「二瓶魂」とは何か、と問われたら、以前にも紹介したこの台詞を挙げる。

危険なクマに単発の村田銃で臨み、必ず一発で仕留める心構えである。
実は他の漫画にも、印象深い「村田銃のクマ撃ち」が存在する。
矢口高雄「マタギ列伝」に登場する阿仁マタギ「野いちご落としの三四郎」
代表作「釣りキチ三平」でも三平と共演。アニメ(第100話)にもなった
150尺(45メートル強)離れた野いちごの付け根を狙い撃ち、
実を壊さずに落とすという超人的な技量もさることながら、
「アバラ三枚(クマの心臓の位置)を一発で仕留める」という美学が魅力的だった。
来たる広島戦も「一撃必殺」の姿勢が大事になる。
というワケで、本日は24日のアウエー磐田戦で先んじて目撃した「一撃必殺」を語る。

ワタシの磐田遠征は14年3月のJ2開幕戦以来となる。
スナマコの技ありFKと金山の神セーブでウノゼロ勝ちを遂げて、
「J2の優勝シャーレなんて捨てちゃえ!」と大暴言を吐いた
ゲストの磐田OBをへこませた痛快な記憶がある。
ちなみに、そのOBはほどなく監督に就き、翌年は2位昇格にうれし泣き。現在も監督を務める
ただ、早春の冷たい雨に凍えた思い出もあるので、
こんな小春日和の穏やかな日は神様の優しさが浸みてくる。薄紅の秋桜は見つからなかったが

東名道の足柄SAから望む富士山も、秋晴れの空にこの鮮やかさ。
敵地に向かう札幌サポのテンションを大いに上げてくれた。
まあ、それ以上にテンションを上げてくれたのは、SAの駐車場に停めてあった
「ラブライブ!サンシャイン!!」のイタ車だったが<聖地・沼津が近いからなあ

テンションを上げたままで、札幌ゴール裏の決起集会へ。
思いのほか、試合前に跳ねて声を上げてしまい、のどあめを忘れたことを後悔。

対する磐田サポは満場のサックスブルーで迎撃。ゴール裏には、その色をあしらった
ユニオンジャックやイングランド旗も。かつてジェイの応援に使ったものかな?
そのジェイのアナウンス時は「拍手9割・ブーイング1割」といった反応。
やはりヤマハスタジアムでは今もなお「英雄」なんだな、と実感した。
さて試合。前半は完全に札幌のペース。
磐田は「勝ち点1で残留」の状況からか、重心が後ろにかかり過ぎ。
川又ではなく大久保の1トップも災いしてか、前からガツガツ来ない。
加えて、前節のFC東京戦で復帰したMFムサエフが本調子にほど遠いプレー。
おかげで、札幌は早坂・菅の両ウイングがかなり前目に斬り込めたうえ、
「ニセCB」宮澤もボランチの位置に上がり、のびのびとパス回しに参加していた。
前半12分の先制点は確かに幸運だったが、このオウンを招いたDF高橋は
その5分前に、駒井の決定的なシュートをゴールライン上で弾き返してもいる。
短い時間帯に相手DFを自陣ゴールライン上に張り付けるほど押し込んだ、と言える。
1点リードで迎えて、磐田の反撃が予想された後半は、
来季の去就がいろいろ騒がれる選手2人が輝いた。
まず駒井。もちろん駒井自身も良いプレーを見せていたが、
ワタシが「お?」と思ったのは、13分の「深井⇔都倉」の交代。
深井はこの試合、宮澤のカバーをはじめ、守備面の貢献が大きく、
この時間に代えるほどの不出来には見えなかった。となると、
深井のヒザの状態を考えて、当初から「60分限定の起用」だったのでは?
その起用を可能にしたのは、ボランチもこなせる駒井の存在が大きい。
駒井が札幌の戦術の引き出しを格段に増やしている、と改めて実感した。
・・・まあ、この交代の直後に、危険な位置でFKを献上したが。
このFKがポストを叩いた場面が、札幌最大のピンチだったと思う。
この直後、札幌はUAE帰りの三好を入れて、追加点を狙った。
磐田も同じくUAE帰りの小川航、そして中村俊輔の「桐光学園コンビ」を
投入して勝ち点を奪いに出た。福森もいたので、ピッチ上は「桐光オールスター」の様相に
この勝負を制したのは札幌。手数をかけないカウンターから三好が一撃必殺の左足
目の前のミドルの美しい弾道は、帰路のクラシックの格好のつまみになった。
同時に「こんなゴールを決める選手を川崎が簡単に手放すワケがないなあ」と不安に。
「ビューティフルなゴール」(名波)「個の力を含めて4位にいるチーム」(俊輔)
してやられた格好の「元・A代表レフティ」の2人も称えるゴラッソだったし。
まあ、三好の来季を心配するのは「師走のクマ撃ち」を終えてから、ということで。
クマ撃ちの 遠州代わりに サンコウチョウ 一撃で狩り 手応え41(良い)ぞ
白星の後に最初に思ったのは「これで今季のベストゲームを二者択一にできる」
<昨季は残留を決めたアウエー清水戦しか勝ち試合を観戦できなかった
真面目な話、4月の柏戦とのチョイスはかなり難しい。うれしい悩みである。
ベストナイン発表。リーグを制した西武から6人が選出。
満票の浅村を含め、バッテリーと内野陣を独占した。
ソフトバンクは松田とギータの2人にとどまったが、松田の初選出を喜ぶ。