ふくろたか

札幌と福岡に思いを馳せるジム一家の東京暮らし

冒険の金田一耕助

2023年08月15日 | 日記・その他
きょうは台風7号の通過に伴い、夏の甲子園の3回戦4戦や
オリックス対ソフトバンクの中止が早々に決まった。
終戦記念日とあって、いろいろな催しが重なる日だが、無理な外出は禁物と考える。

終戦記念日と言えば、テレビも「8・15」にちなんだ映画・ドラマを
いろいろ放映するが、ワタシは遅れて18日に放映されるこちらを楽しみにしている。

NHK版「獄門島」(BSプレミアム/BS4K)

NHK版金田一耕助シリーズ4作品の一挙放映の第一弾。
16年放映のこの作品は4作品で唯一、長谷川博己が金田一を演じた。
もともと「引き揚げ船で病死した戦友の依頼」で金田一が島を訪れるという
終戦直後の色が濃い原作だったが、そこに加えて、金田一自身が
「復員直後で戦争体験によるPTSDを抱えている」と脚色した。
おかげで、事件関係者にやたら挑発的・攻撃的な金田一が暴れ回る異色作になった。
その象徴のひとつが、映画「ジョン・ウィック」から流用された
ドラマ主題歌のマリリン・マンソン「キリング・ストレンジャーズ」
ベトナム戦争の復員軍人だった実父のPTSDをもとに
マンソンが作った曲が離島の陰惨な連続殺人を彩っている。

初見時は「昔ながらの金田一ファンは激怒必至だわ」
呆れたが、再放送のたびについつい見てしまう。
「獄門島」は過去に何回も映像化されたが、
その多くが石坂浩二主演の東宝映画(1977年)の焼き直しに過ぎず、
そのイメージを打破したNHK版に奇妙な魅力を感じている。

原作の金田一は、米国放浪時に麻薬におぼれたり、
戦時中は中国からニューギニアまで転戦して部隊がほぼ全滅したり、
と波乱の半生を送ったキャラなので、むしろダークな一面がない方が不自然に映る。
なお、東宝版は「戦友に依頼された復員兵のさらなる依頼」で
金田一が島を訪れた、とワンクッション置いた脚色をしている。
東宝版はシリーズを通し、金田一から戦争の匂いを遠ざけるように努めた印象がある。

もっともハセヒロ金田一はこの1作品のみに終わり、
NHK版は「悪魔が来りて笛を吹く」(18年)「八つ墓村」(19年)
そして今年の「犬神家の一族」と「Drコトー」吉岡秀隆を起用した。
人当たりが良い金田一に回帰したフシがある。

ちなみに、4月放映の「犬神家」はリアル視聴こそしたが、
野々宮珠世の配役に違和感をおぼえ、ほぼ惰性で見る結果に。
いわゆる「衝撃のラスト」で、その配役にも意味があったと納得はしたが・・・
ただ、このラストの★★犯人説も、横溝ブーム最盛期の1978年に
「金田一耕助さん あなたの推理は間違いだらけ」という怪著で
言及されており、さほど目新しい説ではなかったことが残念だ。
「ジョジョ」「岸辺露伴」を手がけた小林靖子の脚本に期待をかけ過ぎたか。
「真犯人が実行犯を操る物語」はクイーン原理主義者のワタシの好みではあったが。

  • 夏の甲子園
大会9日目。2回戦が終了し、3回戦に進む16校が出そろった。
南北海道代表の北海は浜松開誠館を3対2で制した。
9回1死二塁の場面で左越えの一打。2戦連続のサヨナラ勝ちを遂げた。
この日は九州2校に明暗。神村学園が11対1で市立和歌山に圧勝した一方で、
鳥栖工が日大三に初回先制しながら1対3で惜敗した。
あすあさっての3回戦8戦は、優勝経験校対決あり、伝統校対決あり、
隣県対決あり、南北対決あり、となかなか面白いカードが並んでいる。