今、話題の免疫治療について少し書いてみます。
現在がんの免疫治療についてもっとも簡潔に事実を解説しているのは
国立研究開発法人国立がん研究センターのHP「がん情報サービス」
だと思います。
こちらのサイトも今まではちょっとお勧めするのをためらう情報が載っていましたが、現在はそれらの免疫治療に関する情報が整理され、私はかなり納得の行くものになっていると思います。
今までここでも何度か書いてきたと思いますが、免疫ネットワークは全身性であり、かつ様々な免疫細胞とそれらが放出するサイトカインその他の物質が関わる複雑なものです。
モビールに例えたことがありますが、右側が上がっているから、と右に何かを追加するにもバランスを考えながら慎重にやりませんと一気にバランスを崩し免疫ネットワークが崩壊します。それはイコール個体のホメオスターシスの崩壊でもあります。安易にそのバランスに切り込むのは非常に危険。
今話題の某薬も、副作用はもっぱら自己免疫系疾患。潜在的に存在していたこれらの疾患は免疫ネットワークバランスによって何とか防がれていたと考えられます。そこに免疫抑制を外す、というアプローチで切り込んだわけです。がんに対する免疫細胞の攻撃力は強くなったでしょうが、潜在的な自己免疫疾患も顕在化してしまったというわけです。
バランスを崩した結果でしょう。しかし、患者さんがこれら潜在的な自己免疫疾患をお持ちかどうか、今は確認する方法がない状態です。
免疫療法が第4の標準治療に認定された、とはいえ、まだ前途多難ではあります。
私ががんになったら、まずは必要とされる手術(あまり侵襲の酷くないもの)を受け、その後は
「少量(低用量)抗がん剤治療」。そして頃合いをみて某薬系をごく少量。ですね。もちろんがん種にもよりますが。
これは譲りません。私の身体ですから。
「少量(低用量)抗がん剤治療」は全く標準治療ではありません。しかし、学者としての私は自信を持って自分にお勧めします。
今、じわじわと取り組んでおられる医師が増えているようです。必要となったらここかな、というところを探しておくといいかもしれません。私も現在、確実なところを少なくとも二カ所知っています。
今はがんに関する情報が溢れています。玉石混淆の中、良いもの、自分に合ったものを選択して行きたいものです。