鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

天皇杯四強決定

2012年12月24日 | Weblog
【Jリーグ】順当?波乱? 天皇杯ベスト4で強豪が激突
2012.12.24
浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki  photo by Getty Images



ベスト8で唯一のJ2クラブの千葉と対戦した鹿島は手堅く勝ち上がり準決勝進出

 順当なのか、波乱なのかは、何を基準にするかで180度見方が変わってしまう。
 12月23日、天皇杯全日本サッカー選手権大会の準々決勝が行なわれ、ベスト4が出揃った。その顔ぶれは柏、G大阪、横浜F・マリノス、鹿島。今季J1のリーグ戦最終順位で言えば、順に6、17、4、11位である。
 二桁順位のクラブがふたつも残っていることを考えれば、今年の天皇杯は波乱の大会ということになるのかもしれない。J1を制した広島が早々に2回戦で、しかも地域リーグ所属のFC今治に敗れたのをはじめ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)への出場権を得た上位3クラブがすべてベスト8を前に敗れたことも、その裏付けと言えるだろう。
 とはいえ、そこには不思議なほど波乱の印象がない。むしろ順当な顔ぶれ、と言っていいほどだ。
 実際、昨季2011年のJ1のリーグ戦最終順位で見てみると、同じく柏、G大阪、横浜FM、鹿島の順に1、3、5、6位。優勝した柏を筆頭に、昨年の上位勢がしっかりと勝ち上がってきているのである。おそらく、今季開幕前にこのベスト4の顔ぶれを聞いて、波乱と表現する人は誰ひとりとしていなかっただろう。
 今季J1で17位に終わり、屈辱のJ2降格を味わったG大阪に代表されるように、リーグ戦では力を出し切れなかった強豪クラブが、ようやく本来の勝負強さを発揮してきた。今年の天皇杯は、そんな大会となっているのだ。

 事実、J2勢で唯一準々決勝に残っていた千葉と対戦した鹿島は、ボールポゼッション率で相手に劣り、思うように試合を進めることができなかった。にもかかわらず、少ないチャンスを確実に生かして1-0の勝利。敗れた千葉の木山隆之監督は、こう言って舌を巻く。
「(鹿島は)リーグ戦では調子が悪かったとはいえ、勝つツボを知っている選手たちがいるチーム。現に今年、タイトル(ナビスコカップ)も取っている」
 対して、勝った鹿島のジョルジーニョ監督は、「今日の目標は準決勝進出。それを達成できてよかった」と言い、最少得点による辛勝もどこ吹く風といった様子で、こう話す。
「勝たなくてはいけない試合だった。大差の勝利は必要ない」
 たしかに、千葉は「守備では大きな破綻なく、攻撃でもある程度ボールを持てる時間があり、いくつかチャンスもつくれた」(木山監督)。それでも鹿島は、動じることがなかった。ジョルジーニョ監督は言う。
「前半は守備の部分でプレスが連動しておらず、相手のボランチが自由になっていた。そこを修正したら、千葉の(攻撃の)ビルドアップにミスが出るようになった」
 悪い流れの前半を経て、修正を施した後半は、立ち上がりから攻勢に出る。そして、鹿島は大迫勇也のゴールで先制した後は、相手にボールを持たれながらも、効果的なカウンターを繰り出しつつ守り切る。実に鹿島らしい、堅実な試合運びでのベスト4進出だった。
 こうして出揃ったベスト4の顔ぶれは、いずれもJ1優勝の経験を持つ強豪クラブばかり。4チームともに今季のリーグ戦では思うような結果を残せなかっただけに、最後の一冠にかける思いは強いのだろう。
 当然、そこには”副賞”という大きなモチベーションもある。というのも、J1リーグ戦上位3クラブと同様、天皇杯優勝クラブにも来季ACLへの出場権が与えられるからだ。

 G大阪を除けば、残る3クラブはACL出場経験を持ちながら、いまだアジア制覇は成し遂げていない。出場権獲得のラストチャンスを、是が非でもものにしたいという気持ちは強いだろう。またG大阪にしても、せめて最後くらいは本当の実力を誇示して終わりたいはずだ。
 いずれにしても、今季のリーグ戦でいかにもうっぷんをためた実力者が勝ち残った今大会は、波乱よりもむしろ順当の表現が似合う。残る準決勝、決勝は、いわば“裏”優勝候補同士の激突である。


昨日の準々決勝戦の結果を受けて書かれた天皇杯ベスト4の記事である。
この四強が順当であるか否かについて問うておる。
鹿島がJ2のJEFに苦戦を強いられながらも、勝負強さを発揮して勝ち上がったようにあり、波乱含みを堅実試合運びで制したように受け取れる。
しかしながら、この試合の結果は鹿島のトーナメント仕様の戦い方の賜物であり、特に劣勢だったわけではなかろう。
それを勝負強さと申せば、そうなのであろうが、これは鹿島が連綿と受け継ぐ伝統と言い換えた方が良い。
この試合はJEFに対して鹿島が圧倒する試合展開を予想しておった者が多く、期待と裏腹に膠着したため、このような感想を持ったことも頷ける。
ここはライターの先入観を否定しても致し方がなかろう。
筆者の浅田氏は鹿島の歴史に深くは無いのであろう。
結果的には鹿島を含めJリーグ優勝経験のある4クラブが勝ち残った。
そして、アジアへの挑戦権を賭けた戦いでもある。
ACL出場権を狙い強い気持ちで挑もうではないか。
鹿島の挑戦は元日まで続く。
楽しみにしておる。

ベルマーレ・石神、ヴェルディへレンタル

2012年12月24日 | Weblog
石神直哉選手期限付き移籍加入のお知らせ
2012年12月24日(月)

この度、湘南ベルマーレより石神直哉選手が、期限付き移籍で東京ヴェルディに加入することが決定しましたので、お知らせします。
なお、期限付き移籍期間は2013年2月1日から2014年1月31日までとなります。
石神選手のプロフィールおよびコメントは下記をご参照ください。

石神 直哉[イシガミ ナオヤ]選手 DF
【生年月日】1985年3月2日
【出身地】茨城県
【身長/体重】181cm/74kg
【経歴】
鹿島高 → 神奈川大 → 鹿島アントラーズ → セレッソ大阪 → 湘南ベルマーレ → 大分トリニータ

【出場歴】
          リーグ リーグカップ  天皇杯
年度  チーム  試合 得点 試合 得点 試合 得点
2007 鹿島   10  0   3  0  0   0
2008 鹿島   4  0   0  0  0   0
2009 C大阪(J2) 50 5   -  -   0   0
2010 C大阪   14 1   4  0  2   0
2011 湘南(J2) 25  0   -  -  2   0
2012 大分(J2) 39  1   -  -  0   0

●石神直哉選手コメント
「来シーズンから東京ヴェルディに加入することになりました石神直哉です。
J1昇格に向けて、自分の持っている力を全て出し切り、必ず昇格します。
みなさん力を合わせて頑張りましょう!」

石神直哉選手 東京ヴェルディへ期限付き移籍のお知らせ
この度、大分トリニータへ期限付き移籍していました石神直哉選手が、2013シーズンより東京ヴェルディへ期限付き移籍することとなりましたのでお知らせいたします。

尚、期限付き移籍期間は2013年2月1日から2014年1月31日となります。

【コメント】
まずは湘南ベルマーレの皆さん、J1昇格おめでとうございます。僕も大分トリニータで一年間戦い、J1昇格を経験することができました。
来シーズンは東京ヴェルディでプレーすることになりました。カテゴリーは違いますが、お互いによいシーズンになるよう頑張りましょう。

【プロフィール】
◆氏名
石神 直哉(イシガミ ナオヤ)

◆生年月日
1985年3月2日(27歳)

◆ポジション
DF

◆身長/体重
181cm/74kg

◆出身地
茨城県

◆出身チーム
鹿島高校 ⇒ 神奈川大学 ⇒ 鹿島アントラーズ ⇒ セレッソ大阪 ⇒ 湘南ベルマーレ ⇒ 大分トリニータ

◆出場記録  
年度/所属チーム/リーグ戦/カップ戦/天皇杯
2007/鹿島アントラーズ/10試合0得点/3試合0得点/0試合0得点
2008/鹿島アントラーズ/4試合0得点/0試合0得点/0試合0得点
2009/セレッソ大阪/50試合5得点/-/0試合0得点
2010/セレッソ大阪/14試合1得点/4試合0得点/2試合0得点
2011/湘南ベルマーレ/25試合0得点/-/2試合0得点
2012/大分トリニータ/39試合1得点/-/0試合0得点

石神 直哉選手 期限付き移籍満了のお知らせ
この度、湘南ベルマーレより期限付き移籍しておりました石神 直哉選手の、移籍期間満了が決定いたしましたのでお知らせ致します。なお、石神選手は2013シーズンは湘南ベルマーレから東京ヴェルディへ期限付き移籍となります。

◆DF17 石神 直哉 (いしがみ なおや) 選手 プロフィール 
【期限付き移籍期間】   2012年2月1日~2013年1月31日
【生年月日】        1985年 3月 2日 (27歳)
【出身地】           茨城県
【身長・体重】       181cm / 75kg
【経歴】            横瀬SSS → 神栖第一中 → 鹿島高 → 神奈川大 → 鹿島アントラーズ → セレッソ大阪 →
              湘南ベルマーレ
【出場記録】 
所属
チーム J1
出場(得点) J2
出場(得点) J1昇格PO
出場(得点) カップ戦
出場(得点) 天皇杯
出場(得点)
2007 鹿島(J1) 10(0)  - - 3(0) 0(0)
2008 鹿島(J1) 4(0) - - 0(0) 0(0)
2009 C大阪(J2) - 50(5) - - 0(0)
2010 C大阪(J1) 14(1) - - 4(0) 2(0)
2011 湘南(J2) - 25(0) - - 2(0)
2012 大分(J2) - 39(1) 1(0) - 0(0)
通算 28(1) 114(6) 1(0) 7(0) 4(0)   

【石神選手コメント】
「この度、東京ヴェルディに移籍することになりました。来シーズンも大分トリニータで、昇格を達成した仲間たちとプレイしたかったのですが、期限付き移籍の延長や完全移籍の話がなかったのは本当に悲しかったです。
大分トリニータでの経験をいかして、次のヴェルディで必ず昇格したいと思います。1年間本当にありがとうございました今シーズンの難しい状況での昇格は最高でした。トリニータのJ1での活躍を願っています。」


ベルマーレの石神がヴェルディにレンタルとのこと。
石神は、今季、大分にレンタルされJ1昇格に大きく貢献した。
大分が来季J1で戦う上で石神の経験は活かされると思っておった。
しかしながら、大分は完全移籍もレンタル延長も打診せず、石神の立場は中途半端な位置におった。
そこで、手を差し伸べたのはヴェルディであった模様。
来季はヴェルディの石神としてJ1昇格に尽力することとなった。
強敵である神戸やJEF、ガンバを打ち倒す原動力となって欲しい。
左サイドを駆け上がるフィジカル・レフティを魅せるのだ。
楽しみにしておる。

天皇杯準々決勝 JEFユナイテッド市原・千葉戦レビュー

2012年12月24日 | Weblog
【第92回天皇杯 準々決勝 千葉 vs 鹿島】レポート:千葉のGK岡本昌弘の再三のファインセーブに阻まれながらも、試合を決める『1点』を取れる勝負強さを発揮した鹿島が準決勝進出。(12.12.24)
12月23日(日) 第92回天皇杯 準々決勝
千葉 0 - 1 鹿島 (15:00/味スタ/12,843人)
得点者:64' 大迫 勇也(鹿島)


試合前から、そして試合後も鹿島の選手からは「天皇杯ではカテゴリーは関係ない」という言葉が聞かれた。確かに、天皇杯においてはカテゴリーが上のチームだからといって勝敗を決する部分でのアドバンテージは何もない。強いて言えば、Jクラブが登場した2回戦で、Jクラブが基本的にホームスタジアムを使用できるというアドバンテージがあるくらいだ。天皇杯というトーナメントで勝敗を決する部分のアドバンテージがあるとすれば、チームが試合を勝ちきるための『1点』を取れる地力を持っているかどうかではないだろうか。そして、この一戦でそのアドバンテージがあったのは鹿島のほうだった。

立ち上がりから得意のセットプレーで得点機を作ったのは鹿島。6分、MF小笠原満男のFKにFW大迫勇也がどんぴしゃのヘディングで合わせるが、千葉のGK岡本昌弘が好セーブ。10分にはMF遠藤康のFKにDF岩政大樹がやはりヘディングで合わせ、千葉のDFのクリアで得たCKを小笠原が蹴ると今度はDF青木剛がヘディングシュートを見せた。
セットプレーとはいえペナルティエリア内で次々とシュートを打った鹿島に対して、千葉のファーストシュートは7分。ボールを持って攻め上がったDF大岩一貴がミドルシュートを打ったが、これはクロスバーの上。千葉はある程度ボールを保持できるものの、なかなか鹿島の守備網を破ってペナルティエリア内に入って行けない。攻め上がりを見せた大岩は「自分の前にスペースがあったのでボールを運んで、どうにか穴を作れたらと思った。効果的だったかどうか分からないけど、前が空いていたので。でも、中(の守備)は堅かったですよね」と試合後に振り返り、MF谷澤達也は「もう少しゴール近くに侵入できなかったかなという気持ちが強くあります」と悔やんだ。それでも、26分にはMF兵働昭弘のパスを受けたMF米倉恒貴がオフサイドポジションではないかと鹿島の選手が判断した影響もあり、マークが外れたFW藤田祥史が米倉からパスを受けてペナルティエリア内で決定的なシュート。だが、これは鹿島のGK曽ヶ端準がセーブ。さらに35分にはFKのこぼれ球を拾ったMF佐藤健太郎がミドルシュートを打つが、ゴールポストの横に外れた。

前半の終了間際、大迫、MFドゥトラが決定的なヘディングシュートを打ったものの、いずれも岡本のファインセーブに阻まれた鹿島は、後半開始から攻勢を強めた。ゴール前に人数をかけて素早く攻め込み、遠藤が48分、55分と連続でシュートは打つが、55分の決定的なシュートは岡本にセーブされた。千葉は反撃を仕掛けるべく、62分に谷澤に代えてFW深井正樹を投入。すると64分、深井が攻め上がるも鹿島がボールを奪い、DF西大伍のロングパスを大迫が収めてドゥトラへパス。ドゥトラのドリブルからこぼれたボールを拾った大迫が打ったシュートが決まり、鹿島がついに『1点』を奪って均衡を破った。

鹿島はより積極的に攻撃を仕掛けるため、そして千葉は同点、そして逆転を狙うため選手交代を行なったが、鹿島がボールを保持する時間が長くなった。なかなか思うようにボールを奪えない千葉は、せっかくの少ないカウンター攻撃のチャンスもミスでシュートまで持ちこめなかったり、シュートも精度を欠いてゴールの枠を外れたりした。90+1分には兵働のパスがワンバウンドしたのをファーサイドから走りこんだ米倉がヘディングで合わせるが、この決定的なシュートは曽ヶ端がファインセーブ。最後までゴールマウスを守りきり、大迫の『1点』が決勝ゴールとなって鹿島が準決勝に進出した。

千葉はボールを保持しても本当の意味で効果的な攻撃ができず、欲しい『1点』が取れないという今季のJ2リーグ戦での課題が改めて感じさせる敗戦となった。鹿島は攻撃にアクセントをつける千葉の谷澤を厳しくマークするなど堅守を見せた。決定力不足で1得点に終わったが、勝負強さを発揮できる鹿島にとっては十分な『1点』だった。


以上
2012.12.24 Reported by 赤沼圭子


JEFの決定力不足、鹿島の勝負強さと決めつけたレポートである。
しかしながら、カテゴリー云々ではなく、素直に地力の違いがあったことは認めるべきではなかろうか。
JEFはボール保持こそ出来たが、決定的なシュートはほぼ皆無であった。
逆にGKのファインセーブがなければ大差もあり得た試合だったのではなかろうか。
トーナメント仕様の戦い方が板に付き、勝利至上で戦う鹿島が結果を出した。
これが結論ではなかろうか。

鹿島、大宮・東の争奪戦から撤退

2012年12月24日 | Weblog
大宮・東 東京入りへ
2012年12月24日 紙面から

 大宮のロンドン五輪代表MF東慶悟(22)のFC東京入りが確実となった。複数の関係者によると、今季で契約満了になる東には鹿島、柏、C大阪などが獲得に動いていたが、東京移籍が最有力となったため、争奪戦から撤退したという。

獲得の意思を打診して追った大宮の東であるが、FC東京への移籍が有力視されたため鹿島は手を引いたとのこと。
二列目の補強は別の選手で目処が付いたということであろうか。
それが神戸の野沢なのか、京都の中村充孝なのかは、今はわからぬ。
しかしながら、このポジションは層が薄く、補強は必須と言えよう。
誰が来るのか楽しみにしておきたい。

天皇杯準々決勝 JEFユナイテッド市原・千葉戦報道

2012年12月24日 | Weblog
鹿島大迫V弾!2年ぶり4強/天皇杯

ゴールを決め両手を広げ喜ぶ鹿島大迫(撮影・下田雄一)

<天皇杯:鹿島1-0千葉>◇23日◇準々決勝◇味スタ

 鹿島は2年ぶりに4強へ駒を進めた。前半はJ2千葉GK岡本昌弘(29)の好セーブの前に無得点に終わった。

 だが後半19分、右後方からのパスをFW大迫勇也(22)がすらし、MFドゥトラ(24)がキープ。相手と交錯してこぼれたボールを再び大迫が拾い、右足でゴール。「厳しい試合になるとはわかっていた。勝ちにつながるゴールが何よりうれしい」と決勝弾を喜んだ。29日の準決勝(エコパ)はG大阪と対戦する。
 [2012年12月23日19時19分]

鹿島エース大迫“右”で決めた/天皇杯

後半、ゴールを決め両手を広げ喜ぶ鹿島FW大迫(撮影・下田雄一)

<天皇杯:鹿島1-0千葉>◇23日◇準々決勝◇味スタ

 13年もオレがエースだ! 鹿島FW大迫勇也(22)の研ぎ澄まされた嗅覚が後半19分、発揮された。ゴールを背にして縦パスを受けると、右足アウトサイドで後方のMFドゥトラに通す。「ボールがくると思った」。相手DFとドゥトラが奪い合う球際から、目の前にこぼれたボールをかっさらうと、右足でニアサイドにねじ込んだ。「こうやって結果を出すことが監督への恩返しになる」と今季限りで退任するジョルジーニョ監督にささげた。

 来年もエースであることを証明した。18日に来季の監督就任が決定的なトニーニョ・セレーゾ氏(57)が来日。翌19日には練習場に訪れ、サッカー界では異例とも言える“引き継ぎ作業”が、新旧指揮官で行われた。大迫を「ストライカーにとって必要である要素を今、発揮できている。この勢いで成長してセレソン(代表)にたどり着くだろう」と話すジョルジーニョ監督の大迫評も、次期監督へ引き継がれているに違いない。

 もっとも大迫にとって、来季のことは頭にはない。「今は来年のことは考えない。監督が代わっても出られる選手は出られる。そう思うので」とあと2試合に集中する。将来的には海外クラブでの勝負を夢見ながらも「まだ鹿島で何もできていないから」と来季も鹿島でプレーし飛躍することを心に誓っている。優勝すれば、来季のACL出場権も獲得。何よりも「必ず優勝させて(ジョルジーニョ監督を)帰らせてあげたい。それが僕らのできる最大のプレゼント」と笑顔の大迫は、優勝しか見えていない。【栗田成芳】
 [2012年12月24日7時8分 紙面から]


鹿島、大迫弾!千葉下し2年ぶり4強/天皇杯

後半 シュートを放ち、得点を決める鹿島・大迫=味スタ(撮影・川口良介)

 天皇杯準々決勝(23日、千葉0-1鹿島、味スタ)鹿島が大迫のゴールでJ2千葉を下し、2年ぶりに4強入りを果たした。

 鹿島は前半からペースを握り、千葉ゴールを攻めるも得点は奪えず。スコアレスで前半を折り返した。

 試合が動いたのは後半19分、鹿島はピッチ中央からのロングパスを受けた大迫が、ドゥトラにボールを落とす。エリア手前でボールキープし相手DFを引きつけたドゥトラが、大迫にリターン。エリア内で大迫が落ち着いてゴール右隅に決め、先制点を挙げた。このゴールが決勝点となった。

 鹿島は29日、決勝進出をかけエコパスタジアムでG大阪と対戦する。


後半 得点を決め喜ぶ鹿島・大迫=味スタ(撮影・川口良介)


後半 シュートを放ち、得点を決めた鹿島・大迫=味スタ(撮影・川口良介)


後半 シュートを放ち、得点を決める鹿島・大迫=味スタ(撮影・川口良介)


後半 試合に勝利、軽く手を叩いて喜ぶ鹿島・ジョルジーニョ監督=味スタ(撮影・川口良介)


後半 競り合うジェフ・山口慶(左)と鹿島・大迫=熊谷(撮影・吉澤良太)


後半 クリアする鹿島・岩政=味スタ(撮影・川口良介)


前半 攻める鹿島・小笠原=味スタ(撮影・川口良介)


後半 激しく抗議する鹿島・ジョルジーニョ監督=熊谷(撮影・吉澤良太)


鹿島・大迫4強弾!2年ぶり奪還へ/天皇杯

得点を決めた鹿島・大迫勇也 =23日午後、味の素スタジアム (撮影・川口良介)

 天皇杯準々決勝(23日、千葉0-1鹿島、味スタ)2年ぶりの天皇杯奪還を目指す鹿島が4強入りした。0-0の後半19分、ゴール正面でMFドゥトラの短いパスを受けたFW大迫が右足を振り抜き決勝点。「勝ちにつながるゴールでうれしい」と頬を緩めた。29日の準決勝は来季J2に降格するG大阪戦。「厳しい戦いになるが、決勝の舞台に立てるように得点にこだわったプレーをしたい」と力強かった。
(紙面から)

大迫 ジョルジーニョ監督に捧げる天皇杯優勝「プレゼントできれば」
天皇杯準々決勝 鹿島1―0千葉 (12月23日 味スタ)

 接戦を制する決勝点を決めた鹿島・FW大迫は、「勝ちにつながるゴールをとれたことが何よりうれしい」と笑顔をみせた。

 家族の都合により、わずか1年の指揮で退任するジョルジーニョ監督に「(天皇杯優勝を)プレゼントできれば良いと思います。得点にこだわってプレーするしかない」と次のG大阪戦に向けて意気込んだ。
[ 2012年12月23日 17:14 ]

指揮官に恩返しの1発!大迫 値千金の決勝弾で鹿島4強入り
天皇杯準々決勝 鹿島1-0千葉 (12月23日 味スタ)


<千葉―鹿島>後半、決勝ゴールを決め喜ぶ鹿島・大迫(右)
Photo By 共同


 鹿島のFW大迫が、今季限りで退任するジョルジーニョ監督にささげる一撃を決めた。0―0の後半19分、前線でボールを受けたドゥトラが相手と交錯して生まれたこぼれ球に反応。冷静にGKのポジションを確認して右足でゴール右隅に突き刺した。1日の今季リーグ最終節柏戦以来、公式戦2試合ぶりの得点が値千金の決勝弾となった。

 今季は先発に定着してリーグ戦で自身最多9得点を記録したが、最低目標に掲げた2桁得点には届かなかった。順位もクラブ史上最低の11位に終わり、エースとしての責任を痛感。天皇杯に懸ける思いは強く「勝てない時も監督は自分を使い続けてくれた。最後は必ず優勝してブラジルに帰らせてあげたい。それが最大のプレゼントになると思う」と力を込めた。


<千葉―鹿島>後半、決勝ゴールを決める鹿島・大迫(中央)
Photo By 共同


[ 2012年12月24日 06:00 ]

大迫の恩返し弾で鹿島、4強入り…天皇杯

後半19分、鹿島・大迫(中)が決勝ゴール

 ◆天皇杯 ▽準々決勝 千葉0―1鹿島(23日・味の素スタジアム) 柏は2―2で迎えた後半ロスタイムに、FW工藤壮人(22)の決勝弾で大宮に3―2で逆転勝ちした。大阪ダービーはG大阪が延長戦の末、2―1でC大阪を撃破。横浜Mは名古屋に0―0からのPK戦を7―6で制し、2年連続の4強入り。J2で唯一8強入りした千葉は鹿島に0―1で敗れた。準決勝は29日に行われる。

 スコアレスの後半19分。ゴール前でパスを受けた鹿島FW大迫は、右足でネットを揺らした。「勝ちにつながるゴールで何より」とチームを2年ぶりの4強へ導いた。「もっと積極的にシュートを打て」と背中を押してくれたジョルジーニョ監督は今大会限りで退任。「結果を残すことが監督への恩返し。何が何でもあと2つ勝たないと」と2年ぶり5度目の天皇杯優勝をささげる。

(2012年12月24日06時01分 スポーツ報知)

鹿島・大迫 ジョルジ監督に恩返し弾
2012年12月24日 紙面から

◇天皇杯 準々決勝 鹿島1-0千葉
  天皇杯全日本選手権(日本サッカー協会、Jリーグ主催、東京中日スポーツ共催)は23日、準々決勝4試合を行い、G大阪、鹿島、横浜M、柏のJ1勢がベスト4に進出した。ナビスコ杯との2冠を狙う鹿島はFW大迫勇也(22)の決勝点で千葉を1-0で撃破。横浜Mは名古屋と0-0のまま、延長戦でも決着がつかず、PK戦を7-6で制した。柏は大宮に3-2で逆転勝ちを収め、G大阪は延長戦の末に2-1で、C大阪との“大阪ダービー”に勝った。29日の準決勝はG大阪-鹿島、横浜M-柏となった。
      ◇
 「ジョルジで元日まで」。サポーターの思いを乗せたFW大迫の“恩返し弾”が勝負を決めた。スタジアムの約3分の2を埋めた鹿島サポーターがドッと沸く。後半19分、DF西からの縦パスをMFドゥトラへダイレクトパス。「うまく足元にこぼれてきてシュートできた」。再び戻ってきたボールを右足でニアサイドに蹴り込んだ。
 今季1シーズン限りで退団するジョルジーニョ監督は就任時、新加入のFWジュニーニョ、元日本代表FW興梠を差し置いて4年目の大迫をFWの軸に据えた。指揮官の期待に応えるように、リーグ戦ではFW陣最多の32試合出場で、自己最多の9得点。優勝したナビスコ杯でも9試合7得点で得点王に輝いた。
 オリベイラ前監督には「あまりシュートを打たず、周りを見るように」と言われ、パスに注力していたという。しかし、ジョルジーニョ監督からは「どんどん打て」とシュートの意識を植え付けられ、その才能は輝きを取り戻した。指揮官も「チームが必要なときに得点できるのはストライカーとして大事な能力」と目を細めた。既に退任が決まっている恩師への感謝の気持ちは高まる一方だ。「必ず優勝させたい。あと2試合勝つことが最大のプレゼントになる」。大迫は自分を成長させてくれた監督に最高の恩返しを誓った。 (岩谷純一)


大迫一色の各紙である。
決勝ゴールの振り抜きの速さは素晴らしくFWとしての成長を感じさせられた。
その大迫を覚醒させたジョルジーニョ監督には感謝の言葉しか見つからぬ。
ジョルジーニョと共にあれる日々も残り二試合となった。
勝利で飾りタイトルを奪い取りたい。
期待しておる。

鈴木満常務強化部長、鹿島の流儀を語る

2012年12月24日 | Weblog
日本の名GM鈴木満が語る『鹿島の流儀』
「鹿島アントラーズがブラジル人監督にこだわる理由と、一線で活躍する日本人指導者を多く輩出する理由」
鹿島は10名の監督が指揮を執ってきたが、そのうち8名はいずれもブラジル人。クラブの根底にある監督起用における哲学と、これまで輩出してきた日本人指導者の登用についてのビジョンを聞く。


2012年12月23日
text by 宇都宮徹壱 photo Kenzaburo Matsuoka


【サッカー批評issue58】掲載

偉大な伝道師と優れた継承者

 Jリーグが開幕して、今季で20シーズン目。鈴木満は、そのうちの17シーズンを、鹿島アントラーズの強化部長として過ごしてきた。

 鈴木がこのポジションに就任した1996年当時、Jリーグに加盟していたのは16クラブで、まだJ2はなかった。すべてのチームが同じミズノのユニフォームに袖を通し、背番号は固定制ではなかった。いわば「黎明期」の湿気をたっぷり含んだ時代から今日に至るまで、鈴木はずっと鹿島の強化に全身全霊を捧げてきた。

「ぜんぜん先のことなんて、考えてもいなかったですね」

 これほど長く、強化部長を続けることを想像できましたか、という質問に対して、鈴木の答えは実にそっけない。そして、こう続ける。

「92年にアントラーズができて、94年までジーコが選手としていました。その当時、運営にしろ、強化にしろ、この国にはプロのフロントがいなかったわけです。そういう中で、プロであるジーコからいろんなことを教えてもらった。それが自分の財産にもなりました。17シーズンにわたって、生き残ることができた背景には、まさにジーコの教えがあったからだと思います」

 ジーコが伝道師となり、鹿島にプロフェッショナリズムを叩き込み、そのマインドは今も生き続けている――。すでに語り尽くされた感のある物語である。だが、あらためて不思議に思うのが、鹿島はチーム結成から20年の間、まったくブレることなく「ブラジル路線」を継承してきたことである。

 確かに、チーム設立当初のジーコのインパクトは絶大であった。94年に日本でスパイクを脱いで以降も、クラブに対する影響力を保ち続けた。レオナルドやジョルジーニョといった、現役のブラジル代表が相次いで鹿島の一員となったのも、ジーコの影響力抜きにはあり得ない話であった。

 とはいえ、どんなに優れた伝道師が降臨しても、そこに優れた継承者がいなければ、クラブの方針の一貫性は失われてしまう(イビチャ・オシム退任後のジェフ千葉を見れば明らかである)。鹿島の20年がブレなかったのは、ひとえに鈴木という優れた継承者がクラブの方向性を司るポジションに長らく居続けたことが大きかった。

鈴木とジーコとの出会い

 鈴木とジーコとの出会いは91年にまで遡る。住友金属サッカー部の監督となって3年目。当時34歳の青年監督は、いきなりブラジルが世界に誇るスーパースターを選手として迎えることとなった。

「想像もつかなかったですね。(住金の)Jリーグ入りが決まって、ジーコも来て、僕にとってはとんでもないことになったなという……。ただ、あれだけの選手で、あれだけの人物ですから、そこは『教えてもらおう』という割り切ったスタンスで接することにしました。僕よりも年上ということもありましたし、それでよかったなと」

 当時のジーコの印象は、鈴木にとって「神さま」というよりも「よく怒る人」であったという。

「とにかく怒られましたね(苦笑)。いろんな場面で。サッカーそのものの部分もありますが、たとえば練習のスケジュールの組み方であったり、休憩のとり方や食事の摂り方であったり。それと、プロになれば、ただサッカーだけやっていればいいわけではない。スポンサーへの挨拶回りやファンサービスなど、営業的な部分でも選手は協力しなければならない、とかね。とにかく怒られまくりながら、教えてもらったという感じでしたね」

 その後、鈴木はトップチームのヘッドコーチ、そしてサテライトの監督を経て、96年に現場への未練を残しつつも強化部長としてフロント入りする。とはいえ、すぐに「ジーコイズムの継承者」となったわけではなかった。

「その頃のアントラーズは、監督がジョアン・カルロスで、ジョルジーニョもレオナルドもいました。そうした中で、足りていないと感じていたのが、フロントから現場までの一体感や意思疎通でした。クラブとして戦うために、自分はその橋渡しの役割をしなければならない。そう感じていました」

 鈴木によれば、当時の鹿島は、フロントと現場がコミュニケーションをとるのは、契約交渉の時以外、ほとんど無かったという。

「それじゃあ上手くいかない。現場の中でいろんなことが起きて、それを解決するための役割が必要なんです。選手と監督の間、コーチ同士の間、監督とコーチの間。その間にフロントが入る。それが僕の役目でした。現場を同じ方向に向かせて、問題意識を共有するには、そういう部分に重きを置かないといけない。それは(指導の現場にいた)当時から考えていたことでした」


鹿島の哲学の礎となったジーコ【写真:松岡健三郎】

組織の中の調整役として

 鈴木はトップチームのヘッドコーチ時代に、当時の監督だった宮本征勝とジーコとの間で何度も板挟みになるという、常人にはおよそ耐え難い経験を持っている。ジーコにはジーコの哲学があるように、宮本にもデットマール・クラマーから受け継いだ譲れない哲学があった。表立って衝突することはなかったが、それでも両者の間に不穏な空気が流れることはたびたびあったという。そこで調整役となっていたのが鈴木であった。相当にストレスが溜まる役割であったが、この時の経験が今に生きていると当人は回想する。

「間に入って調整しながら、組織として同じ方向を向かせていく。今でもそれが仕事の一番の柱です。ですから、当時の経験は、ものすごく役に立っていると思います」

 この「組織として同じ方向に向かせていく」という鈴木の改革がスタートした96年、鹿島はJリーグ初優勝を果たす。以後、15にも及ぶ主要タイトル獲得は、鈴木が強化部長に就任したこのシーズンが起点となっている。

 もっとも当時の鹿島は、まだまだジーコの影響力が強く残る時代でもあった。鈴木がジーコの優れた継承者としての本領を発揮するのは、もう少し後の話である。

「(強化部長になって)最初の頃は、ジーコが日本に来るたびに食事に行ったり、夜の付き合いだったり、というのが僕らの仕事になっていました。もちろん、そうした中でいろいろとアドバイスや注意を受けていました」

 実際、96年以降の鹿島は、依然としてジーコへの依存度が強かった。99年にゼ・マリオがシーズン途中で解任されると、その後はジーコが代行監督としてチームの指揮を執った。翌00年から5シーズンにわたってチームを率いたトニーニョ・セレーゾも、ジーコの推薦によるものであった。結局、クラブ設立からの10年は、良くも悪くも鹿島はジーコの影響下にあったのである。

「ブラジル路線の礎を築いたのは、間違いなくジーコです。指導する側の立場、イコール、ブラジル人であって、サッカーのスタイルもブラジルという路線は、ジーコがいれば必然でした」

『ジーコイズム』の翻訳作業

 しかし02年の日韓ワールドカップ終了後、状況はにわかに変化する。ジーコが日本代表監督に就任したからだ。この時、鈴木は「ジーコイズムの継承者」としての立場を強く自覚する。

「02年にジーコがここを離れるにあたって、彼の言葉や考えを残さなければならないと思いました。ジーコの考え方を何となく『ジーコイズム』と言っているだけではダメだと。それを噛み砕いて『ジーコが言っていたのは、こういうことなんだよ』と、今度は僕が翻訳して、みんなに語り継いでいかなければならない。今は、ジーコを直接知らない選手も多いです。そんな彼らに、教育・指導する場面でも『ジーコはこう言っていた』という話をすることで、できるだけ(ジーコの哲学が)薄まらないように努力しています」

 いわゆる「ジーコイズム」とは、聖書やコーランのように明文化されたものではない。彼の哲学やマインドを、時に激しい感情をぶつけられながらも学び、血肉としてきた継承者によって翻訳され、語り継がれるものである。それはさながら、文字を持たない民族による神話や英雄伝の伝承に、感覚的に近いのかもしれない。

 鈴木の場合、決してポルトガル語に堪能というわけではなかった。それでも初めて出会ったときから、ジーコに対して積極的にコミュニケーションをとるように努め、どんなに叱責を受けながらもひるむことなく、プロフェッショナルとしてのあらゆるエッセンスを貪欲に吸収・咀そ嚼しゃくしようとした。そうした日々の積み重ねが、やがて「ジーコイズムの継承者」としての素地となっていったことは想像に難くない。

「ブラジル人は、日本人に合っていると思います。アルゼンチン人ほどプライドが高くもないし、サッカーでも最も結果を残しているし。僕自身、これだけ長くブラジル人に接しているので、今ではブラジル人の方がやりやすいですね(笑)。先輩・後輩が無いですし、ケンカしても後を引かない。セレーゾくらいから自信がついてきましたね」

 さて、ジーコからの自立について、最も象徴的なのは監督選びであった。06年のパウロ・アウトゥオリ以降はすべて、クラブ側が情報を集め、人選を進めて交渉し、契約に至っている。

「ジーコから『こういう人もいるんだけど』という情報をもらうこともありますが、それを断ってわれわれで選ぶことも多いんです。ですからジョルジーニョにオファーする時も、ジーコに相談してから行ったということもありません。その前のパウロもオズワルド(・オリヴェイラ)もそうです。ただ、決まった時にはジーコに報告します。ジーコは『あ、そう。わかった』という感じですね」


「ジーコを知らない世代」に哲学を継承していく【写真:松岡健三郎】

鹿島が日本人監督を招聘する可能性

 強化部長になって17シーズン目。鈴木はかつてない覚悟をもって、新シーズンに臨んでいた。現在のチームが、明らかな過渡期を迎えていると、強く実感したからである。

「90年代は秋田(豊)や本田(泰人)、相馬(直樹)、名良橋(晃)が頑張ってくれました。それが01年くらいで、彼らのピークが過ぎてしまいました。その頃が最初の節目だったんですが、ちょうど小笠原(満男)をはじめ、ポテンシャルの高い若い選手たちが台頭してきた。その彼らもベテランになり、今は第2の過渡期が来ているのだと思っています」

 クラブOBであるジョルジーニョ体制となって最初のシーズン、鹿島は序盤のスタートダッシュに苦しみ、一時は降格圏内をさまよった。その後はやや持ち直したものの、この取材時点(8月27日)の順位は13位。3シーズンぶりのリーグタイトル奪回は、かなり厳しくなったと言わざるを得ない。

 そんな中、U-23日本代表監督として、先のロンドン五輪でチームをベスト4に導いた、関塚隆の次期監督就任が一部メディアで取沙汰された。関塚は一時期(95年に清水エスパルスでコーチ)を除き、93年から03年まで鹿島のヘッドコーチを務め、99年には代行監督を務めたこともある。これまでずっとブラジル人監督路線を踏襲してきた鹿島が、もし日本人監督を就任させるとするならば、関塚をおいてほかにいないのではないか。その点について質問すると、鈴木はこう明言した。

「関塚はいつも候補にはしています。二度、オファーしたという事実もありますし。ただ、ここに合う日本人指導者が、どれだけいるんでしょうか。それくらいウチは独特なんですよ。よそのクラブとは違っている。ウチを理解できない人が入ってきて、果たして僕と上手くやっていけるのかと(笑)。まあ、サッカーそのものもそうですし、それに合わせたスカウティングだとか、選手の採用を進めていきましたから、今さら変えられないですしね」

もし、日本代表に鈴木がスタッフとして加わっていたら…

 確かに、鹿島のブレないブラジル路線は、一方で指導者選びのハードルを上げているようにも見える。ブラジル人だからいい、というわけでもない。実際、ゼ・マリアもアウトゥオリも1年でチームを去っている。しかし一方で留意すべきは、このチームを巣立っていった指導者が、他のクラブで結果を出しつつあるという事実である。

「関塚だったり、奥野(僚右)だったり、ブラジル人指導者の下でいろんな経験をしています。彼ら以外にも、ここでさまざまな成功体験をしてから指導者になったOBがいます。秋田であったり、相馬であったり、黒崎(久志)であったり、手倉森(誠)であったり。彼らは選手時代に、ここのチーム作りの基礎を学び、指導者になっていった。それは、ウチのやり方がそんなに間違っていなかったという評価につながると思います」

 鹿島アントラーズというクラブは、ジーコイズムを日本の土壌に適応させながら継承し、長い時間をかけてフロントから選手に至るまで浸透させていった。今後、指導者が日本人になっても路線がブレなければ、クラブはさらに一段上の高みに達することだろう。おりしもこの取材直後の8月30日、関塚の五輪代表監督退任が発表された。今後のクラブの動向に注視したい。

 最後に、今回の鈴木への取材中にふと思い浮かんだことを記しておく。

 ジーコが率いた日本代表のスタッフに、もし鈴木が加わっていたならば、チームの空中分解は未然に回避できたのではないか。そうなっていれば、06年のワールドカップの結果も、そしてジーコ時代の評価も大きく変わっていたことだろう。もっとも、鈴木が不在となった鹿島が、その後もジーコイズムを堅持しながら、あれだけのタイトルを獲得できたかといえば、それはまた別の話である。(文中敬称略)

【了】


鹿島にジーコイズムを浸透させ継続させ続ける鈴木満氏の記事である。
鹿島が如何にしてJリーグ最強のクラブとして存在するのかを語っておる。
ここから垣間見られる鹿島の流儀を多くの者に知って欲しいところ。
鹿島は独特のクラブであり、そのクラブが存在しておることは奇跡なのである。
その奇跡と共にあれることを幸せに思う。

天皇杯準々決勝 JEFユナイテッド市原・千葉戦コメント

2012年12月24日 | Weblog
第92回天皇杯全日本サッカー選手権大会 準々決勝


鹿島アントラーズ:ジョルジーニョ

選手たちには準備する時からタフな試合になると言っていた。昇格プレーオフでも千葉は主導権を握っていたし一瞬の隙を突かれ昇格こそ逃したものの、チームとしての能力としては高いし、ほとんどの選手がJ1の経験がある。気持ちで勝たなければいけないと警告していた。前半は我々らしいプレーが出来なかったが、ハーフタイムに後半は慌てずにやること、そしてシュートを打つ意識も持つことを選手たちに言った。結果的に準決勝へ進むという目標が達成できて良かった。

守備の部分で前半は相手のボランチが自由になった時間があったので、そこを修正した。またプレスの連動性も指示した。そうすることで相手のビルドアップにミスが出るようになった。また攻撃の部分ではビルドアップのパスのテンポアップを要求した。またボランチの柴崎にCBの岩政と青木とビルドアップするように伝え、攻撃への厚みを増した。そういう指示をハーフタイムで出した。

1-0という結果は目的を果たしたという意味ですごく良かったと思う。しかしリーグ戦終盤に見せていた連動性を前後半出して欲しかったというのが、正直な気持ちだ。

大迫は1年一緒にやってきたが、どうすればもっと成長できるかを話してきた。そして大迫は順調に成長しているし、良い調子を持続している。将来的には日本代表の絶対的なエースになると思うし、そうなって欲しいと言うのが私の願い。ポストプレーも素晴らしいが、チームが必要としているタイミングで点が取れるというのは、ストライカーに必要な要素だ。

レナトと興梠の投入はチームを活性化したかったから。準備している段階で大迫がゴールを決めたが、まだ試合は終わっていないわけであって、継続することが大切だというメッセージを伝える意味でもそのまま投入した。結果的に良かったと思う。





【大迫 勇也】
難しい試合になるということをみんなで話していた。勝ちにつながるゴールを決められたのは良かった。上手くシュートを打てたと思う。引かれていたので前半は我慢しようと思っていた。決勝の舞台に立てるように次も勝つ。

【昌子 源】
11番が速いから、一対一からクロスを上げさせるなと指示を受けて入った。実際に対戦したら物凄い速さだった。1度は抜かれたけど、2回目も切り返すと思ったら案の定、同じプレーをしたので対応することが出来た。途中から入ってあのスピードについていかなければならない難しさを感じた試合だったけど、結果、無失点に抑えて勝てたことは良かった。

【岩政 大樹】
今日は誉められた内容ではない。今の形の中でやれることをやった。千葉は予想通りJ1の様なサッカーをするチームだったので、やりやすい部分もあった。流れの中からリズムをつかみながら崩せれば良かった。


2012年12月23日(日)

本日行われた天皇杯準々決勝 千葉戦は1-0と勝利しました。

【第92回天皇杯 準々決勝 千葉 vs 鹿島】ジョルジーニョ監督(鹿島)記者会見コメント(12.12.23)
12月23日(日) 第92回天皇杯 準々決勝
千葉 0 - 1 鹿島 (15:00/味スタ/12,843人)
得点者:64' 大迫 勇也(鹿島)


●ジョルジーニョ監督(鹿島):


「選手たちには準備する時から非常にタフな試合になるぞと、特にJ1昇格プレーオフ(決勝)の試合を見ましたけど、本当に主導権を握っていました。ただ、一瞬のところでやられてしまってJ1昇格を逃してしまいましたが、ただ、チームとしての能力、質というところでは非常にいいものを持っていますし、大半の選手はJ1でもプレー経験があるチームですので、非常に厳しい試合になると。それで、ウチがちゃんとしっかりと気持ちを入れてやらなければ苦しい状況になると。あとは落ち着いてプレーをしようということを言ったんですけど、前半は我々らしい部分はあんまり出ませんでした。ちょっと噛み合わせというか、ちょっとずれていたところがありましたけども、ただ、後半はもうちょっと落ち着いて(ボールを)回すことができましたし、慌てずにやった形から、あとは前半はシュートの意識がどうしても少なかったので、後半はちゃんとしっかりと少しでも空いたらシュートを打とうということを要求した部分はありました。そういった意味で目的というのが次のラウンドに進む、準決勝にいくということでしたので、その目標が達成できて良かったのではないかと思います」

Q:ハーフタイムにシュートを意識するようにと指示されたとお聞きしましたが、後半に入って前半よりもスピードがすごくアップしたし、攻撃が熱くなったと思います。そのほかにハーフタイムにはどのようなことを指示したのですか?

「前半で守備の部分で特に相手のボランチが少なからずちょっと自由にいた時間帯があったので、そこのポジション修正ということをまずやって、あとはプレスをかける、相手に寄せるんですけども、それが連動性がなかったので、もっと連動してやるようにと要求したところがありました。そうすると相手のビルドアップも困るようになり、ミスが目立つようになったわけであって、そういった連動して組織でやる部分です。あとは逆に攻撃のほうでビルドアップのほうでどうしてもパススピード、テンポが遅かったので、もう少しテンポアップすると。そうすることによって相手がたとえ足の速い選手で寄せの速い選手がいたとしても、そこをくぐりぬけることができる。そして、もう1つはボランチの柴崎(岳)選手をセンターバックの岩政(大樹)選手と青木(剛)選手の間に置いて、そこで位置的にちょっと3バックですけどビルドアップしていく、組み立てをしていくということを、ボランチを縦に置いてやっていくということを要求したところで、少し(パスを)つないでいくことができたし、つなぐことによってタメも作れますし、そうすると攻撃に人数をかけられるようになっていくので、それでまあ自然的に攻撃に厚みが出るようになったのではないかと思います。そういった指示をハーフタイムに出しました」

Q:1-0のスコアに満足されていますか?

「まあ、勝たなくてはいけないわけですから、素晴らしい結果ではないかねと思います。別に大差で勝たなければならないというルールはないわけなので。ただ、まあ、(J1)リーグ終盤で見せた自分たちのプレーが後半のプレーの一部になっているので、厳しい要求をすれば前後半というところでチームとして組織としてやるべきことをちゃんとやってほしかったというところになります」

Q:今日、決勝点を取った大迫(勇也)選手のプレーに対する感想と、今週、次期監督と目されているトニーニョ・セレーゾさんが来日されていて、この重要な試合の前に練習を見せた意味はどのようなものでしょうか?サッカー界では次期監督に練習を見せるのは珍しいのではないと思いますが。

「大迫選手は約1年間一緒にやってきましたけど、どういう伸びしろがあるのか、どういうふうなことに取り組めばもっと成長できるのかという話をした中で、彼が非常に整理できて能力が向上しているということが僕には感じられました。あとは、今、タイミング的に、時期的に調子がいいということも挙げなければならないし、成長してきている選手ではないかなと思います。将来的には日本代表に君臨するくらいの力を持っているわけであって、そのままの勢いで成長を続けて、そこにたどり着いて君臨してほしいというのが僕の希望です。本当に技術的にも素晴らしいものを持っていますし、ポストプレーもできますし、チームが必要とするタイミングで点を取れることもやっぱりストライカーとして必要な要素であって、それが現在は発揮できているように見受けられるのではないかなと思っています。

トニーニョ・セレーゾという方が鹿島に来ましたけども、本当にサッカー界で稀に見る光景といわれるかもしれないですけど、僕自身も稀であって、それができるのもやっぱり鹿島というクラブの組織というか歴史ではないかなと思っています。あとはもう1つ条件もあって、僕は自分から(契約を)更新しないという意向のもとでやってきているわけなので。クラブとしては来季もやってほしいという要請があった中で、僕が皆さんにもう話もしましたけど、家庭の事情で帰国を決断したわけであって。でも、そこで常にやっぱり僕もクラブが今後発展していくということを願っているので、そうすると1日でも早く新しい監督が選手の状況、情報を把握することができれば、さらにもっとスムーズに自分の指導法が浸透するようになっていくわけです。セレーゾ氏は選手としてボランチとして、あの年代では素晴らしいトップレベルの選手でもありましたし、また、指導者としても勝ち続けていて成果を出しています。日本でも指揮を執った中で、僕が間違っていなければ恐らく唯一3冠を達成した、あるいは初めて3冠を達成した監督でもあるし、日本での成績も成果も出している方ですので。まだ(鹿島との契約が)合意にはなっていないと思いますが、それは僕が知っていることではないですし、クラブの方に聞いてもらえれば確実な情報があるかと思います。あとは彼がまた指揮を執ってもらえば、鹿島は今以上にまた飛躍していくのではないかと思いますし、また優勝の道に彼が導いてくれるのではないかと僕は遠くから応援していきたいなと思います」

Q:千葉とは今季、対戦していないので、どのようにデータを収集されて分析されましたか? そして、実際に対戦してみて感想はいかがでしたか?

「幸いというかうれしいことに僕の周囲には優秀なスタッフがいて、その1人が分析を担当している小杉テクニカルコーチなんですけど、彼に千葉さんの情報をすべて分析していただいたわけで、彼が伝えたデータというのが我々の戦略を立てるための重要な情報でした。確かに18番の非常にポストプレーのうまい選手がいますし、その後ろに3枚のラインで右にはスピーディーな選手がいて、中央に15番の選手がいて、彼は左利きで視野の広い選手であってスルーパスも出せる選手であると。そして、このチームの頭脳が39番の選手であって、彼が本当にゲームメイクとかリズムというところをやっていく選手であると。それから、ディフェンスラインの組み立て方、それぞれの選手、センターバックあるいはサイドバックの特徴、攻撃の特徴、守備の特徴を説明を受けて、それを僕はそのまま選手たちに説明してもらったし、われわれが分析した、そのとおりのことが実際の試合であったのではないかと。途中出場で考えられる4-4-2の形や、14番の選手が入ってくる、19番の選手のスピードの部分を生かしていく、そして15番をボランチの位置に下げて20番を交代させるということまでの情報が我々の中にありました。今日はおそらくC大阪-G大阪戦を見てもらって、来週の頭にはまたそういった詳細な情報が僕の手元に入ってくるので、そこから戦略を立てていきたいと思います」

Q:今日は興梠(慎三)選手とレナト選手を準備しているところで鹿島が1点取りましたが、1点入ったので、あそこで攻撃の選手を入れるのをやめるというように交代のやり方を変更しようとは思いませんでしたか?

「僕はまったくそういった考えはなかったです。チームをもっと攻撃的にシフトしたいという意図が自分の中にあったので、レナト選手はボールをキープできるし、スルーパスも出せるので。それから、興梠選手はサイドのほうという役割をやっていますけど、守備をやるというよりもスペースだけ消してもらえばいいということを、僕はあそこのラインの選手に要求しているので、それをやってくれて、なおかつ彼はボールをキープできるので、彼からボールを奪うのはなかなか簡単なことではないので。そうやって攻撃に厚みを増すことができるので、なおかつチームがもっと攻撃的に、あるいはもっと積極的になることができるので、だから守備的とか攻撃的というよりももっとチームを活性化させたかったというのが僕の意図でした。1点取ったからといってそこで試合が終わっているわけではないので、やり続けるということが重要なので、そういったメッセージではないですけど、そういった意図を選手たちに伝えたかったので、そういった意味でチームがまたさらに積極的になったというところ、そして質も落とさずに持続できたことは良かったことではないかと思います」


以上

【第92回天皇杯 準々決勝 千葉 vs 鹿島】試合終了後の各選手コメント(12.12.23)
●大迫勇也選手(鹿島):
「厳しい試合になるということは試合前から分かっていたので。ああやって引かれることとで、ああいう展開になるだろうなと思ったし、前半は我慢しようと思っていました。しっかりと結果を残せて勝てたので良かったです。(得点シーンは)相手の足が(大迫選手の)前に出てきていたので、ニアサイドを狙いました。次の試合でもしっかり点が取れるようにしたいです。ジョルジーニョ監督を天皇杯優勝で送り出したいし、それが自分たちにできるプレゼントだと思います。自分自身もタイトルを獲りたい気持ちがあるし、アジアチャンピオンすリーグを戦いたいという気持ちがあるので、優勝できるように頑張ります」

●曽ヶ端準選手(鹿島):
「(試合終了前の千葉の決定機は)まあ、守備範囲だったので。相手が飛び込んでくるのは僕は見えていましたけど、(昌子)源は見えていなかったみたい。千葉はピッチ状態が今一つの中でもしっかりパスをつないできましたし、やる前から簡単な相手ではないと分かっていましたし、実際にそういう展開になりました。でも、そういう中でしっかり勝てたのが良かったですし、決定機はウチのほうが多く作っていましたから。ここまできたら、相手がJ2のチームというのは関係ないですね。1回戦、2回戦だったらまた別ですけど、ウチは去年、(天皇杯で)京都に負けていますから。ここまできたら決勝までいきたいし、優勝したいです」

●遠藤康選手(鹿島):
「そこまで慌てるほどの試合でもなかったと思う。どこかで点が取れるという感じがみんなの中にあったんじゃないかなという気がします。(この試合で得点した)大迫もそうだし、ジュニ(ジュニーニョ)も点を取れるし、ドゥトラも点を取れるので。カウンター攻撃がウチが得点するのが多いパターンなので、それを狙っていたけど、もっと押し込んでからパスを回せばいい場面もあったと思います。でも、結果的に勝てたし、こういう攻撃でやるしかないところもあるので。もっとサイドチェンジを多くすれば、もっと楽に攻められたと思うけど、今日は左サイドでこねることが多かったので。でも、ハーフタイムに修正できたんじゃないかなと思います」


▼鹿島が目指すのはタイトルのみ 決勝弾のFW大迫「あと2試合残っている」
[12.23 天皇杯準々決勝 千葉 0-1 鹿島 味スタ]

 決勝点を決めたのは、やはりこの男だった。鹿島アントラーズの1トップを務めるFW大迫勇也である。後半19分、右サイドの西大伍からのパスを受けると、一度、自身の左にいたMFドゥトラにボールを預ける。ドリブルで仕掛けようとしたドゥトラにマークが集まると、フリーになった大迫は再びボールを受け、PA内でしっかりとコントロール。得意な形に持ち込み、ゴールネットを揺らして見せた。このゴールが決勝点となり、鹿島は2大会ぶりの4強進出を果たしている。

 現役時代、ブラジル代表として活躍したジョルジーニョ監督も「チームが必要とするタイミングで点を取ることができるのは、ストライカーに必要な要素です」と、絶賛した。「現在は調子も良いですし、持てる力を発揮できています。今シーズン、彼と一緒にやってきて、どういう伸びしろがあり、どういうことに取り組めばもっと成長できるかを話してきました。それを整理して、力、能力を発揮できていると思います」と、その成長に目を細めた。そして、大迫の潜在能力の高さについて「将来的にはフル代表に君臨する力があります。技術的にも素晴らしく、ポストプレーもできる。このままの勢いで成長を続けて、そこに辿りついてほしい」と、熱く語った。

 今季、ナビスコ杯を制した鹿島は、他の追随を許さない16のタイトルを獲得している。その勝者のメンタリティは、大迫にも植え付けられた。「試合前から『難しい試合になるだろう』と、みんなで話していました。その中で、勝ちにつながるゴールを取れてうれしい」と、得点以上に勝利への満足感を口にした22歳は、今季での退任が決まっている指揮官へ2つ目のタイトルを送ることを誓った。

「まだ、あと2試合残っているので。タイトルを監督にプレゼントできればと思います。(準決勝の)ガンバ戦も得点にこだわり、みんなで力を合わせて頑張りたいです」と、勝利の喜びに浸る間もなく、すぐに29日のG大阪戦へ気持ちを切り替えた。

(取材・文 河合拓)

最少得点という結果からも、厳しい戦いであったことが覗える。
それを肯定するようなコメントをジョルジーニョ監督も岩政も発しておる。
そんな中でヤスは「慌てるほどの試合でもなかった」と切り捨てた。
これは自信の表れといって良かろう。
今季はレギュラーに定着し、シーズンを通じて安定したプレイをしたのではなかろうか。
残り二試合、ヤスのパスで勝利を掴みたい。
期待しておる。