季節が秋っぽくなって、それまでの南風が北に回りはじめ、宮古島のダイビングは洞窟巡りシーズンに入る。
その中でも代表的なポイントが「魔王の宮殿」なのである。
爺の画策するイベントの一つが昨日実現した。
これを達成するのにはいくつか条件がある。
1.晴れた日の正午前後、太陽が真上に来るあたりに宮殿のホールに立てること。
2.宮殿の扉の近くに船をつけ、できるだけ無駄なエアを使わずに長い間潜水できること。
3.他の船のダイバーがいないのがベストだが、いても同時に宮殿内をめざしていないこと。
4.以上の条件を理解してくれる船長とガイドに恵まれること。
5.そして何よりここが肝心で、お供物が準備できていること。
その条件が昨日満たされた。
この穴から差し込む光が水深20メートルの海底に届くとき、儀式が始まった。
それはこの「魔王の宮殿」にあの銘酒「魔王」を奉納すること。
儀式は時を忘れて数分に渡り、ついにエア残量の危険を告知するホーンが鳴り渡った。
他のダイバーの邪魔をすることなく、エア切れまでは行かず、無事にイベントは終了したのであーる。
Dream Believer
協力いただいた皆様に感謝する。とりわけお供物提供者には、再度お願いする次第である。