鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

日本代表・大迫勇也、チームのためにやっている

2013年11月17日 | Weblog
大迫&本田のゴールで2点差追いつきオランダとドロー
13/11/16 23:04

[11.16 国際親善試合 日本2-2オランダ ゲンク]



 日本代表は16日、ベルギー・ゲンクのクリスタル・アレナでオランダ代表と対戦し、2-2で引き分けた。前半12分、39分と失点した日本だが、前半44分にFW大迫勇也のゴールで1点を返すと、後半15分にはMF本田圭佑が同点弾。過去2戦2敗のFIFAランキング8位の強豪に対し、2点ビハインドを追いつき、ドローに持ち込んだ。日本は19日にブリュッセルでベルギー代表と対戦する。

 4-2-3-1でスタートした日本は10月15日のベラルーシ戦(0-1)から先発4人が入れ替わった。FW清武弘嗣は9月10日のガーナ戦以来、3試合ぶり、GK西川周作と大迫は9月6日のグアテマラ戦以来、4試合ぶりの先発。MF山口螢は7月28日の東アジア杯・韓国戦以来の先発となった。GK川島永嗣、MF遠藤保仁、FW香川真司、FW柿谷曜一朗はベンチスタートだった。
 
 試合前のウォーミングアップ中には日本の一部サポーターからスタンドに「日の丸の誇り・重みは?」「結果を出している国内組より結果・出場をしてない海外組の方が大事?」「ZACさん海外組が全て?」といった批判的な横断幕が掲げられるなど、異様な雰囲気の中で始まった試合。真新しいユニフォームに袖を通した日本の選手たちは、立ち上がりから果敢に攻撃を仕掛けた。

 前半5分、左サイドから切れ込んだ清武のクロスがDFに弾かれたセカンドボールを山口がミドルシュート。同6分にはMF長谷部誠、清武とつないで左サイドのDF長友佑都がオーバーラップからクロスを上げたが、FW岡崎慎司のシュートは角度がなく、枠を捉えられなかった。

 いい入りを見せた日本だったが、徐々にオランダのプレッシャーにミスが増え始め、ポールポゼッションでも押し込まれる苦しい展開となった。すると前半12分、オランダはMFケビン・ストロートマンのロングフィードをDF内田篤人が頭でGKに戻したボールが弱くなり、MFラファエル・ファン・デル・ファールトが詰める。西川よりも一歩早く追いつき、チップキック気味にゴールネットを揺らし、先制点を奪った。

 その後も我慢の時間が続く日本。前半23分には1本のロングパスにFWイェレマイン・レンスが抜け出し、PA内へ進入を許したが、内田が体を投げ出してスライディングタックルでカット。何とかピンチをしのいだ。日本は前半28分、本田のサイドチェンジを受けた岡崎が右サイドからカットインし、左足ミドルを狙うが、ゴール上へ。同31分にはオーバーラップした内田の折り返しに大迫が合わせたが、DFのブロックに阻まれた。

 前半34分、FWアリエン・ロッベンの右45度からの左足ミドルは西川がパンチングで弾き出したが、同39分にもファン・デル・ファールトの大きなサイドチェンジが右サイドでフリーのロッベンに通る。ドリブルで中に切れ込んだロッベンは左足を一閃。日本は長友、長谷部の2人で対応したが、そろって逆を突かれ、鮮やかにゴールネットを揺らされた。

 0-2。2点ビハインドを負った日本だったが、前半終了間際に追撃のゴールを奪う。前半44分、高い位置でボールを奪った長谷部がドリブルで持ち上がり、ゴール前にスルーパス。これを大迫が右足ワンタッチでゴール左隅に流し込んだ。大迫にとっては、A代表初ゴールを含む2得点を挙げた7月25日の東アジア杯・オーストラリア戦以来となるゴール。10月の東欧遠征では招集されなかったストライカーの先発起用に応える一撃で1-2と追い上げ、前半を折り返した。

 日本はハーフタイムに2人を交代。清武、長谷部に代わって香川、遠藤が入った。ボールのおさまりどころが増えた日本は攻撃のパターンも増加。後半6分、香川からの縦パスを受けた本田がゴール前にフワリと浮かしたラストパスを上げると、ゴール前に走り込んだ香川が胸トラップからシュートを狙うが、ミートできずにGKが抑える。直後の7分には遠藤が香川とのワンツーから鋭い縦パス。本田の左足ミドルがクロスバーをかすめる決定機をつくった。

 流れを引き寄せた日本は後半15分、大きなサイドチェンジを受けた内田が右サイドから細かいパス交換で中に持ち込み、ゴール前に縦パス。大迫がワンタッチでヒールで落としたボールを本田が左足ダイレクトでゴール右隅にねじ込んだ。2-2。2点差を追いつき、試合を振り出しに戻した。

 勢い付く日本は後半22分、香川がドリブルで左サイドに流れながら左足でシュート。PA手前からのミドルは枠を捉えていたが、GKの好セーブに阻まれた。同28分には大迫、長友に代えて柿谷、DF酒井高徳を投入。同33分、香川の絶妙なスルーパスに柿谷が抜け出したが、右足のシュートはゴール右に外れ、決定機を生かせなかった。

 日本は後半34分、内田に代えてDF酒井宏樹を投入。最後まで勝ち越しゴールを目指して果敢に攻め込んだが、3点目を奪うことはできなかった。それでも試合は2-2で終了。ブラジルW杯欧州予選を無敗で突破するなど、ルイス・ファン・ハール監督の初陣となった12年8月15日のベルギー戦(2-4)で敗れたのを最後に最近15戦無敗(11勝4分)のオランダに対し、2点差を追いつく粘りで引き分けに持ち込んだ。

(取材・文 西山紘平)

反撃の狼煙あげるゴール、大迫「結果を出すことしか考えてなかった」
13/11/16 23:30

[11.16 国際親善試合 日本2-2オランダ ゲンク]



 日本代表は16日、オランダ代表と国際親善試合を行い、2-2で引き分けた。日本は19日にもベルギー代表と国際親善試合を行う。

 2点ビハインドで迎えた前半終了間際の44分、MF長谷部誠が高い位置でボールをエリア内に走り込むFW大迫勇也が右足ダイレクトで蹴り込み、後半に望みをつないだ。

「点が取れてなかったので、結果を出すことしか考えてなかった。0-2にされてしまったんですけど、1点取れば分からないと思っていたので、その点が取ることが出来てよかったです」。ゴールを振り返った大迫は、とりあえずの結果を残せたことに安堵した。

 ただ結果的にチームとして勝ちきれなかったことについては、「勝ちきれないところが何か足りないと思うので、勝ちきれるようにもっと力を付けたいです」と話した。

 次戦はFIFAランクでは今日のオランダを上回る5位のベルギーが相手となる。「もう1試合、格上の相手なので、いつも以上の力を出せれば勝利に近づけると思うでので、頑張りたいです」。エースと呼ばれるまで、大迫は結果を残し続ける。

オランダから奪った歴史的初ゴール、1G1Aの大迫「もっともっと結果を」
13/11/17 01:12

[11.16 国際親善試合 日本2-2オランダ ゲンク]



 先発の予感はあった。「昨日の練習からそんな感じかなと思っていた」という日本代表FW大迫勇也(鹿島)が9月6日のグアテマラ戦以来、3試合ぶりの先発で1ゴール1アシスト。過去2戦はいずれも零封負けだったオランダから日本代表史上初ゴールを奪い、反撃の狼煙を上げた。

 0-2の前半44分にMF長谷部誠からの縦パスを右足ダイレクトでゴール左隅に流し込んだ。「狙いどおりだったし、あの時間帯で0-2から1点を取ることができて、いい流れで後半に臨めたと思う」。1点差に追い上げ、迎えた後半はFW香川真司、MF遠藤保仁も入り、さらに攻撃が活性化。後半15分には流れるようなパス交換から同点ゴールを奪った。

 遠藤のサイドチェンジを受けたDF内田篤人からFW岡崎慎司、MF本田圭佑とつないで中に切れ込んだ内田がリターンを受ける。内田のくさびのパスを大迫がワンタッチで落とし、本田が左足でシュート。「(内田)篤人さんがあれだけ上がってきてくれたら自然と自分も空く。うまく相手の逆を突けた。(本田)圭佑さんもいいタイミングで入ってきてくれた」。日本らしい鮮やかな攻撃で2-2の同点に追いついた。

 大迫は後半28分に交代したが、日本にはその後も勝ち越すチャンスがあった。しかし、オランダ戦初勝利となる金星はならず、2-2のドロー。「勝ち切るには何かが足りないのかな」と振り返る大迫はゴール以外の部分で課題も見つけた。「ポストプレーでもう少しうまくおさめることができればよかった。課題が見つかるのはいいこと。こういうところで試合をして、出し切ってこそ得るもの。それはいいことだと思う」。良くも悪くも実りの多い試合だった。

「チャンスの数は少ないし、そこで結果を出せるかが大事。それをずっと狙おうと思っていた」。ストライカーらしい決定力を発揮し、FW柿谷曜一朗がレギュラーを務める1トップのポジション争いに風穴を開けた。「1トップ争いというよりチームのためにやっている。1トップ争いとは考えてない」。3度目の対戦にして日本代表がオランダから奪った初ゴールにも「歴史にとらわれるのはよくない。これからもっともっと結果を出せれば」と貪欲に語る大迫は、まだまだゴールに飢えている。

(取材・文 西山紘平)

[11.16 国際親善試合 日本2-2オランダ ゲンク]


 日本代表は16日、ベルギー・ゲンクのクリスタル・アレナでオランダ代表と対戦し、2-2で引き分けた。前半12分、39分と失点した日本だが、前半44分にFW大迫勇也のゴールで1点を返すと、後半15分にはMF本田圭佑が同点弾。過去2戦2敗のFIFAランキング8位の強豪に対し、2点ビハインドを追いつき、ドローに持ち込んだ。

以下、試合後の選手コメント

●FW大迫勇也(鹿島)
―得点シーンは?
「狙いどおりだったし、あの時間帯で0-2から1点を取ることができて、いい流れで後半に臨めたと思う」
―先発はいつ分かった?
「昨日の練習からそんな感じかなと思っていた。最終的にはミーティングで言われた。ずっとどういう感じで攻めるか考えたうえでの練習だったので、スムーズに入れた」
―ゴールという結果を残せたのは大きい?
「チャンスの数は少ないし、そこで結果を出せるかが大事。それをずっと狙おうと思っていた」
―2点目の場面は?
「(内田)篤人さんがあれだけ上がってきてくれたら自然と自分も空く。うまく相手の逆を突けた。(本田)圭佑さんもいいタイミングで入ってきてくれた。失点してから流れは悪くなかったけど、それまでもいいサッカーをしていた。1点取れば分からないと思っていた」
―日本代表としてオランダから奪う初ゴールだったが?
「歴史にとらわれるのはよくない。これからもっともっと結果を出せれば」
―勝てるチャンスもあった?
「2-2に追いついて、もう1点取るチャンスもあった。勝ち切るには何かが足りないのかな」
―ゴール以外の部分で課題は?
「ポストプレーでもう少しうまくおさめることができればよかった。課題が見つかるのはいいこと。こういうところで試合をして、出し切ってこそ得るもの。それはいいことだと思う」
―オランダの守備陣の印象は?
「大きい。でも全然大丈夫だった。いろんな面で駆け引きをした」
―1トップ争いでもアピールになった?
「1トップ争いというよりチームのためにやっている。1トップ争いとは考えてない」

●FW香川真司(マンチェスター・U)
―後半からの出場だったが?
「必ずチャンスはあると思っていた。中盤から前にスペースがあった中で、そこをうまく使っていこうと」
―柿谷へのいいパスもあったが?
「あそこで決め切らないといけない。2-2で終わるのと3-2で終わるのとでは違う。悔しい」
―手応えをつかめた?
「相手も決してすべてそろっているわけではない。勝たないといけない試合だった」
―10月の試合と違ったところは?
「みんなが自信を持って、思い切ってやっていた。先月とは気持ちの面が違った。どうしよう、ああしようというのが先月。ゴールのためにシュートを打つとか、飛び出していくとか、シンプルなことができていた。チームが勝つために、自分を信じてやることをテーマにやった。アウェーではそういうことが大事だし、それを11人が持ってまとまっていくことが大事。試合前は何も考えず、やりたいサッカーはあるけど、自分の持っているものを無心で出すことを考えていた」

●FW岡崎慎司(マインツ)
「ただ足元を狙うのではなく、それまでに裏を狙っていたので、それが功を奏したのかなと思う。個人的には、日本の一番いいサッカーというのは臨機応変にどんなサッカーでもできることだと思っている。ショートカウンターもあれば、足元でつなぐサッカーもあれば、裏を狙うサッカーもある。、僕は裏を狙うときに自分の得意なパターンが出ると思っていたので、そういうのでリズムをつかめるようにと思った」
―今日は2失点して、コンフェデのイタリア戦とは逆の展開になったが?
「自分たちが試合をいい方向に持っていくためには、イタリア戦がそうだったように、自分たちが先制することが大事。僕もチャンスは1回あったので、ああいうところで決める力があれば、チームをもっと楽にできたというのは一つの課題だと思っている。失点シーンはウッチー(内田)だけのせいじゃないけど、その前にもあやふやなパスが何回かあった。先制されてはいけないし、ああいうところをもっと大事にしないといけない。萎縮するわけじゃないけど、ああいうところだけはちゃんとしないといけないという重要性を感じた」
―試合前に批判的な横断幕が出ていたが?
「まったく気にならないといったら嘘になるけど、自分たちはチームとして揺るがない結束があるし、それはサポーターも同じ気持ちだと僕は思っている。ああいうことを書かれても、みんなW杯で勝ちたいという思いは一緒だと思うので、その気持ちを自分たちがプレーで表現すればいいだけ。不安は感じなかったし、いい方向にいけばみんな賛同してくれるので、僕らはプレーで表現すればいいと思っていた。これからもそれは一緒。悪くてもチームが結束することが大事だし、チームが乱れることが一番ダメ。僕は前のW杯前にもこういうことは経験している。前回のときの結束は僕も生で参加していたし、目の前で見てきたので、そういうのをつないでいく人間になっていきたい」
―何が一番変わってきたのか?
「自分たちがやろうとしていることはまったく変わらないけど、やっぱりどんどんW杯が迫ってくる中でコンフェデで負けて、ウルグアイにも負けて、そのあと勝って、また負けてという不安定な試合をしてきた。それでも自分たちは不安定ではなかったし、気持ちは揺るがなかった。それはこれからも一緒で、このたった1試合で自分たちの目指すものは変わらないし、結束力を大事にしたい。何を言われても自分たちは同じ方向を向いていると思っているし、それはサポーターも一緒だと思う。日本国民が応援してくれていると思っているし、自分たちはプレーで表現することで日本代表はつながっていると思う」

●FW柿谷曜一朗(C大阪)
―交代で入ったときの指示は?
「2-2で、いい流れだったので、そのまま崩さず、もう1点取って逆転したかった。指示というか、そういうことでした。すごくいい流れの中で入れたので、何とか攻撃の起点になろうと思っていた」
―惜しいシュートもあったが?
「そうですね」
―香川が狙いを定めてパスをしていたが?
「ナイスパスでした」
―シュートは?
「いや、見てのとおり」
―GKのプレッシャーを感じた?
「何もないです。実力不足です」
―2-2の引き分けについては?
「勝てたので悔しいです」
―10月には見られなかったスルーパスだったが、10月はあえて封印していたのか?
「いえ、いつももらおうとはしていた。今日はいいタイミングがあったので」
―自分から要求を強めたのか?
「あそこは(香川)真司君がいいボールを出してくれただけです」
―柿谷選手がGKにプレッシャーをかけにいってチャンスもう生まれたが?
「あれは前半からサコ(大迫)もずっとやっていたので、それがいい形でハマりました。相手のミスというか、グラウンドも悪い中、それでもつないで来ようとしていた相手に少しミスが出たというか」
―前進した?
「チームとしてはしっかり時間帯を考えたプレーをしていたと思うけど、結果がすべてだと思う」
―大迫が結果を出したが?
「チームの一員として見ていました」
―手応えは?
「手応えはまったくないです。次に向けてしっかりコンディションを整えて勝つだけです」

●MF長谷部誠(ニュルンベルク)
―ロッベンのシュートの場面は?
「試合前から話していて、自分も分かっていたが、思っているより早く来た。完全に僕がケアするところだった」
―大迫のゴールをアシストしたが?
「最後の時間がない中で1-2にできたこと、1点を返せたことで後半につながる形の点になった」
―前半は何が難しかった?
「相手の6番(ナイジェル・デ・ヨング)が利いていて、そこから起点になってパスが出ていた。そして、小さいミスを決められた。攻撃面ではサイドを崩すと良い形ができていたので、サイドを使おうとしていた。あとはセカンドボールを拾えたときは良い2次攻撃ができていた。後半は前からの守備もよかったので、良い攻撃ができたと思う。6番も交代していなくなっていた。前半のうちから後半のようなサッカーができていれば良かった」
―10月の2連戦から良くなったことは?
「今日は選手全員が裏への意識があり、サイドの幅を意識した攻撃ができていた。守備も連動していた。選手全員が同じ方向を見て、同じマインドでプレーしたことが良かった。それは監督も言っていたこと」
―なぜ同じマインドになれたのか?
「10月に自分たちがいろいろ試した中で、正直怖さがなかったので、そういう反省がある」
―サポーターから厳しい横断幕も出ていたが?
「とにかくすべてをポジティブに持っていきたい。今日はオランダと引き分けたというより、チーム全体が同じ意識を持って戦えたところに意味がある。でも、これを継続していかないと意味はない。それにプラスして、今日は先発も何人か代わって、新しい選手を監督が試している。多くの競争があることがチームをつくる上で必要だと思う」
―どん底からはい上がった?
「どん底だったとは思っていなかったけど、やはりうまくいかないという意識があったからこそ、ジャンプするときがある。そういう意味でまだ1試合。次の試合が重要になる」

●MF山口螢(C大阪)
―後半は下がったことでビルドアップがうまくいった?
「分からないけど、自分の中でもっとボールに触りたかったというのがあった。あれをもっと前半からやれればよかったと思う。オカさん(岡崎)が引いてきたり、裏に飛び出したりというのをもっと数多くやっていけたら」
―序盤はピンチもあったが?
「(欧州組が入ったチームで)初めて先発だったので、若干緊張していたというのがあったと思うけど、その中でうまく自分で切り替えることができた。徐々に慣れてきたと思う」
―柿谷と一緒に出たのは東アジア杯以来だったが?
「(書きたい)曜一朗くんだけじゃなく、オカさんも裏を狙っていた。そういうところで、全員の意識として裏を取るという意識になってきているのかなと思う。今までは足元だけだったので、それだけでは中を固められたときになかなか崩すのが難しかった。幅も出たし、裏に抜けた選手以外の選手が引いたりもらったりということもできるので、良い効果が出たと思う」
―このチームで90分出たことについては?
「初めて90分出たので、次のステップに向かって行くにはすごく大きなステップだったと思う」
―前半は長谷部、後半は遠藤と組んだが?
「ハセさん(長谷部)の場合は結構前に出て行くので、自分もバランスを取っていることが多かった。ヤットさん(遠藤)は上がっていくときもあるけど、基本は真ん中でパスを受けて散らすので、より自分も前へ出て行ったほうがチャンスになると思ったし、(ハーフタイムに)真司君もボランチが上がってくるとチャンスになると言っていたので、それを聞いてより上がっていこうと思った」
―試合の中でうまく修正できた?
「前半と後半でハメに行くやり方も変わっていた。それは選手同士でうまく改善できたと思う」
―周囲に合わせていけるのが強み?
「強みとは思ってないけど、自分はそうやって合わせていかないと生き残っていけない選手だと思う。だからうまく合わせることができたのかなと思った」
―上がっていった場面はセレッソのようだった。
「あれをより多く出すのが大事だと思うので、前半からもっと出していればチャンスになったと思う。ボランチが攻撃参加していくことで厚みも出ると思うので、チャンスにもなっているし、もっと出していければいいと思う」
―9月に比べると飛躍的にフィットしてきているように見えるが?
「フィットしているというか、あのときは欧州組が来て2回目くらいだったので、遠慮じゃないけど、自分の良さを出していなかったというのがある。それは回数を重ねるごとに良さを出せるようになってきたのかなと思う」
―次への課題があるとしたら?
「失点の場面は早かった。それで相手に(主導権を)握られたというのがあると思うので、先制点を取られないようにするのと、ロッベンに取られたところは、チームとしても最初から切れ込んであの形を持っているというのは分かっていたのに、やられてしまった。そういうところも対応しないといけない」
―寄せ切れずに打たれた?
「寄せ切れずにというか、寄せ切れずにやられるなら、思い切って行ってしまってやられてもしゃあないと思う。ああやって全員が『だれが行くん?』となって失点してしまうのが一番良くないと思うので、それは自分を含めて、もっとビビらずに、ビビっているわけではないけど、もっと行ければ良かったと思う」
―ボランチのポジション争いでもアピールになった?
「もっと自分の良さは出せると思うし、まだまだ出せてない部分の方が多い」
―もっとやれる?
「やれるというより、やらないといけない」
―試合前にチームメイトからは声をかけられた?
「(長友)佑都くんは『思い切ってやれ』と言ってくれた。『前につぶしにいくプレーをどんどん出せ』と。そういう声をかけてもらって、少し楽になった」

●DF内田篤人(シャルケ)
「1失点目が悔やまれる。バウンドも難しかったけど、うまく失点につなげないことが大事だった。立ち上がりはよかっただけに、自分のミスで勢いが止まってしまったので申し訳ない」
―すぐに切り替えた?
「最近、失点に絡むことがなかったので、ちょっと前半は引きずったけど、どうにかして戻そうという意識はあった」
―めずらしいミスだったが?
「トラップしたら相手も来ていたし、外にクリアしたらたぶん敵もいた。自分の中で一瞬、かなりちょっと迷いがあった」
―チームとしても立て直せたが?
「それは仲間に助けられた結果だから。自分はDFとして失点に絡んじゃいけないし、ああいうミスでオランダみたいな強いチームに先制点を取られると、今日は追いつけたからいいけど、ちゃんと反省しないといけない」
―チームの出来は?
「後半は特にボールを回せたし、自分も何回か行けるシーンがあった。得点にも絡んだし、悪くないとは思うけど、どっちかと言うとオランダがうまくいってないなと。俺らも良かったけど、オランダがちょっとうまくいってないかなという意識もあった」
―2-2までいって、そこから勝ち切る難しさもある?
「何回かチャンスはあったけど。ザックも言ってますけど、多くのチャンスをつくらないと僕らは点を取れないというね。決定力がないと言われたらあれですけど、そこで勝ち切る力というのはずっと課題だと思う」
―2点目の場面は?
「僕の中ではイメージどおり。オカちゃん(岡崎)に当てて、落としが来て、大迫がたぶん中に入ってきたのがちらっと見えたので出したけど、あとは中の2人の技術だと思う。ああいう形が増えてくれば、いろんな選手が顔を出して入っていけるし、シュートのチャンスは増えてくると思う」
―勝ちたかったけど、2-2は悪くない?
「俺は言えないでしょ、そんなこと。俺が失点しなければ2-1で勝っていたので。DFなんていつか失点に絡むけど、組織で守れていても、個人で俺みたいなやつが増えると、失点は免れない。それが分かっているからこそ、すごくちょっと悔しいというか、仲間に感謝したいですね」
―10月からの悪い流れも変わった?
「今日、勝ってたとしても負けたとしても、この試合で一喜一憂することなく、また続けていくことが大事だと思う」
―チームとしての原点がある?
「練習でゲーム形式が多かったので、自分たちの感覚が出てきたのかなと。ほとんどがゲーム形式で、やっていく中で自分たちが感じることなので、戦術どうこうより手っ取り早い」
―右サイドからの攻撃が増えてきたが?
「今までは左から行けていたから、バランスを見ようと思っていた。左で行けなかったら右からって。日本は左サイドの攻撃が主体というスカウティングは絶対にあるはずだし、そこで顔を出せれば向こうも広がる。2点目も右からの攻撃だったし、あのときは本田さんもこっちにいた。今までは左サイドにボールがあるときは、どっちかと言ったら完全に下がる感じだったけど、サイドチェンジに顔を出そうかなと思っている。まだまだ完成形とは思っていないけど、後半は結構、行けるシーンもあった。今まではチームのためにと思っていたけど、もう少しワガママでもいいのかなと」

●DF長友佑都(インテル)
「強豪のオランダを相手に2点取られて、今日もダメなんじゃないかという雰囲気をみなさん感じたのではないかと思うけど、僕らは絶対に取り返すんだという気持ちを見せられたと思う。ただ、今日は絶対に勝ち切れた試合だと思うので、そこは悔しい」
―手応えはあった?
「僕は2点取られたあともいけるという感覚がすごくあった。自分のコンディションも良かったし、チームも全員、気持ちが入っていたので、僕はそう感じていた。チームが一つにまとまったというのが一番かな。一人ひとりが最後までチームのために走って、地味なプレーでしっかりつぶすところをつぶして、妥協しないというところを一人ひとりがやれた。僕らも今日学んだ部分はたくさんある。でも、次の試合で生かせなかったら意味がないので、次の試合が勝負だと思う。1試合では評価できない。続けないと意味がない」
―このところ言葉数が減っていたが?
「今だから言えますが、すごく集中していて、あまりしゃべりたくないという気持ちが正直強くて、申し訳なかったと思っています。それくらい集中していたし、オランダに対して、そしてロッベンに対して、僕自身、負けたくないという気持ちが少なくなかったから口数が少なかった。重圧は少なからずみんな感じていたと思う。雰囲気が悪いということはなかったけど、本当にプレッシャー、重圧を僕らは今まで以上に背負っていたので。ただ、今日で満足するようでは次の試合はないと思う」

●DF今野泰幸(G大阪)
「最初に失点して、嫌な雰囲気もあったけど、いつもはシュンとするところで僕らのサッカーができたのがよかった。前線からの守備を大迫もすごくやってくれて、(パスの)出どころを抑えてくれるから僕らもやりやすかった」

●GK西川周作(広島)
「いつも(チームメイトが)感じているんだなというものを自分もピッチで感じられた。前半で2点を入れられて、屈辱的な気持ちを試合で感じられたのは逆にうれしかった。後半、日本が追いついて、勝てたと言われてもおかしくない試合だったけど、負けなかったというのは自分としてもポジティブに考えている」
―プレー面で意識したことは?
「ロングボールを蹴るより、極力、自分の持ち味であるつなぐ意識を出したかったし、DFとも話して今日はビルドアップでも自分を出せたと思う。こういうピッチ上でしっかりできたことは自信になる」
―失点後のコーチングは?
「慌てるなということ。サッカーなんて点を取られたあとの振る舞いが大事だと思うので、そういう声をかけていた」
―個人にとってもいい経験になった?
「こういうアウェーでA代表として試合をしたことがないので、やっと経験できたことが素直にうれしかった。今日は楽しもうと思っていた。こういう機会は自分にはなかなかなかったので、とにかく自分の持ち味を出すことだけを意識してやった。勝てればベストだったけど、まずはこういう経験ができたことがよかった」
―先発を言われたのは?
「今日のミーティングです。予感はまったくなかった。素直にうれしかった。オランダとはU-20のときにやっているけど、あのときは負けて悔しい思いをしていたので、A代表としてオランダとアウェーでできたことは非常にうれしかった」
―ミスから失点したが、どういう気持ちでプレーしていた?
「ああいうミスをカバーするのがGKだし、カバーできなかったことの方が悔しかった。そのあとはみんなしっかりと落ち着いてプレーできたし、ビルドアップでどんどんつなごうとDF陣と話し合っていたので、今日はやりやすかった」
―オランダの印象は?
「横に幅を取ってサイド攻撃という狙いがあって、サイドと思いきや中から崩したりとか、いろいろな攻撃のバリエーションがあったので考えさせられることはあったけど、負けなくてよかった」
―シュート精度は?
「やはりパンチ力があるなというのと、ロッベンのシュートもワールドクラスだなと感じた。ああいうシュートを止められるGKになっていきたいと思った」
―楽しかった?
「本当に楽しかった。(試合が)もっと続けばいいのになと思っていた。でも、それはこれから自分が勝ち取ることだと思っているし、この経験を生かしていきたい」

(取材・文 西山紘平、矢内由美子)

大迫弾「結果しか」一問一答/親善試合

前半44分、1点差に詰め寄る反撃ゴールを決め、喜んで駆けだす大迫(撮影・松本俊)

<国際親善試合:日本2-2オランダ>◇16日◇ベルギー・ゲンク

 日本代表FW大迫勇也が、先発期待に応え、反撃のゴールを決めた。2点ビハインドで迎えた前半44分、MF長谷部のパスを落ち着いてゴールに流し込み、チームの同点劇を演出した。

 試合後のインタビューは以下の通り。

 -先発について

 大迫  結果を出すことしか考えていなかったです。

 -前半のゴールについて

 大迫 1点取れば試合は分からないなと思い、その点で1点取れて良かったです。

 -2-2の結果について

 大迫 勝ちきれないところが、まだ何か足りないと思うので、勝ちきれるように次、頑張りたいです。

 -次のベルギー戦へ

 大迫 格上の相手なので、いつもどうりの力が出せれば、勝利に近づけると思うので、また頑張りたいです。
 [2013年11月17日0時0分]

反撃の大迫、スタメン応えた/親善試合

前半44分、1点差に迫るゴールを決め、喜びながら駆けだす大迫(撮影・松本俊)

<国際親善試合:日本2-2オランダ>◇16日◇ベルギー・ゲンク

 ザックジャパンの1トップは俺だ! FW大迫勇也(23)が、9月の親善試合グアテマラ戦以来の先発出場で1得点1アシストと大暴れした。前半44分に冷静に右足でゴールを決め、日本代表のオランダ戦初ゴールを記録。後半15分にはゴール前のポストプレーで、本田の同点ゴールをアシストした。万能型FWが結果を残し、1トップの座を争うライバルFW柿谷曜一朗(23)の前で存在感を見せつけた。

 大迫がザックジャパンを救った。2点を追う前半44分、MF長谷部からのグラウンダーのパスを右足のインサイドで、直接シュートした。「0-2という状況で、1点取れば分からないと思ってたんで、その点が取れて良かったです」。ゴール左隅に沈めると、両拳を握りしめ、興奮した表情で雄たけびを上げた。下馬評では圧倒的不利とされていた強豪オランダ戦。そのチーム全2得点に絡んだ。引き分けに持ち込み、低迷するチームに再浮上のきっかけを呼び込んだ。

 再びつかんだチャンスを、モノにした。9月の親善試合では無得点。招集されなかった10月の東欧遠征では、W杯に出場しないセルビア、ベラルーシに2連敗する姿をテレビで見届けた。やり場のない悔しさをかみしめ、Jリーグでは今季18得点。遠征直前は4試合連続で得点を決め、好調を維持。晴れてメンバー入りを果たした。「楽しみだね」。口癖のようにそう繰り返し、心待ちにしたオランダ戦だった。

 これまで以上に、貪欲にゴールを狙っている。今季好調の理由を「チーム(鹿島)で1トップで出て、ゴールすることだけを考えてプレーできているから」と自己分析。鹿島の石井正忠コーチも「前は体勢を整えてからシュートを打っていたが、今年はチャンスがあればすぐに打つ」と変化を感じている。この日も好機を逃さない積極的な姿勢でゴール前に顔を出し続け、「FWは点を取ってなんぼ。ゴールを決めることを最優先にしたい」。その言葉どおりの得点で、存在感を見せつけた。

 ここまで1トップ争いで柿谷の後塵(こうじん)を拝していたが、強豪相手に価値ある結果を残した。それでも「勝ちきれないところがまだ何か足りないと思うので、そこを補えるようにやっていきたい」。次戦はFIFAランク5位のベルギーだが、相手は関係ない。大迫の頭の中には、ゴールしかない。

 ◆ザックジャパンの1トップ争い 6月のコンフェデ杯まではオールラウンダーのFW前田(磐田)が不動の存在だったが、7月の東アジア杯以降は高い技術を持ち裏への抜けだしが持ち味の柿谷が急浮上して定位置を確保した。この日先発した大迫、最長身194センチを誇るFWハーフナー(フィテッセ)、東アジア杯組のFW豊田(鳥栖)に加え、Jリーグで絶好調で実績もあるFW大久保(川崎F)らが候補に挙がる。

 [2013年11月17日7時19分 紙面から]

大迫、グアテマラ戦以来の先発で反撃のゴール!

前半、ゴールを決め、両手を広げて喜ぶ大迫=ベルギー・ゲンク(共同)

 国際親善試合(16日、オランダ2-2日本、ベルギー・ゲンク)9月のグアテマラ戦以来の先発を果たした大迫が、0-2の前半44分に反撃のゴールを決めた。逆襲の場面で巧みに相手DFの間に位置取り、長谷部のスルーパスを右足で合わせた。先行を許す苦しい展開の中で、チームを勇気づける一発だった。

 前回先発した際は前半だけで退いた。所属の鹿島で得点を重ねて代表に再び招集され、今度こそという思いがある。ワントップでは柿谷というライバルがいる中で巡ってきたチャンス。「結果を出さないと。このポジションは点を取ってなんぼ」という意気込みを見事にゴールにつなげた。(共同)


前半、ゴールを決め、駆け出す大迫=ベルギー・ゲンク(撮影・吉澤良太)


前半、ゴールを決めた大迫(右)は長友と喜ぶ=ベルギー・ゲンク(撮影・吉澤良太)


前半、ゴールを決め喜ぶ大迫(中央)と長友、長谷部=ベルギー・ゲンク(AP)


前半、ゴールを決める大迫=ベルギー・ゲンク(AP)


前半、シュートを放つ大迫(右)=ベルギー・ゲンク(撮影・吉澤良太)


1トップはオレだ!大迫“一発回答”1ゴール1アシスト

日本-オランダ 前半、ゴールを決める大迫(右)=ゲンク(共同)

 国際親善試合(16日、オランダ2-2日本、ベルギー・ゲンク)日本代表はオランダ代表と2-2のドロー。先発に抜擢(ばってき)されたFW大迫勇也(23)=鹿島=が強豪相手に1ゴール1アシストを決め、来年のブラジルW杯に向けた新1トップ候補として存在感を発揮した。MF香川真司(24)=マンチェスター・ユナイテッド=は後半開始から出場し、復調を印象付けた。主力と新戦力が融合した日本は、19日(日本時間20日)にFIFAランク5位のベルギー代表と対戦する。


前半、ゴールを決める大迫(右)=ベルギー・ゲンク(撮影・吉澤良太)

 Jリーグで勢いに乗る男が“一発回答”だ。今季18得点とJ1の得点ランクで3位に並ぶFW大迫が先発に抜擢されると、1ゴール1アシストと躍動。「結果を出すことしか考えていなかった。0-2から1点取れば分からないと思っていたので、取れてよかった」と笑った。

 最初の見せ場は2点を追う前半44分。ゴール正面でMF長谷部のスルーパスに右足をダイレクトで合わせると、ボールはゴール左隅に吸い込まれた。2010年南アフリカW杯準優勝の強豪と日本は過去2度対戦し、いずれも完封負け。日本代表として初めて「オレンジ軍団」のゴールをこじ開けた。

 これで息を吹き返した日本は後半に攻勢に転じると、同15分には相手DFを背負いながらDF内田のパスをMF本田に落として同点弾をおぜん立て。同28分に退くまで攻撃の中心を担った。

 ポストプレーがうまく、ボールを失わない特長も随所に光った。それを支える強靭(きょうじん)な足腰が培われたのは、鹿児島城西高時代だ。指導した小久保悟監督(45)は「グラウンドが柔らかい土で走りにくい。あれで強くなった」と指摘する。環境に恵まれたチームは人工芝での練習が多いが、大迫は桜島の火山灰がベースの灰色の土で育った。本人も「砂漠みたいなグラウンドでしたから。それで強くなったのかな」と話す。


前半、ゴールを決め、両手を広げて喜ぶ大迫=ベルギー・ゲンク(共同)

 フルメンバーの代表戦での得点は初めて。同じポジションではFW柿谷が台頭した中、一足先に結果を出して存在感を示した。「緊張はしなかった。少ないチャンスの中で結果を狙おうと思っていた」と大物の風格すら漂わせた大迫が、ザック・ジャパンの1トップ争いに名乗りを上げた。
(紙面から)

敗色ムード変えた!大迫 スタメン起用に応えるアピール弾
国際親善試合 日本2―2オランダ (11月16日 ゲンク)


<日本―オランダ>前半、ゴールを決める大迫(右)
Photo By 共同


 小さくジャンプして右拳を握った。欧州組を含むベスト布陣で初めて先発1トップに抜てきされた大迫が日本の窮地を救った。

 0―2の前半44分、中盤をドリブルで抜け出した長谷部の縦パスに反応。相手DF2人の間を走りながらダイレクトで右足を振り、ゴール左隅に流し込んだ。「最初は右を狙おうと思ったけど、途中で変えた」。コンマ数秒の判断でGKの位置を見極めてシュートコースを変える難易度の高い一撃。7月25日のオーストラリア戦以来出場2試合ぶりの得点はチームにとって実に242分ぶりのゴールだった。

 試合前のミーティングで先発を告げられたが「緊張はしなかった」と動じなかった。後半15分には右アウトサイドキックのダイレクトパスによる絶妙なポストプレーで本田のゴールを演出。後半28分に途中交代するまで存在感を示した。鹿島では今季リーグ18得点を記録。欧州遠征直前の10日の湘南戦ではクラブ史上初のシーズン2度の4試合連続弾を決めている。決定力、勝負強さは国際舞台でも不変だった。

 欧州での試合は関塚ジャパンの一員として出場した08年5月のトゥーロン国際大会以来。当時はフランスの足元が粘土のように軟らかいピッチに苦しんだ。関塚監督から失格の烙印(らくいん)を押され、ロンドン五輪メンバーから落選した苦い過去を持つ。W杯メンバーへ生き残りを懸けた一戦で同じ失敗を繰り返すわけにはいかない。試合前日の公式練習でピッチ状態を入念に確認して、スパイクはグリップ力の増す取り換え式を使用。過去の教訓を無駄にはしなかった。

 昨年から欧州にパイプを持つ代理人と契約。鹿島との契約を2年残すが、移籍金は推定3000万円に設定され、移籍への障害は少ない。視察に訪れたドイツ、オランダなど複数クラブのスカウト陣にもアピールし、今冬の欧州移籍も現実味を帯びてきた。「相手DFは大きかったけど、全然、問題はなかった。試合を重ねればもっと良くなると思う」。ザックジャパンに新たな息吹を吹き込み、世界の強豪オランダ相手に決めた一撃。インパクトは絶大だった。
[ 2013年11月17日 05:30 ]

大迫、反撃弾に本田同点弾もアシスト!1トップ大当たり!

前半44分、長谷部からのパスをダイレクトで右足シュート、ゴールを決めた大迫

 ◆国際親善試合 オランダ2―2日本(16日、ベルギー・ゲンク、クリスタル・アレナ) 大迫が1トップ争いに猛アピールだ。オランダに0―2とリードを許し戦意を喪失しかけていた前半44分、FW大迫勇也(23)=鹿島=が1点差に迫るゴールでチームに流れを呼び寄せた。ベストメンバーから4人を代えて先発させたアルベルト・ザッケローニ監督(60)の采配もズバリ。来年6月のブラジルW杯へ大きな希望を抱かせるドローとなった。

 完敗モードを一変させた。大迫が、オランダ相手に強烈なインパクトを残した。2点を先行され、反撃の糸口が見えない前半44分だ。MF長谷部のパスを受けた背番号18は、ダイレクトで右足を振り抜き、ゴール左隅へ決めた。「1点取ればわからないと思った。取れて良かった」。東アジア杯オーストラリア戦(7月25日・韓国)で2得点して以来、自身代表3ゴール目に喜びを爆発させた。

 来年のブラジルW杯本番でも優勝候補に挙げられる強豪との一戦。1トップで先発したのは柿谷でなく大迫だった。「(代表が)点が取れてなかったので結果を出すことしか考えていなかった」。10月の東欧遠征では代表落ち。「11月のためにJリーグで頑張るだけ」との宣言通り、落選直後のF東京戦(10月5日)から湘南戦(11月10日)まで鹿島史上初となる1シーズン2度目の4戦連発を記録。昨年の倍となる18ゴールは得点ランク3位タイだ。Jリーグでの勢いをそのままに欧州に乗り込んだ。

 後半15分には、ポストプレーから本田の同点弾をアシスト。全得点に絡み、同28分に交代するまで1トップとして、しっかり仕事をこなした。勝負強さの秘密は、マイペースぶりにもある。どんな状況でも周りに流されることはない。本田や香川に学びたいことを問われても「そういうタイプじゃないからね」と笑う。東アジア杯後も鹿島イレブンは「変わったところはないよ」と口をそろえた。日本屈指のストライカーに成長しても、練習後には「おなかすいたよ~。帰っていい?」と無邪気に報道陣に接するなど気負いはない。

 9月のグアテマラ戦前には、スパイクを新調。ナイキ社が足型を測定し、かかと部分を厚くするなど“大迫オリジナル”を用意。同社関係者も「日本のエースになってくれれば」と期待する。「勝ちきれないところは何かが足りない」と結果に満足はしていない。停滞感漂っていたザック・ジャパンにニューヒーローが現れた。
(2013年11月17日06時04分 スポーツ報知)

大迫が追撃弾 1トップ戦争に殴り込み
2013年11月17日


前半、ゴールを決める大迫(右)=共同

 「国際親善試合、日本2‐2オランダ」(16日、ゲンク)

 日本代表FW大迫の一撃が希望の光になった。

 0‐2での前半終了間際、ドリブルで突っかけたMF長谷部の前方でパスを引き出すと、ダイレクトでゴール左隅を打ち抜いた。大迫は7月の東アジア杯豪州戦以来となる3点目を挙げ、欧州組との合流後は初。日本にとってはオランダからの初得点。1トップ戦争に殴り込みをかける1得点1アシストにも「勝ち切れないところが何か足りないと思う」と向上を誓った。


敗戦濃厚の試合を引き分けに持ち込んだ大迫の活躍にスポットが当たっておる。
日本屈指のセンターFWがチャンスを掴んだ瞬間を報じるのはメディアの使命と言って良かろう。
多くの紙面を割き大迫が如何なる選手なのかを日本国民に知らしめるのだ。
素晴らしいストライカーと共に歩める幸せを噛みしめて欲しい。
これからの日本代表に注目である。

広島戦コメント・報道

2013年11月17日 | Weblog
第93回天皇杯全日本サッカー選手権大会 4回戦


鹿島アントラーズ:トニーニョ セレーゾ
・自分たちのミスが多かった。攻守の切り替えが遅かったし、パスミスが多かった。広島はボールを持たせてくれるチームであり、帰陣が早く、相手の追い込み方も知っている。小笠原など、いつもはパスミスをしない選手もミスがあった。またチームとしても横へのパスが多かった。縦パスで相手のラインを下げる必要もあった。
・ただ試合としては、お互いが攻める気持ちを持ち、互角の勝負を挑む、いいゲームだったと思う。前半に3失点してしまったが、こちらにもセットプレーや流れの中でチャンスはあった。前半に点が取れていれば、また違ったし、後半も3点ビハインドだったが、自分たちで主導権を握ろうと戦っていた。
・しかし前半は相手の方が秩序と規律を持っていた。また後半は3点ビハインドを乗り越えたいと必死にやってエネルギーを切らしてしまった選手もいた。サッカーは人間がやることなので、気持ちの部分でうまく行かない選手もいるし、ムラが出る時もある。それもサッカー。
・(広島とリーグ最終節で対戦するが)彼らとやる前に2試合ある。どれも難しいゲーム。広島は力のあるチームなので、敬意を持って戦うのみだ。



【伊東幸敏】
失点はほとんど自分のところからやられている。みんなに申し訳ないという気持ちが強い。浦和の時の方が個人的にはやりにくかった。やりにくさに変わりはなかったが、ここまで崩れるとは思わなかった。ドリブルで仕掛けられ、枚数が足りなかった。(最終節で)試合に出られるのであれば、しっかり借りを返したい。(初ゴールは)喜べません。

【土居 聖真】
切り替えるしかない。ボールをの取りどころがはまらず、後手後手になった。しっかり反省して、この負けを(リーグ戦に)活かさないといけない。幸い最終節で広島と戦えるので、借りを返せる。

【青木 剛】
天皇杯も優勝を目指していたのでここで負けてしまい、不本意な形となった。自分たちのホームでしっかり勝って次のステージに進む事が目標があったので、達成できずに悔しい気持ちがある。今シーズンは残り3試合しか残っていないので、全力を尽くしたい

2013年11月16日(土)

本日行われた天皇杯4回戦広島戦は、1-3で負けを喫しました。

【第93回天皇杯 4回戦 鹿島 vs 広島】トニーニョセレーゾ監督(鹿島)記者会見コメント(13.11.16)
11月16日(土) 第93回天皇杯 4回戦
鹿島 1 - 3 広島 (15:05/カシマ/5,710人)
得点者:28' 高萩 洋次郎(広島)、41' 塩谷 司(広島)、45'+1 高萩 洋次郎(広島)、79' 伊東 幸敏(鹿島)

●トニーニョセレーゾ監督(鹿島):

Q:ゴールが遠かった印象です。大迫選手の不在の影響もあったのでしょうか?
「やはりチームの得点王であり、17点、18点取っている選手がいないというのは当然影響があります。ただ、彼一人だけの問題、彼がいないだけの問題ではないと思います。僕の個人的な見解としては、今回の代表戦には天皇杯に残っていないクラブの選手をテストすることもできたのではないかと思います。大迫選手は、Jリーグで結果を残している選手ですし、視察も行われてきましたから。
試合としては、非常におもしろみのある試合、サッカーが好きな僕としてはおもしろみのある試合だったと思います。一方的ではなく、とてもオープンな試合だったと思います。互いにゴールを目指す、互角に戦おうという意志がお互いに感じられたのではないでしょうか。前半で失点した数のところで差が出ましたが、前半のコーナーキックや土居選手の得点できるようなチャンスなど、同点や逆転するチャンスはあったかと思います。後半は3点ビハインドでしたので、相手のビルドアップを防ぎながら圧力をかけていくという形でできたと思うし、そのなかでもチャンスはありました。特に自分たちのホームで主導権を握ってやるというのを求めています。それがしっかりできた部分もあったと思います。唯一の違いとしては、前半は相手の選手のほうが責務や規律・規則というところでうまくでき、我々には誤差があったと思います。我々は後半になってそれができるようになったというところに、違いがあったと思います。あとは3点ビハインドということで、後半は何人かの選手がハンデを追いつくために、消耗してしまったところでパワーダウンした部分があったと思います。その責務に関しても、サッカーというものはいろんな要素があるものです。調子の良い日もあれば悪い日もあり、気持ちが入っているときもあれば入っていないときもあり、それが1名だけのときもあれば数名のときもあります。そのすべてがサッカーというスポーツのおもしろさに含まれています。人間がやることなので、それが人間的な部分ではないかと思います」

Q:天皇杯のタイトルがなくなり、あとはリーグ戦3試合を残すだけになりました。その意気込みと、最終節で広島ともう一度やることについてお願いします。
「彼らと対戦するまでは3試合あるわけであって、いきなりいまの段階で戦法がありますかとか対策はありますかと言われても、試合直後なので。その前に難しい対戦相手が2つあるわけです。それをまず1つ1つ、勝たなければいけない条件のなかで戦います。ただ、広島は非常に敬意を持たないといけないチームでありますし、力を持っているチームです。我々よりも上の順位にいるわけで、そういった力を持っているわけです。我々も互角に戦うことができたと思うし、スコアの部分・結果は伴わなかったかと思いますが、2回対戦して1分1敗。アウェイで引き分けて今回負けましたけど、そういう形にできています。試合における戦法や戦い方を準備しても、練習でうまくいっても、当日の選手の気持ちや意識、体のキレや動きによって全然違ってきます。狙ったものや約束したものが急にできなくなったり、相手がいるものなので、我々がこう動いてこうやって圧力をかけようとしても、相手もそのなかで創造性や判断力を出してきます。そのようにいかなかったときに、どう対策するのかを試合中にやらなければいけないことなのですが、どうしても選手というのはその日の状態で、メンタルの部分、フィジカルの部分、技術の部分、というすべてを含めたところのコンディションで、できる日もあればできない日もある。なかなかサッカーというのは難しいもので、皆さんは単純にボールを追いかけてネットを揺らせばいいと思いがちですけど、そう簡単にいかないところがサッカーのおもしろさではないかと思います。
例えば、今週の戦法や対策の準備と言いますけれど、今週はジュニーニョ選手が風邪を引いて体調不良で、ダヴィ選手も熱が出て、遠藤選手も少しケガを負いながら治療をしなければなりませんでした。試合の準備をしたいんだけど、選手が揃わない。加えて今回は、チームの得点王もいない、という状況でした。こういうふうな戦法を立てようとしても、2日かかる、3日かかるという回復具合を見ながら判断しなければなりませんでした。シーズン当初は、早くリカバーできていた選手が、シーズン終盤になって今度はリカバーできない。試合間のリカバリー能力が低下してしまっている。では、それに対策をとらないといけない。唯一決まっていることと言えば、日程と、試合の時間、対戦相手です。それが唯一決まっていることであって、他は臨機応変に、いろいろと起こりうる要素の中でしっかり準備を進めていかなければなりません。ですので、サッカーというのは皆さんは、ボールが右に行ったら右にいればいいとか、右足で、左足で、と言いますけれど、そうではなくて、いろんな要素、体調や気候、その選手のその日の気分、家族のトラブル、奥さんの機嫌とか、人がやる以上いろんな要素があります。そうした選手の様子を見ながら、今日は良い練習ができそうだなとか、できないとか。とりあえず練習のプランを立てても、選手が朝に来て『足が腫れています。できません』となったら、メニューも変更しなければなりません。そうやって日々のチームの準備が細かくあるわけです。来週も、こういうことをやりたいというのはありますけれど、1日休みを挟んで、月曜日になって選手の状態を見ながら微調整して変えていかなければなりません。
ちょっとひ1つの質問に対して長い答えになりました。できるだけ正確な情報を伝えられればと思います」

Q:ボールを奪ってもなかなか前に運べない時間帯が多かったと思います。相手の圧力や出足が強くて、鹿島のほうが遅れた。そういう見方でよろしいでしょうか?
「そこは単純に自分たちのミスです。切り替えの遅さやパスミス、特に守から攻へ切り替えたところでのパスミスが多かったと思います。広島はボールを持たせてくれるチームですので、帰陣を早くしてコンパクトにやるのが彼らの狙いでもあり、やっていることです。長く一緒にプレーしているで、陣形の整え方やボールの追い込み方が徹底できていると思います。あとは普段、パスミスが少ない選手が、今日は多かったことも影響しました。小笠原選手もその1人で、普段はあんなにパスミスをしないのに今日は多かったと思います。他にも何人かいました。あとは、チームとして横パスが多すぎたかなと思います。やはり縦のボールを使って深さを生み、相手のラインを押し下げるという作業もやらなければいけないし、それをやった上で全体を押し上げるということもときには必要でした。それがうまくできていなかった、自分たちのミス、パスミスや守から攻への切り替えのところでのミスがあり、うまくいっていなかったかと思います。そのなかで判断のミスもありました。遅攻と速攻の判断が逆になっていたところもあったし、ミスが多かったと思います。あとはサイドからの攻撃を自分たちの武器にしているのですが、中央を狙い過ぎたところがありました。パスが中、中に行ってしまい、自分たちの流れを作れなかったところも、1つの要因だと思います。
あとは、シュートの数を見てもわかるとおりシュートの意識が低かったと思います。前半では中村選手や遠藤選手がシュートするチャンスがありました。後半は、土居選手や柴崎選手、特に野沢選手が入ってからはシュートする意識や回数が増えたかと思います。ただ、横パスが多く、相手が一番嫌がるシュートを打たれるということへの意識やプロセスが足りないというか、もの足りないところがありました。そこは反省すべきかなと思います。伊東選手が非常にきれいなゴールを決めました。彼はここ数試合で、誰が見ても成長を感じ取れると思います。今後もそのまま素直に成長し続けてほしいと思っています。シュートする意識は、相手が嫌なことをするということです。そこは足りなかったかなと思います。あと、ダヴィ選手が後半に入って少しサイドに流れすぎたかと思います。サイドに流れて起点をつくるのはいいのですが、今度我々がクロスを上げられる状況のときにボックス内にいませんでした。彼は点を取るストライカーですので、ボックス内で仕事をしなければいけません。そういった部分もまた改善しなくてはいけないところだと思います」

以上

【第93回天皇杯 4回戦 鹿島 vs 広島】試合終了後の各選手コメント(13.11.16)
●本山雅志選手(鹿島):
「前でシュートを打てと言われていた。打ったのはヘディングの1本だけだったかな。ゴール前を固められて難しかった。1点取れて行けそうな雰囲気があったけれど。確かに、リーグ戦に向けて修正するところはあるけれど、悲観的にならないようにしたい」

●青木剛選手(鹿島):
「天皇杯での優勝を目指してやってきたので、この段階で負けてしまうのは不本意な形です」

Q:想像していたのとまた違う感じでしたか?
「相手が特徴を持ってくるなかで、ある程度、広島の特徴は試合の中で出てた部分もありますけれど…」

Q:広島の交代の仕方を見ると余裕を持って逃げ切った感じもしますが?
「向こうの交代の仕方がどういう意図を持っているのか僕はわかりませんけど、自分たちのホームで、しっかり天皇杯を勝って次のステージに進むという目標が今日はあったので、それが達成できなかったことに関して悔しい気持ちがあります」

Q:最終戦はまた同じ相手と対戦しますが?
「まずは最終戦を迎えるに当たって、自分たちが良い状態で迎えるというか、その前に2試合あるのでそこでしっかり勝って、最終戦もタイトルを、優勝を賭けたような戦いができる状態で迎えたい。まずはその前の試合を勝って、広島戦を迎えられれば良いなと思う。今シーズンは今日負けたことによって、残り3試合しか残っていないので、その3試合で全部を出し尽くしたいと思います」

●山村和也選手(鹿島):
「失点を早い時間というか、先に取られてしまって、自分たちのペースで試合を運ぶことができなかったかなという感じです。失点シーンは自分のところで簡単に裏を取られてしまったので、そこの反省と、そのあとにまた修正していけたら良かったんですけど2失点目を喫してしまったので、そこで試合の流れを掴めなかったかなと思います」

Q:なかなかマークを捕まえるのが難しかったですか?
「前線に5枚張ってきてるなかで少し自由にさせすぎたところはあります」

Q:それはディフェンスラインだけでなくパスを出す選手へのプレッシャーも含めて?
「そうですね。楔のボールに対して強く寄せてないところもありましたし、その前の部分で、コースを限定してということを声を掛けてできなかったので、そこは反省が残ります」

Q:リーグ戦最終節でまた同じ相手とやりますが?
「イメージはある程度できたので、次は必ず結果が出るようにしっかり修正して、対応していけたらと思います」

Q:12月の早い段階でシーズンが終わってしまうことが決まりましたが?
「天皇杯は勝って終わることができませんでしたけど、リーグが3試合残っているので、しっかり準備して、良い結果が出るようにコンディションを整えていきたいです」

鹿島・伊東、初ゴールにも笑顔なし「申し訳ない気持ち」/天皇杯

広島に敗れ、肩を落とす鹿島イレブン=カシマ

 天皇杯全日本選手権4回第1日(16日、鹿島1-3広島、カシマ)日本代表の大迫を欠いた鹿島はワントップのダビが奮闘したが、周囲との連係がかみ合わなかった。セレーゾ監督は「守備から攻撃への切り替えがうまくいかず、普段はミスをしない選手のミスが多かった」と敗因を分析した。

 0-3の後半34分には20歳の右サイドバック、伊東が左足で鮮やかなシュートを決めた。プロ2年目での初ゴールにも「失点シーンはほとんど自分のところからやられている。申し訳ない気持ちが強い」と笑顔はなかった。(共同)

仙台など8強!鹿島、3失点完敗で散る/天皇杯

鹿島-広島 前半、競り合う鹿島・青木(左)と広島・佐藤=カシマ

 サッカー全日本選手権4回戦第1日(16日、カシマスタジアムほか)前回覇者の柏が大分に0-1で敗れた。来季J2に降格する大分は初めて準々決勝に進んだ。昨季J1王者の広島は鹿島に3-1と快勝し、仙台は清水を1-0で下した。鳥栖はC大阪に2-1で競り勝ち、FC東京は大宮を3-0で圧倒して8強入り。4回戦の残り3試合は20日に行われ、ベスト8が出そろう。

 鹿島は広島に完敗。日本代表の遠征でエースFW大迫が不在の攻撃は迫力を欠き、前半だけで3失点するなどリズムをつかめなかった。後半34分に2年目のDF伊東がプロ初ゴールで一矢報いたが、「失点シーンはほとんど自分のところから。ゴールはどうでもいいです」と意気消沈。3節を残して首位の横浜Mと勝ち点3差の4位につけるJ1で、逆転Vを狙う。
(紙面から)

鹿島 伊東プロ1号も敗戦…大迫不在でダヴィ奮闘も連係合わず
天皇杯4回戦 鹿島1-3広島 (11月16日 カシマ)


広島に敗れ、肩を落とす鹿島イレブン
Photo By 共同


 鹿島は日本代表の大迫を欠く中、1トップのダヴィが奮闘したが、周囲との連係が合わなかった。

 セレーゾ監督は「守備から攻撃への切り替えがうまくいかず、普段はミスをしない選手のミスが多かった」と敗因を分析した。0―3の後半34分には20歳の右サイドバック、伊東が左足で鮮やかなシュートを決めた。プロ2年目での初ゴールにも「失点シーンはほとんど自分のところからやられている。申し訳ない気持ちが強い」と笑顔はなかった。
[ 2013年11月17日 05:30 ]


大迫不在だけでなく、ダヴィ、ジュニーニョ、ヤスまで万全ではない状態では強豪の広島に土を付けることは叶わなんだ。
そして、その状況を抜きにサッカー好きとしては非常におもしろみのある試合と指揮官は語る。
失点を恐れガチガチに双方が守備的に戦う塩試合になる可能性も多分にあったが、オープンな戦いとなりチャンスが幾度も生まれた。
そのチャンスの一つを決めたユキは失点はほとんど自分のところからやられている」と述べ、プロ入り初ゴールを喜ぶ気持ちにはなれないとのこと。
この感情を忘れず、次につなげて欲しいところ。
この経験を糧に鹿島の右サイドを担う大いなる選手として成長を遂げるのだ。
期待しておる。