台所でケイタの声がします。遊びに来たらしいです。
行ってみると
呆然と立つケイタの姿が。そして
「これ、ねじゅみのかわ?」
え?
台所には写真を撮ったあとのアケビがそのままにしてありました。
「ねじゅみのかわ?」
「ごめんごめん。お母さんがうそ教えたんよ。これはねえ、あけび。食べられるんよ。」と娘があわてて訂正してますが・・・
「ケイタくんに、なんて言ったの?」
「ねずみの開き。」
!!!
「だって、しっぽが長いネズミに見えるだろ?」
うん、見えなくもないか。
ケイタはまだ言っています。「ねじゅみのかわ?」
「これはねえ、くだものなんよ。甘いよ。食べてみる?」
わたしは実の一つをとりだしてぱくっと口に入れて見せました。
しかし、一度インプットされた情報はなかなか修正できないようで・・・・小さい子にうかうかと変なこと言っちゃだめよ。
説明しながら、ふと思いました。アケビって果物? 木になるものが果物だとしたら蔓は木なのか、草なのか? 西瓜やメロンは蔓になるけど野菜扱いです。農家では「果菜」と言っています。あれこれ考え出すとややこしいですね。
ともあれ、ケイタはおそるおそる種の部分を触って見て、柔らかくちょっとねとっとしていることは確かめましたが、ついに口には入れませんでした。
今年もアケビは大豊作で、二,三日前にすでに口が割れているのはわかってたのです。でも天気が悪かったり忙しかったりで見に行かなかったら、あらまあ、
いっぱい割れている。
で、割れているのを全部とってきて広げてみたのが最初の写真というわけです。
姿のいい、きれいなのを絵のモデルにしようかな、と思っていたのに、早起きの夫がさっさと人にあげてしまっていました。
もう~
いっぱいあるのに、あげてもよかろが。
もちろん、上げるつもりでいましたよ。そういうことじゃなくてねえ。1番いいのを上げただろ?
一番上にあったのを上げただけじゃ。
だからぁ、きれいだからつぶさないように上に置いといたの。
ああ、話がかみ合いません。
と言うわけで一回目の収穫はもうちょっとたくさんあったのです。
お花みたいねえ、とケイタが言いました。やっとネズミとは違うことをわかってくれたみたい。
リボンみたいなのもあります。
これなんかはまだ開いたばかりで皮を食べられるんじゃないだろうか。
こんなにたくさんあってもしょうがないので今年は皮もいろいろ食べてみようと思いました。
まず全部の実を取り除きました。
これは灰汁を抜くために一晩水につけておきました。なんと、なすびの灰汁を抜いたときのように水が茶色になりました。二,三回水を替えてかじってみましたが、まだ苦いです。この苦みをどうすべきか・・・・
ところで実の方ですが、シャーベットもできるらしいです。だけどこの大量の種を取り除くのが大変。わたしには根気が続きそうもないのでやめておきます。
見方によっては別のものに見えてきます。あえて何に見えるかは書きませんけど(笑)