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不動産価格はさらに5割下がる?

2005-04-10 12:53:09 | ターンアランド
土地の値段はこう決まる
井上明義 朝日新聞社 05/02/25第一刷

 著者は三友システムアプレイザル社長。不動産鑑定の大手。

 不動産を売るべきなのか買うべきなのか。この辺は難しいところです。

 失われた10年の後、景気復活、インフレ、と連想してやがて資産価値も上がってゆくだろう、と考える人も多いようです。株価はゆっくりですが、着実にあがってきており、それなりに説得力があります。

 それが、著者は、次の5年で不動産価格はさらに半分になる、と予言。

 土地の価格はまだまだ下がる

 あな、恐ろしや。このリンク先で書かれている、高級マンションの値崩れや、銀座、青山などの本当に値が上がっている地域(これらは最近テレビでもやっていますね)が少ないこと以外に、本書ではさらに、人口減少、郊外から都心への回帰減少による郊外価格の下落(これは都心値下がりと矛盾しますね。都心の値下がり圧力とどっちが強いかですが、著者は都心も一部を除き値が下がると見ています)、地方の土地は下げ続けていること等にも触れています。

 著者は基本的に、今の不動産バブル(とまで著者は呼んでいませんが)を不安視しています。外資系がかつての邦銀のように過大評価で金を貸し込んでいるのではないか、とも。不動産は、単純に売買実績の価格だけでは決まらない(個別事情に左右されるので)、単純な利回り計算だけで決めてもいけない、日本の不動産は他の金融資産との利回り比で値がついたりするものではない、外資はそれがわかっていない、とか。

 とはいえ、REITやら、新しい手法によって、利回り比較による資金の流入にも触れており、著者としてはこのあたり、微妙な感じです。一概に否定できるわけありませんね。

 外資系といえば、テレビでも外資系のファンドが不動産を買いあさって、価値を高めて売り抜ける手法を紹介していました。話しは違いますが。

 著者の立場は、既存の不動産鑑定業界を破壊してきたというチャレンジャーであると同時に、20年以上不動産の鑑定に、しかも大手金融機関とともに関わってきたという権威者でもあります。丁度、この微妙な立場が、本書を面白くしています。
 
 本書では、他にも不動産鑑定業界の内情や、競売市場の分析等、中々面白いです。








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