ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オペラ「スペインの時」・「フィレンツェの悲劇」

2012-04-10 17:50:59 | オペラ
3月11日新国立劇場中劇場で、ラヴェル作曲のオペラ「スペインの時」とツェムリンスキー作曲のオペラ「フィレンツェの
悲劇」をみた(新国立劇場オペラ研修所公演、指揮:飯守泰次郎、オケ:東京シティフィル、演出:三浦安浩)。

二つのオペラを大胆に連結させ、20世紀初頭の同じ町の広場を舞台に起こる二つの物語として上演。

「スペインの時」
  時計屋のトルケマダは週に一度仕事で外出する。この日は妻コンセプシオンにとって羽を伸ばせる日。詩人気取りの
  学生ゴンサルヴェとの逢引きを楽しむ予定だ。ところがロバ引きのラミーロがやってきて、時計の修理のため主人が
  帰ってくるまで店で待つという。コンセプシオンはゴンサルヴェとの時間を作るため、ラミーロに用事を言いつけ、時間
  を稼ぐ作戦に。そこへ、今度は彼女に熱を上げている銀行家イニーゴまで訪ねてくる。最後に彼女が選ぶのは誰?

「フィレンツェの悲劇」
  商人シモーネが帰宅すると、妻ビアンカしかいない家に王子グイドが訪ねてきていた。
  シモーネとグイドはたわいもない会話を交わし始める。この男と妻との関係を半ば確信し、探りを入れるかのような
  シモーネと、それをかわしつつ、時にシモーネを挑発するかのように堂々とビアンカの美しさを称えるグイド。
  ビアンカは妻として振る舞いながら、夫のいないところでは、グイドと愛の言葉を交わす。
  果たして三人がたどり着く結末とは・・。

背景で終始うごめく大勢の男女が邪魔。ハイドンなど古典的な作品の場合、こうした工夫が間をもたせてくれて楽しいが、
近代の作品の場合、逆に音楽をぶち壊してしまうことがよく分かった。
何しろまず音が出てくるまでが長くてびっくり。演出家によって書かれたセリフ劇が冒頭に挿入されたのだが、これが
全く不必要な代物で、ただ音楽の邪魔をしているだけなのだ。

若い歌手たちはみなよかった。オケもうまく、音楽的には申し分なかったので、凝り過ぎで場違いな演出が、なおのこと
残念だった。
コメント
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