最近、親類の方が旅立たれました。彼女はまだ60代でしたが、12年前から若年性アルツハイマーを患っていました。子供さんは結婚して家をでており、ご主人がディ・ケアなども利用しながら看病をしてこられました。叔母も叔父も本当にお疲れさまでした。文字通り「生きて行く」こと自体が大変な毎日であったろうと推察いたします。
この叔母について少し不思議なことがあります。発症する1、2年前だったでしょうか。それまでマンションのかなり上階に住まわれていたのですが、叔母が叔父にも相談しないでごく近所のマンションの一階に引っ越すことを決めたのでした。その時の理由は「なんとなく」だったようで、皆さん首をひねっておりました。
そして発症し、数年後には歩くこともままならなくなり車椅子生活になりました。叔父は「一階で本当によかった。この人(叔母)はこうなることを予想していたのかな」と言っておりました。この話し自体はそれこそ10年前くらいに聞いた話しでしたから、この「なんとなく」も「虫の知らせ」かとオカルトめいた話しとして受け止めていました。
今考えますと、ご自分とご先祖さまとの両方の計らいだったのかもしれません。ご自分のため、というよりは看病される叔父への気遣いだったのかもしれないと思います。謹んでご冥福をお祈りいたします。