれて繁殖したことがありません。生えている場所にじっと留まり、生き長らえている静かな草です。花言葉も「困難に負けない」です

困難を克服できるに越したことはありませんが、克服できなくとも挫けず、負けないことも大切です。本来の目的を達成できなくとも、取り組んでいるうちに、副次的に多くのことを学べることがある思うからです。

私が経験した困難と云えば、マレーシア最大の稲作地帯、10万ヘクタールのムダ地区のための稲作技術開発プログラムでした。1965年に世銀の借款事業で、第1次マレーシア5ヵ年計画として潅漑基幹施設のハードウェアーを建設した後、栽培ソフトウェアー確立を日本の農林水産省の研究部門が担当したケースです。しかし、世界に冠たる日本のハイテク稲作技術では、熱帯モンスーン地帯には適用できず、潅漑を始めると地耐力低下・病害虫異常発生・壊滅的収量減少に遭遇するはめに陥りました。各研究部門の専門家も、成果を上げず投げ出すわけにも行かず、行政職の私がピンチヒッター的に派遣されることになりました。

農業土木出身の私には、歴代農業土木専門家を引き継ぎ、圃場水管理合理化という課題が背負わされました。研究業務や稲作経験の全くない単なる土木技術者の私には、五里霧中の難問でした。1マイル(1.6㎞)間隔ほどにしか水路が配置されていない天水田に、圃場水管理合理化などあり得ません。先達が残していった機材の中に、たまたま地耐力測定器を見つけ、これで約1マイル間隔で地域全体の地耐力分布を調べました。そこで気付いたのは、乾季に潅漑し、水田乾燥期間を無くしたのが地耐力低下の原因と突き止めたのです。そこで、乾季は水田乾燥に充て、雨季に2回作付けする作期計画に改めました。病害虫異常発生も、乾季潅漑で稲の周年栽培化が原因と分かりました。圃場水管理合理化も、ハイテク化はなりませんでしたが、日本古来の田越し潅漑というローテクを駆使し、成し遂げることがました。

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