無知の知

ほたるぶくろの日記

生活は科学だ!

2014-09-13 20:20:11 | 生命科学

家事は科学の現場です。掃除、洗濯、炊事、子育て。これらは全て人間の健康を維持し、毎日の活動をスムーズに創造的におこなうための<重要な>仕事です。これは人間の叡智、知恵の結集でもあります。 

かつて「おばあちゃんの知恵」が喧伝されたときもありましたが、裏付けの説明が曖昧なため、応用がきかないことがままありました。そんなことから食いついてみたものの、結局余り身に付かずじまいになってしまいました。 

私も半世紀を生きてきて、家事は10代の頃からやってきました。子育ても経験し、ますます家事は科学だ~を実感している毎日です。

家事をしながらそろそろ子どもにも家事を伝えて行かないと行けない時期にきました。子どもも夫も炊事を中心に家事を手伝ってくれます。

ところがその度に「えぇ!?」という経験をします。その度に「なぜこうするべきなのか」と説明をするのですが、説明しながら、これって化学だよな~とか生物でやっただろ、とか物理法則的にこうなるでしょ、なことが多くて、結局理科の講義になって行きます。やっぱり理科って大事よね~と実感していました。

 

そんなときに前回の記事で書いた日米高校生の科学分野別の興味をグラフにしたものを見ました。

「科学がどう自分の生活に役に立つのか分からない

だから興味がない。分かっている人に任せておけばいいんじゃない?」

という状況にびっくりもしましたし、危険なことだと思いました。

科学がどんなに毎日の自分の生活に密着したものなのか、そのことを知らなくてどうする?学校での勉強が「受験のための道具」に成り下がっているこの現実。溜め息しかでないのですが、溜め息をついていてもどうにもなりません。

科学が生活から遊離した夢物語、立派な製品、病院での治療や薬、だけではないことを知ることが、まさに科学(理科)を高校まで学ぶ理由のはずです。最近では「ごちそうさん」で悠太郎さんが大五にスコッチエッグの調理法にヒントを提案したり、調理がいかに化学と物理であるかを説明していましたが、私も頷きながら観ておりました。

 

そんなわけで、家事をしながらどこにどういう科学分野の応用があるのか、毎日の自分の生活はいかに科学なのか、毎日家事をしながら子どもや夫に説明していることを書き残し、それが家事のマニュアル、あるいは基礎知識として定着してくれれば、とのおもいを込めて少しずつここに書いていくことにしました。それが科学(理科)のお勉強にどうつながって行くかは別の問題です。そんなことよりも日常の生活を科学をする眼を持つことで、より合理的で健康な日々を過ごすこと、さらに自分で応用することで、より楽しい家事になって行けばなあ、と思っています。

 

最初に何を書こうかと迷ったのです。やっぱり料理かな、と思ったのですが、いまどき食べることに関してはお惣菜を買うこともできますし、自分でやらなくともなんとかなります。何ともならないのは洗濯。特にクリーニングに出すことのない、下着やタオル、シーツなどの身の回りの洗濯。たかが洗濯、されど洗濯。あるとき、どうしても間に合わないので子どもに洗濯をやってもらわなくてはならなくなりました。そのとき「洗濯の仕方」を説明しながら、伝えることのあまりの多さに唖然としました。「えー!?洗濯機にいれて洗剤いれればいいんでしょー違うのー?」というのが子どものご意見。あのね、そんな簡単じゃないんだって。

ということで、まずは洗濯に関わるいろいろについて。

 

1. やっぱり洗濯

暑い夏も終わりました。夏のお洗濯はいかがでしたでしょう? 

私はこの10年間ほど節水型の洗濯機と戦ってきました。大げさかもしれませんが、仕事と家事をやっているとどうしても家事を考えずにやることが多く大失敗をすることがあります。夏の洗濯がまさにそうで、洗濯機の製造会社や洗剤の製造会社のいいなりに洗濯をしていて、大変なめにあいました。 

一昨年暮れに洗濯機が壊れたため、新しい洗濯機を購入した際、今度こそはとも思ったのですが、やはりマニュアルを読むばかりで自分の頭で考えず、昨年一年漫然と洗濯をしていました。昨年は仕事が異様に忙しかったこともありますが、愚かにも「まあ、洗濯は洗濯機と洗剤があればなんとかなるでしょ」と思っていた次第。これは先に書いた、子どもの理解とほとんど代わりありませんね。反省してます。 

子どもの理解と違っていたのは、一応洗濯物は分類しなくてはいけない、ということでした。素材や色の濃いもの、汚れの種類で流石に分類して洗濯することくらいは「常識」の範囲で分かっていました。しかし「エコ」の罠にかかってしまったのです。 

十年くらい前にそれまでの洗濯機がこわれ、出始めの洗濯乾燥機を購入しました。うたい文句は「節水」。ドラム式で脱水の際の振動はかなりのものがありましたが、ヨーロッパに住んでいた頃、やはりドラム式の洗濯機を使っていて、汚れの落ちのよさに感激していたこともあり、購入を決意。使い始めました。(つづく)


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