会計スキル・USCPA

会計はビジネスの共通語。一緒に勉強しましょ。

オリンパス騒動 2

2011-10-25 07:12:07 | 銘柄研究

オリンパス騒動の続きなんですが、
世界中のメディアが取り上げて、大騒ぎって感じです。

これはブルンバーグですが、ご本人がカメラの前でインタビューに答えています。

Ex-Olympus CEO Woodford on Dismissal, Probe Request

英国の当局に告発したのは、問題の資金がオリンパス関連の英国法人から支払われたからだ、と説明しているようですな。
オリンパスが自分に訴訟するというのであれば、それはきちんと議論ができることになるので、むしろ望ましい。来るなら来いって感じですかね。

ただ、英国当局だけではなく、日本の当局にも資料は送ったようですな、他の報道によれば。

最初に報じたFTはバシバシ続報を出しているようで、

誰が巨額資金を手に入れたのか

一見して過大な買収価格と同じくらい懸念されるのは、オリンパスの気前のいい支払いで利益を得た所有者の身元だとウッドフォード氏は言う。社内資料では、3社の所有者はオフショアに登記された特別目的事業体(SPV)とだけ記されている。

 買収された3社は非常に異なる会社だが、あるSPVは3社すべての株式を所有しており、2社の株式を所有しているSPVもあった。このつながりを見れば懸念を覚えたはずだとウッドフォード氏は言い、「回答がない。回答を求めていくと、もっと不穏な問題があるのではという懸念が生じた」と話している。

 ウッドフォード氏に最初に疑念を抱かせたのは、日本の雑誌「FACTA(ファクタ)」の記事だった。同誌は一連の買収に批判的な7月の記事で、「反社会的勢力」の関与を示唆していた。遠回しに組織犯罪を意味する言葉だ。


巨額資金がどこへ行ったのか、という問題ですね。

他の報道では、ウッドフォードさんは解任された後、身の危険を避けるため、一番早い英国行きに飛び乗ったとも伝えられてます。


英国だけじゃなく、アメリカのFBIも調査するってハナシがNYTに出てまして。


2 Japanese Bankers at Heart of Olympus Fee Inquiry

The F.B.I. is now investigating the $687 million payment, according to two people briefed on the case. The focus of the investigation is not yet clear, and a spokesman for the F.B.I. in New York, James M. Margolin, declined to comment.

調査の焦点がどこにあるのかは不明とのことですな。
この記事ではさらにずっと踏み込んで、買収のアドバイザーとして関与した二人の日本人について実名で伝えてます。


さて、これを辛口、エコノミスト誌はどう報じているのか。

Corporate governance in Japan
Olympian depths
What the Olympus saga says about corporate governance in Japan


コーポレートガバナンス問題として捉えてます。当然のことながら。

KPMG was Olympus’s auditor in 2008; Ernst & Young in 2009. Both firms’ British offices placed a formal qualification on Gyrus’s accounts because the firm failed to show that it had no relationship to AXAM/AXES. However their Japan offices, though not required to follow the British decision, approved the Olympus group accounts without knowing the answer to this rather glaring conundrum.

監査法人の英国オフィスは交代前も後もGyrus社の決算について、正式に限定意見を表明。会社が AXAM/AXESと無関係であることを示すことができなかったからだ。英国の判断には従わず、日本のオフィスはオリンパスのグループ決算を承認してしまった。このかなり目立つ謎に対する答えが分からないままに、である。

Olympus’s odd transactions were first reported this summer by a small investigative magazine called Facta, but ignored by the mainstream Japanese press. Local media have made surprisingly little of the story, even as Olympus’s market value has roughly halved. Japanese regulators, too, have not made much fuss. Olympus suggests it may sue Mr Woodford for disclosing confidential information to the media. Mr Woodford says he would welcome that day in court.

このおかしな取引は、この夏、最初にFACTAと呼ばれる小さな調査雑誌が報じた。しかし、日本の主流メディアには無視された。地元のメディアは驚くほどこの問題を重視していない。オリンパスの株価がほとんど半分になってしまったにも関わらずだ。日本の当局もそうで、いまのところ静観の構えだ。オリンパスはウッドフォード氏を、社内秘情報の漏えいで訴えることを示唆しているが、ウッドフォード氏自身は訴訟を歓迎すると言っている。


というわけで、

いろいろな本来働くべき機制が日本じゃ働かない、

と、いつもながら厳しいご意見で。

ホント、海外のメディアが報道合戦になっていて、少しでも真実に近づこうとしている中で、国内の扱いが余りに小さいんでびっくりしますね。まあ、何が楽しくて記者をやってるんでしょうな。

これ、日本の事件なんですがね。


月曜日の下落で、既に、株価は半分以下にまで下がってしまって、今、時価総額が3千億円位なんで、この一週間で3千億円以上の市場価値が失われたことになりますが、経済インパクトだけでも、これは大きいですな。

【7733】オリンパス(株)


本当の問題は、見出しのようにOlympian depthsにあって、どこまで深いか、ってことかもしれませんが。


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