おかえりなさい・・・。・６

おかえりなさい・・・・６


明穂ちゃんの木人図は・・・・


透明「(な、何だこれ)」


明穂ちゃんの木人図に全く違う木人図が

重なってブレて視える


透明「(私も長年、人の木人図を視てきたが、

　　　これは流石に初めてだぞ・・・)」


私は、私から視て下の方になっている木人図に

アクセスを試みる・・・。


透明「(こっちが明穂ちゃん本人の木人図のはず

　　　だけど・・・んっこれって・・・・)」


明穂ちゃんの木人図は、ある特定の時期から

進んでいないように視える・・・。

つまり、ここが明穂ちゃんと玄馬さんの記憶が

重複したポイントになるのか・・・しかし

これはかなりマズイ状態とも言える

通常、木人図はその人の今の進み具合が見て取れる

しかし、ある一定の時期から明穂ちゃんは

自分の人生である木人図を進んでいない

そうなると、本来通るべき道を進むことが

できずに、時間だけが経過することになる

この場合、ある程度の間隔であれば補正効果が出て

時間を埋めることができるが、あまりにも

タイムラグが出てしまうと、もう補正効果もきかず、

戻ることができなくなってしまう恐れが生じる

そうなれば最悪は・・・強制終了

・・・う～ん・・・困った事になったぞ


明穂「・・・・。」

新保「・・・・・」


新保さんが手を合わせて俯いている・・・。

この親子の幸せの為にも、ここで何とかしなければ


透明「(とにかく今できることは全てやらなくちゃ

　　　次は、明穂ちゃんの木人図が停止した場所から

　　　玄馬さんの木人図にもアクセスしてみよう・・・)」


前世者の木人図・・・

つまり、死者の木人図に入るのは、実は

非常に苦痛を伴う・・・これは視えにくく

能力をかなり使わなければならないという

だけでなく、私の脳が一時的に拒絶反応を起こし、

割れるような頭痛を引き起こすからだ


透明「(・・・・くっ・・・始まった・・・)」


激しい痛みが頭全体に広がる

しかし、そんなことはお構いなしに

玄馬さんの木人図に潜入してゆく・・・。



透明「(・・・くっ凄いノイズ

　　　・・・・・・・・・・・・・・・

　　　・・・・・・・・・・・・・・・

　　　・・・・マジか・・・これは)」



玄馬さんの前世の記憶は、私が思っていた以上に

壮絶なものだった

あまり詳しい状況までは視れなかったが、

今から約300年前、武家の生まれだった玄馬さんは

頭も良く、剣術にも優れ、それなりの人生を過ごしていた、

しかし、３５歳の春・・・疫病が流行り、

妻や子供を亡くし、天涯孤独の身となる

そこからは、人が変わったように

何事にもヤル気を失い、５６歳の時に、

ヤクザ風の男たちに撲殺されている・・・。


透明「(ふ～っ

　　　んっ・・・あれさっき、若造とか

　　　言ってたけど、たいして変わらないじゃん

　　　ま、まあそれはさておき問題は

　　　この終わったはずの木人図に、続きとして

　　　今の記憶が更新されていることだ)」

つまり今の状況は非常にヤバイ状態ということ

終わったはずの木人図に新たな記憶が更新された

ということになる　魂は一緒と言えど、

これでは玄馬さんが明穂ちゃんの木人図を

乗っ取った状況と変わらない


透明「(こんなことがありえるのか)」



　　　　　　　　　　　続く・・・。

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