最近、畑のはずれの林の中に妙な籠が吊り下げられています。
好奇心のかたまりを自認するものとしては当然ながら確認に赴くわけです。
すると
ウリミバエという害虫の再侵入を防ぐため不妊虫を放飼するための籠だったのですね。
籠の側面にはウリミバエが張り付いています。
体長は1センチにも満たない、ゴーヤ、スイカ、キュウリなどのウリ類だけでなく、トマト、ピーマンなどの多くの果菜類やパパイヤ、マンゴウなどの果実を加害するハエです。
このハエを1匹残らず根絶するために考えられたのが「不妊虫放飼」という方法です。
人工的にウリミバ工を飼育・増殖して、大量のサナギを生産し、このサナギに放射性物質コバルト60から出るガンマ線を照射することでオス成虫の精巣のみに異常を起こさせます(不妊化)。メス成虫は卵巣を破壊します。こうして作られた不妊虫を野生虫より多数野外に放つと、野生虫のメスは不妊虫のオスと交尾し、野生虫のオスとメス間で交尾する機会が減少します。また不妊虫と交尾した野生虫が産む卵はふ化しないので、次世代は育ちません。さらに、大量の不妊虫を継続的に繰り返し放ち続けると、野生虫間で交尾する機会はますます減少し、正常に繁殖できる子孫は次第に減り、最終的には根絶に至ります。(沖縄県hpより)
現在は根絶しているのですが、発生地域からの再侵入を防ぐため、宮古島では180ヶ所に設置されているそうでございます。
ウリミバエにとっては虚しい行為を続けることになるわけですね。
ウリミバエの憂鬱が人間にまで伝わらないように祈りましょう。