営業の出張はほとんど車です。東京からの帰り道など一人でもてあましますので、NHKのラジオ第二放送(教育放送)をよく聴きます。倫理や社会、歴史、古典など面白い番組があります。
5月の帰り、「漢詩をよむ」はとても興味深いお話でした。
楚国の文人宋玉(紀元前290年~222年)の詩「九弁」は、
「悲しいかな秋のきたるや しょうしつとして草木揺落して変衰す」
で始まります。どこにでもあるような秋を悲しむ詩です。
ところがあにはからんや、とても画期的な詩でした。宋玉の前に「秋を悲しむ詩」はありません。紀元前3世紀と言うと、日本はまだ弥生時代です。そんな時代に彼は「秋は悲しい」ことを発見し、詩に詠んだのです。今なら、ノーベル文学賞間違いなしでしょう。
万葉集には「秋の収穫を喜ぶ歌」はあっても、「秋を悲しむ歌」はありません。約千年後の平安時代初期、嵯峨天皇(786年から842年)時代に、この「悲秋」の感覚がたくさん日本に伝わり、やっと定着しました。
今でこそ、私たちがごく自然なものとして納得している「秋になると悲しくなる」という感覚は、もともと必ずしも日本人のものではなかったのです。
つまり、日本では平安時代初期から秋は悲しくなりました。
こんな話大好きです。だから、NHKラジオ第二放送は車中の友です。
今日から東京出張です。また楽しいラジオが聴けるでしょう。
参考 「漢詩をよむ 漢詩の来た道」(宇野直人著、日本放送協会出版)
これから先は宣伝です
造花のことなら、大阪で90年以上の歴史を誇る造花輸入問屋の(有)ニューホンコン造花へ。卸専門です。装飾造花、ギフト造花から菊、百合、樒(シキビ、しきみ)、榊(サカキ)など仏花、神様用造花まで扱っています。
(有)ニューホンコン造花のホームページです。
http://nhkf.jp
「元新聞記者が明かす 小さな会社 マスコミデビューの法則」(岡田 光司著、1500円 ISBN4-86000-104-4 C2034 ¥1429E)、梅田・旭屋書店で好評発売中
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今でこそ、私たちがごく自然なものとして納得している「秋になると悲しくなる」という感覚は、もともと必ずしも日本人のものではなかったのです。
つまり、日本では平安時代初期から秋は悲しくなりました。
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