神話の知の基礎にあるのは、私たちをとりまく物事とそれから構成されている世界とを宇宙論的に濃密な意味をもったものとしてとらえたいという根源的な欲求である。
神話の知は、言葉により、既存の限られた具象的イメージをさまざまに組み合すことで隠喩的に宇宙秩序をとらえ、表現したものである。そしてこのようなものとしての古代神話が永い歴史のへだたりを超えて現代の私たちに訴えかける力があるのも、私たち人間には現実の生活のなかで見えにくく感じにくくなったものへの、宇宙秩序への郷愁があるからであろう。
中村雄二郎
闇夜の国から一人で舟をだすんだぁ~。月はどっちにでている?