yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

レバノンレポート-3 水辺の城塞シドンでの遺跡巡りの条

2009-02-27 00:00:00 | 歴史・考古情報《西欧》-2 その他
時差惚けも治まらぬうちにしばらく百済へ行ってきます。それにしても都市形成にとって軸線となる道路がいかに重要か実感しました。
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136 スークにて 山盛りの蜜柑 いきいきと
(すーくにて やまもりのみかん いきいきと)
20090222 1週間が過ぎ日曜日がやってきた。テイールの北30キロほどのところにあるシドン方面の遺跡巡りに出かけた。その帰り、シドンの伝統的市場を見学した。肉、魚、野菜に果物あらゆる物資が豊かに山積みされていた。とても戦争の国とは思えなかった。
ほとんど迷路状態の市場の中をレバノン考古総局調査官の一人ナーデル氏が、スイスイと案内してくれる。現在町並みの環境整備が進行中で、世界遺産のこの建物群が少しリフレッシュして(あまり趣を変えないようにしながら)整えられつつある。その一角にある伝統的なアラビア式浴場の一角には古式に則ったオリーブオイルによる石鹸が製造販売されている。お土産に買って帰るとご婦人方には好評だと聞いた。1個200円くらいで日本の5分の1だとか。




137  岸壁に 打ち寄す白波 シドン城
(がんぺきに うちよすはくは しどんじょう)
20090222 シドン港に浮かぶお城はまさに幻想的な光景を醸し出していた。激しい波が打ち寄せ,城内には海がもたらす砂が堆積していた。圧巻の風景だった。古くからあった城を十字軍の時代に再利用して建設したのだとか言う。レバノンの諸都市が地中海と切っても切れない関係にあることを実感させる遺跡だった。










138  テルプラータ 眼下に迫る 春波の音
(てるぷらーた がんかにせまる しゅんはのね)
20090222 海岸縁の小さなテルに設けられた小さな村の跡に出かけた。打ち寄せる波の音を聞きながら当時の彼らの暮らしに思いを馳せた。私は漁村ではないかと思ったのだが、当時の最小行政単位の「都市」だという。





139  オリーブの 絞りし跡に 春雨寒
(おりーぶの しぼりしあとに しゅんうかん)
20090222 シドンからさらに北へ数十キロ、山間の丘に設けられた寺院の一角には葡萄酒やオリーブオイルを製造する工場が附属していた。葡萄を曳く臼やそれを貯蔵する地下倉庫、丘の斜面を縫う道路、とても興味深い遺跡だった。





  




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