親が亡くなった時の遺産相続は、
些細なことで揉めることが多いとよく聞く。
知人の祖母が亡くなった。
年齢的には大往生だった。
彼女の終の棲家となったのは、
実家の近く、東京から離れた街にある施設だった。
なので、世話をしていたのは、
主に長男夫婦だった。
彼女にはもう1人、娘がいた。
娘は嫁いで、東京で暮らしている。
息子と娘、2人で遺産を分けることになったのだが、
娘が、
「東京からお見舞いに行くのに交通費がかかった。
年に何度も行ったので、けっこうな額である。
その分を遺産を分配する時に上乗せしてほしい」
と主張したという。
『行列のできる法律相談所』という番組に、
長年携わってきたので、
いろいろな遺産相続トラブルの実例を見てきたが、
「交通費」で揉めたという話は聞いたことがない。
悲喜劇である。