無知の知

ほたるぶくろの日記

理研の二つの検証実験について

2014-07-05 18:37:00 | 生命科学

 7月4日、日本分子生物学会理事長、大隅典子氏が理事長声明理事長声明『STAP 細胞論文問題等への対応について、声明その 3』を出しました。一方、理研からは「小保方研究ユニットリーダーが参加する「STAP現象の検証計画」の進め方」なる文書が公表されました。この両者の文書を読みながら、目の前が暗くなるなるような絶望感に襲われています。

 

これまで2回にわたって分子生物学会は「件のNature論文とはどういうものであったのか?O氏らによって真にどのような実験が行われ、どのような結果を得ていたのか?」について調査し説明する義務を理研CDBは果たすべきである、と要求してきました。また、先の研究不正再発防止のための改革委員会も同様の提言をし、さらに関係者の処分も求めていました。

しかし、理研CDBはこれらの提言に対し、6月16日の「CDB に保全されている STAP 関連細胞株に関する検証について」において、O氏のラボに残されていた細胞の遺伝子解析結果を示したことが、唯一の回答でした。そして強く要求されて来た関係者の処分検討を一時中断し(!)二つ目の「STAP現象の検証計画」を発表したのです。 

果たすべき責任を何一つ果たさず、やりたいことだけをやる。これが現在の理研CDBの態度です。これが巨額の公金を投入されている独立行政法人がやることでしょうか?文部科学省の担当部署はこのような理研の態度をなぜ容認するのか?

 

百歩譲って、まず第一の検証実験を中止し、上記の責任を果たしつつであるならば、「STAP現象の検証計画」を行ってもよいでしょう。しかし、少なくとも、関係者はこの間無給であるべきです。また、これらの実験にかかる経費は関係者が弁済するべきです。そして関係者の処分検討は粛々と進められるべきです。「STAP現象」が真実であろうがなかろうが、これまでに起こったことへの処分は検討されなくてはなりません。一体何を期待しているというのか。

 

義務を果たさないままの「STAP現象の検証計画」などあり得ません。子どもの遊びではないのです。