観劇:『2番目、或いは3番目/ナイロン100℃』

2010年07月08日 00時36分59秒 | エンタメのかけら
隣にどんな客が来るのか。

一人の観劇において、
それはとても重要だ。

今回、ナイロン100℃公演を見た際に、
僕の隣に来たのは「巨大な人」だった。

とにかくデカい。
こちらの席4分の1ほどまで体がはみ出している。

普通に僕が座ると、
隣の「巨大な人」に密着してしまう。

幸い逆側の席が空いていたので、
そちらに体を傾けて芝居を見たが、
それでも体温が伝わってきて暑さが倍増だ。

まあ、それはさておき。

終演後、
親しい出演者が、
今回の芝居の細部について説明してくれた。

驚いた。

俺はなんと多くのことを見落としていたのか。

と同時に、
見落としても仕方ないとも思ったのだ。

なぜならば、
その細部の多くは決して主張することなく、
さりげなくばら撒かれているのだから。
そう、最近ありがちな、
説明過剰な「親切」な物語に慣らされた観客を挑発するかのように。

だから、本当は2回3回観た方がよい芝居だとも思うし、
そもそも一度ですべてをわかろうとする姿勢自体が間違った観劇の仕方である、
そんな作品なのかもしれない。