高知発 NPO法人 土といのち

1977年7月に高知県でうまれた「高知土と生命(いのち)を守る会」を母体にした、45年の歴史をもつ共同購入の会です。

ソルティーブだより 9月7日記

2022-10-04 09:00:00 | 生産者からのメッセージ
黒潮町 ソルティーブの吉田拓丸です。

私達はその前身の
【生命と塩の会】より約36年間、
天日塩作りを生業としています。
元々は私の父と母が始めた事業ですが、
2014年に父が他界した事を機に、
私がその事業を引き継ぎました。
思えば、父と一緒に塩作りが出来た、
2009年~2014年の5年間は
とても幸せな時間でした。
母は今も元気に
事務方として活躍してくれています。

天日塩とは、
火力を使わずに
太陽熱と風の自然エネルギーを利用し、
ゆっくりと時間をかけて
海水から水分を蒸発させ作るお塩です。
日本は雨が多く、湿度の高い国柄ですので、
国産の天日塩はとても珍しく希少です。
しかしながら高知県は
全国的に見ても日照時間が長く、
また原料である美しい太平洋も、
それを支える清浄な河川も、
元気な山々も豊かで、
天日塩作りにはとても適しています。


そんな南国土佐の
豊かな気候風土、自然環境を
一粒一粒に込め、
それらを丸ごと味わってもらいたいという願いから、
私の父は自身の作る天日塩に
『土佐の塩丸』と名前を付けたようです。


生前、父がよく口癖のように言っていた言葉は
『塩作りはtechnologyテクノロジーじゃない、
philosophyフィロソフィーだ』というものでした。
もちろん天日塩作りの主役は
海や太陽や風などの自然ですが、
塩の成長のお手伝いに、
人間の手も重要な役割を果たします。
作り手の塩への向き合い方、扱い方、考え方の違いは、
出来上がりに大きく影響します。

私はこれかも父の言葉を胸に、
私だけの塩作りのphilosophy(哲学)を追い求め、
表現していきたいと考えています。


※ この記事は、NPO法人土といのち『土といのち通信』2022年10月号より転載しました。
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