仏様とカレー

2010年07月02日 08時50分38秒 | コメディのかけら

それはある田舎の通夜での出来事だ。

若くして亡くなった故人を悼んで、
悪友たちが集まった。

布団に寝かされた故人を囲み、
酒を飲みながら思い出話をするうちに、

「そういえばこいつ酒好きだったよな」

という話になった。
そこで仏様の口元にコップを寄せ、
酒を飲ませてやった。

ここまでは、まあ、悪い話ではない。
問題はここからだ。

また別の悪友が言い出した。

「そういえばこいつカレーも大好きだったなあ」

全員が悲しみと酔いで判断能力を失っていた。

コンビニに走りカレーを買ってくると、
仏様にカレーを食べさせようとしたのだ。

驚いたのはその様子を目撃した故人の家族だ。

「なにしてるの!」

すぐさま悪友たちは追い出されてしまった。

翌日。
出棺の直前に仏様の口元を見ると、
黄色く染まっていたという。
どうやら亡くなると、
カレーの色素が染み込みとれなくなるらしい。

教訓。
死体に色についたものを食べさせてはいけない。