yaaさんの宮都研究

考古学を歪曲する戦前回帰の教育思想を拒否し、日本・東アジアの最新の考古学情報・研究・遺跡を紹介。考古学の魅力を伝える。

久留倍遺跡セミナー第2回開催の条

2009-10-26 23:23:18 | 久留倍遺跡を考える会
 10月24日土曜日は久留倍官衙遺跡を考える会主催の第2回出張セミナーの日であった。第1回は久留倍遺跡の中心大矢知の市民センターで久留倍遺跡成立前代の歴史を四日市市教育委員会のHYさんと私とでお話しさせて頂いた。

 

 今回は久留倍郡の古代の中心・八郷地区に出張してのセミナーでした。立派な資料集も印刷されていて(実費200円販売中)、全て考える会の皆さんの自前の企画である。素晴らしい!!

 内容は四日市市教育委員会のKTさんが「久留倍遺跡と八郷」、三重大学人文学部非常勤講師の清水みき先生が「伊勢・志摩・伊賀の木簡」と題してお話し下さった。初めて、久留倍遺跡の会で木簡の話しがあるというので会場は50人余りしか入れないのに60人を超し、溢れるばかりの大盛況であった。



 KTさんからは四日市市や三重県が八郷地区で発掘調査した成果がスライドで紹介された。しかし、少々苦言を呈させて頂くと、ちょっと地元の一般市民の方にはとてもとても難しく、用語も専門的用語が乱発されて、聞いている私が冷や汗の出るものであった。



 かつて故佐原真さんは判りやすい考古学を宣言し、専門的用語の置き換え、普通の人が聞いて判る解説を求められた。専門家を対象とした学会の発表ならいざ知らず、恐らく初めてこのような会に出席されたに違いない方の多いこのような会で、「掘立柱建物」「総柱建物」「「コ」の字形配置」に「品字形」、「官衙」(役所)だの「郡衙」(郡役所)などが通じるはずがない。それでもまだそれぞれの遺跡のスライド写真でも豊富に示されて、その中で説明されるのならいざ知らず、印刷された図面と同じものが暗い画面に映されて、話されても判るはずがない。

 慣れてないのかと思いきやもう教育委員会に勤めて十余年になるという。もう中堅である。ちょっとそれはないやろ!!と思いながら聞いていた。それでも時間通りに終わるのなら許されるのだが、ナナナント予定時間を1.5倍もオーバーして終了。次の講師の方のこと、聞いている方の都合も考えなくては!

 そんなこんななので、次の清水先生のお話の時間が大幅に減ってしまった。先生はそれをちゃんと意識して話しを少しカットされてお話しなさったものだから、私としてはとても残念だった。いつかもう一度三重県の木簡に絞ってお話し頂きたく思っている。

 

 先ず木簡そのものの概要を丁寧にお話し頂いた上で、①地元に近い柚井遺跡の木簡について、②三重県を代表する志摩国の木簡について、③三重県出土の木簡について、④その他の伊勢・志摩・伊賀関係の木簡についてお話頂いた。
 地元の方としてはもっともっと聞きたかったに違いない伊勢・志摩の木簡の話し等、結局短い紹介に終わったことが残念でならなかった。質問時間もなく、欲求不満の残ることになってしまった。

 次回第3回は2010年1月9日(土)、皇學館大学の岡田登先生をお迎えして、朝日町の資料館で、「縄生廃寺と久留倍遺跡」(仮題)と題してお話し頂く予定である。今度こそ今回のようなことにならないよう、もう1人の教育委員会の方の話しは少し短くして頂く必要があろう。

 それにしてもこのセミナー、四日市市教育委員会は先のような報告者は出すが、準備から広報、資料集まで全部市民の方の自前の活動である。今回のような状況だから行政としての活発な活動ができないのかもしれないが、ちょっと情けない気はする。それに比べて考える会の方々の活発な活動には頭が下がる。全国の手本とするに相応しい活動である。

 その象徴的な行事が今年も11月14日(土)に第2回久留倍まつりとして実施される。第2回の主な行事はつぎのとおりである。
 午前の部  
 ① 壬申の乱ウオーク 長倉神社ー久留倍遺跡ー天武天皇望拝所ー耳常神社のコースを昨年以上に増えた衣装隊(総勢50人ほど)を伴って歩く
 ② 久留倍遺跡での写真コンテスト
 ③ 途中の斎の宮公園で草鞋作りと火おこしの実演

 午後の部
 久留倍遺跡講演会 久留倍遺跡と北伊勢
 ① 加藤謙吉先生(早稲田大学講師)「伊勢の国の猪名部について」
 ② 山中 章 「鈴鹿から不破へ」

ポスターもできあがっている。近日中にそれらを含めて詳しくご紹介することにする。

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もちろん オバマ大統領のヒロシマ,ナガサキ11月訪問を求めよう!!

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