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トラキチ酒場せんべろ屋 第29回

「ははは。楽勝やな」
「そやな。広島にやられたことをヤクルトにしとんねんから楽勝するわな」
「そやな、今のヤクルトに負けるようじゃあかんで」
「ひさびさの複数ホームラン、ひさびさの二けた得点やったな」
「ロジャースが2ホームラン5打点の大爆発やったな」
「なんか以前、輸入もんはいらんゆうとったんとちゃうんか」
「だれがそんなアホなことゆうてん。ホームランの威力はありがたいわ」
「それにきょうは、ホームランはロジャースだけちゃうで」
「そやった。福留も大山も打ったんや」
「うん。ベテラン、外国人、新人といろんなところでホームランが打てるのはええな」
「それにしても、秋山おしかったな。もうちょっとで完投完封やったのにな」
「ま、それは今度のお楽しみや」
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ワイルドターキーを飲む男

 エアコンが異音を発する。古いエアコンだ。もう寿命だろう。そろそろ買い替えが必要だ。それでもなんとか動いていて、いっしょうけんめい涼風を噴出している。
「もう少し冷房の温度を下げましょうか」
 鏑木が聞いた。
「これでいい」
 男は答えると、ワイルドターキーを飲んだ。一見の客だ。夕方、ふらりと海神にやって来た。
 ワイルドターキーの8年をボトルごと所望した。鏑木がキープできないことをいうと、それでいいという。ボトルをカウンターに置くと、あとは自分でかってにやる。と、いって飲みはじめた。
 ストレートでグイグイあおるように飲む。ワイルドターキーの8年ものはアルコール度数が50度。かなり高いアルコール度数である。そのウィスキーをストレートで何杯も飲む。かなり酒に強い男と見える。
「氷とチェイサーを出しましょうか」
 さすがに心配になって鏑木が声をかける。
「いらない」
 そういって、男はワイルドターキーを生(き)のまま杯を重ねる。ボトルの中身が半分近くなくなった。
 ボトルを傾けグラスにそそぐ。飲む。これのくり返し。酔っているようには見えない。首はしゃんと立っていて、視線は水平。海神のカウンターに座っているが、その視線の先ははるか遠くを見ているようだ。
 今夜は客は、この男ひとり。海神にとって、客がひとりというのはめずらしいことではない。しかし、一見の客でひとりというのはめずらしい。そして、こんな無口の客もはじめてだ。
 男にとって鏑木はいないのと同じ。彼はこのせまい空間にただひとりいるのだ。ボトルを傾けグラスにそそいで飲む。
 鏑木も男に、もう、話しかけない。
 古びたエアコンがたてる異音だけが聞こえる。あとは男がカウンターにワイルドターキーのボトルを置く音だけ。
 もう、どれぐらいの時間がたっただろうか。1時間はこえているだろうか。判らない。男がバーボンを飲む時間だけが流れている。
 ボトルを傾ける。グラスに半分ほど液体が流れ込んだ。ボトルの口から雫が1滴落ちた。空になったボトルを置く。グラスの半分の液体を飲み干す。
「いくらだ」
 男は鏑木のいった金額を置いた。そして店を出て行った。50度のバーボンを700ミリリットル飲んだ男だ。心配になって鏑木は海神から出て外を見た。シャッターが並ぶ夜の商店街には、人っ子ひとり歩いていなかった。
 店に戻った。ワイルドターキーの空びんだけがそこにあった。
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前立腺風雲録 第22回

 2016年6月15日、1ヶ月におよぶ入院を終え、六甲アイランド甲南病院を退院した。翌日、16日、外来で同病院の泌尿器科を受診する。この日は外来患者あつかいだから少々待たされる。診察を受ける。この病院での診察加療はこれで終わり。今後は小田泌尿器科に通院しなさいということ。
 6月17日。小田泌尿器へ初めて行く。JR六甲道駅の近く。血液採取をし、六甲アイランド甲南病院の紹介状を見てもらう。前立腺の肥大はかなり大きい。膀胱のためにも手術をした方がいい。手術を強くすすめられる。
 親戚に前立腺肥大の手術をした人がいる。その人にどうだったか聞く。その人は手術して良かったとのこと。私も手術する意志をほぼかためる。その人は県立西宮病院で手術していた。
 小田先生に「手術するとなると、どこの病院ですか」と聞くと、神鋼記念病院を紹介するとのこと。しらべると、この病院、前立腺肥大手術では兵庫県で2番目の実績。親戚が手術を受けた県立西宮病院は4番目である。こんな病院なら安心であろうと安堵する。で、いつ手術するかだ。手術時期は、諸般の事情をかんがみ先生と相談しながらおいおい決めるとする。なんせ小生、手術なるモノを受けるのは生まれて初めて。身体にメスを入れられるのは初めてである。そのことを先生にいうと、神鋼記念病院での手術はメスは使わない。ではナニで切るかというとレーザーで切るとのこと。マイクロサイズのジェダイが小生の体内でライトサーバーを振るうのかな。フォースとともにあらんことを。親戚の人の手術は電気メスだったそうだ。
 6月18日、六甲アイランド甲南病院の紹介状を持って冨田クリニックに行く。このクリニックは胃潰瘍持ちの小生にとっては、かかりつけの消化器のクリニックである。何度も胃潰瘍の出血で神戸中央市民病院に紹介され入院させてもらった。血液の採取。
 1週間たって両方の医院に血液検査の結果を聞きに行く。まず、小田泌尿器科。PSAが12。高い目である。この数値だと前立腺癌を疑うべき。8年前の針生検で癌の心配なしといわれましたが、とういうと。8年もたてばもう一度検査する必要がある。もちろん前立腺肥大でもPSAが高くなる。神鋼記念病院でMRIを受けることにする。
 冨田クリニックでは、まだ貧血は完全には治ってない。造血剤を処方される。
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トラキチ酒場せんべろ屋 第28回

「おもやん、ビールやビール」
「ああ、ワシもや。なにスーパードライ?」
「あかんあかん。あんなビールもどきの清涼飲料水。エビスやエビス」
「え、なに、エビスきらしてる。しゃあないな、ほんじゃスーパードライでも持って来て」
「そやな。乾杯すんのやったらエビスでないとあかんけど、完敗するのやからスーパードライでええ」
「あては、そやなお好み焼きがええ。え、大阪風豚玉?ちゃうちゃう広島風お好み焼きや」
「そんじゃ広島に乾杯」
「こら、きーこ、字がちゃうやろ」
「あ、そやった広島に完敗」
「広島に完敗」
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豆苗は二度楽しめる


 豆苗。とうみょうです。エンドウマメの若菜です。かいわれ、アルファルファ、ブロッコリーの若菜。同じような野菜がありますが、豆苗は私の好きな野菜です。この豆苗、二度楽しめます。上の部分を切って使うのですが、下の根っこの部分を水につけておくと、また芽が出てきます。写真は1週間ほどたった2度目の豆苗です。かいわれでも同じようなことをしましたが、かいわれはダメでした。
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トラキチ酒場せんべろ屋 第27回

「おもやん、ビールや」
「ワシも」
「え、あて。あ、それはあとでいうわ。とりあえずビール持ってきて」
「しかしなあ。せーやん。阪神強いな」
「負けてなにが強いねん」
「確かに負けたけどな、ちょっと前までは9対0で負けてたで。それが反撃して意地見せたやんか」
「そらま、そやな」
「お、ビールきた」
「ほなら、かんぱい」
「かんぱい」
「え、あて?やっこ、枝豆、唐揚げ」
「おまえ、いつもそやな」
「そや。ワテのビールのあての3種の神器や」
「しかし、岩貞が試合をぶち壊しよったな」
「そや、あとどないなんねやろ思うとったら、こりゃ、ひょっとすると逆転するんとちゃうかと思うたで」
「しかし、反撃が遅いわな」
「ま、しゃあないやん。反撃しただけでもエライと思うな」
「ま、そうかな」
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トラキチ酒場せんべろ屋 第26回


「久しぶりやな。どないしてたん。オールスター見てたんか」
「いいや。わしゃ、オールスターなんぞ興味あらへん」
「そやったら何してたんや」
「きょうは京都へ河鍋暁斎を見に行ってたんや」
「ふーん。で、いつも阪神見てる時間はどないしてたんや」
「そりゃあ、桂枝雀師匠のDVDを見てたわ」
「あんた、ほんま、上方落語好きやな」
「好きやで。そんで谷山浩子のCD聴いてたわ」
「へー、あんた谷山浩子も好きなんやな」
「そや。今年は彼女デビュー45周年やねん。で、こんなCD出したから、さっそく買って聴いてたんや」
「ほんで、きょうの阪神は見たな」
「もちろん。後半戦再開、首位攻防戦や。枝雀師匠や谷山浩子はちょっと横へ置いといて見たわ。放送がサンテレビで解説が福本さん中田さん。甲子園の阪神戦のテレビ観戦のひとつのスタンダードやったな」
「なんとか勝ったな」
「なんとかな。追加点とったらなあかんわ」
「しかし、西岡が戻ってきたら、糸井がケガ。うまいこといかんな」
「そやな。けど、年寄りが休んだら、席がひとつ開くから若手が出れるからええんとちゃう」
「そやな。西岡が1塁守るんやったら原口の出番あらへんしな」
「これでロジャースがでてきたらどないすんねんやろ」
「だからワシはゆうたやろ。そんな輸入もんはいらんと」
「ま、ともかく、1ゲーム縮まったやんか」
「そやな」

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京都へ河鍋暁斎を見に行ってきました。


 きょうは久しぶりのお休みです。京都へ行ってきました。祇園祭の山鉾巡行を見に行ったのではありません。私も関西人です。祇園祭の京都とルミナリエの神戸へ行くのが、いかに愚かなことかは知ってます。
 絵を見に行ってたのです。美術館「えき」KYOTOで開催されている河鍋暁斎展に行ってきました。この美術館は来るのは初めてですが、JR京都駅の駅ビルの伊勢丹の7階にあります。こじんまりとしてますが、行くには便利で、なかなかけっこうな美術館です。
 河鍋暁斎。圧倒されました。たいへんな画力です。ユーモラスなものからシリアスなものまで、いろんなモチーフの絵を軽やかに、確実な技術で裏打ちされた画力で表現されています。楽しい絵が多いですが、暁斎本人が一番楽しんで描いていたのではないですか。コワイ絵もありますし、それからスケベな絵もありました。
 暁斎を堪能したあとは、11階へ上がって、ゆば料理専門店松山閣でお昼をいただきました。名物ゆば桶つき彩京弁当です。なかなかおいしかったです。お昼ですが水分補給も忘れてません。予約してあったのですが、お店が用意してくれた席は窓際の絶景の席でした。目の前が京都タワー。中景に東西の本願寺。遠景は比叡山から愛宕山まで。京の街が一望できました。
 けっこうな絵を見て、おいしいごはんをいただいて、絶景の景色を楽しんで、じつに良い休日をすごしました。
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ビーフカツサンド


カツサンドです。でかいトンカツをはさんだカツサンドは元気が出ます。連日の猛暑で夏バテのムキもおられましょう。食欲ないし、さっぱりそうめんでもいただこうかしら。と、思っておられることでしょう。
 そうめんもいいですが、こんな時はこってり肉を食べてスタミナをつけましょう。トンカツのカツサンドもおいしいですが、ここは関西です。関西は牛肉文化圏です。ここは、ひとつ牛肉のサンドイッチをいただきましょう。ビーフカツサンドです。
 牛肉はヒレ肉を使いました。やわらかく食べやすいです。このヒレ肉を揚げてキャベツといっしょにパンにはさみます。がぶりとかぶりついて、パクパク食べて夏バテをぶっ飛ばしましょう。
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納豆うどん


 ワシは麺類が好きや。夏は冷たい麺がよろしおまんな。けんど、いつも素麺や蕎麦ばっかりやら飽きてまう。そんなわけで、今朝はこんな麺にしたで。納豆うどんや。
大昔、料理の鉄人なるテレビがあった。制作会社が野田昌宏大元帥の日本テレワークやったな。思えばなんともバブリーな番組であったわい。これに3鉄人なる料理人が出てくるが、そんなかで一番番組にはまっとったのは道場六三郎やった。この納豆うどんは道場のおっさんが納豆対決でつくっとったもんや。
麺は稲庭うどんや。ゆでるで。納豆は小ぶりのものが食べやすうてええな。んで、そばつゆに八丁味噌と味醂を混ぜる。ワシは夏場のつけ麺用のそばつゆは多めにこさえて常滑の壷に入れて常備しとる。こうしてそばつゆを常備しとると、麺以外にも煮物なんかの調味料に使えて便利やで。
こうしてでけた汁に納豆を入れる。お好みで辛子やしょうが汁を入れてもええな。あとは麺を盛り付け、シソの葉の千切りを天もりにしたらできあがり。うまいで。
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とつぜん対談 第102回 クマゼミとの対談


 二、三日前から、この方が鳴き始めました。やはり、この方の鳴き声がないと夏が来た気がしません。もう、そろそろ梅雨も明けるでしょう。本格的な夏がやって来ます。今回は夏の使者クマゼミさんが対談の相手です。

雫石
 あ、どうも。お久しぶりです。

クマゼミ
 ちょっと待ってください。まだ完全に眼が覚めてませんので。

雫石
 あ、はい。

クマゼミ
 う~ん。うっうっ。あ、眼が覚めた。

雫石
 あの、やっぱり、幼虫の時は眠ってるのですか。

クマゼミ
 う~ん。なんといっていいかな。幼虫の時は幼虫としての意識はあります。成虫になったら成虫としての意識が出てくるので、幼虫時代の意識は眠っていたように感じられるのです。

雫石
 ふ~ん。そんなもんですかね。私はセミになったことがないので判りませんが。

クマゼミ
 私は人間になったことがないので判りません。

雫石 
 ところで、数日前は少数のクマゼミさんが鳴いてましたが。

クマゼミ
 ああ、あれは先遣隊です。少数の先遣隊がまず、地上に出て、地上の様子を観察するのです。で、OKとなれば本隊が出てくるのです。

雫石
 先遣隊のセミはどうやって地下へ情報を送っているのですか。

クマゼミ
 秘密です。

雫石
 ところで、あなたちは1日中鳴いているわけではありませんね。

クマゼミ
 はい。私たちは朝のうちから午前中にかけてしか鳴きません。

雫石
 なぜ午前中だけ。

クマゼミ
 日中は暑いからです。

雫石
 へー。あなたたちも暑いのはダメなんですね。

クマゼミ
 そうです。鳴くのは私たちの仕事です。涼しいうちにその日のノルマを果たすのです。

雫石
 ここは関西の神戸です。昔はセミといえばジージーと鳴くアブラゼミがメインだったのですが。いつのまにかあんたたちクマゼミばかりになりました。やっぱり地球温暖化の影響ですか。

クマゼミ
 そんなことは私たちの知ったことではありません。

雫石
 あなたは日本最大のセミなんですね。

クマゼミ
 そうですか。シャーシャー。

雫石
 日本最大といわれてどうですか。

クマゼミ
 シャーシャーシャー。

雫石
 え、なんですか。

クマゼミ
 シャーシャーシャー。

雫石
 だめだな。クマゼミ語しかしゃべらなくなってしもうた。
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日本ショートショート出版史 ~星新一と、その時代~


高井信    ネオ・ベム
 
 ショートショート研究家の高井さんの大労作である。ショートショート愛好家として、このような本を出された高井信さんには、ねぎらいと感謝の言葉しか出てこない。
 起点を星新一がデビューした1957年とし、星が歿した1997年までの日本のショートショート関連の出版物が網羅されている。もちろん1997年以降もふれられているので、日本のショートショート研究のひとつの基準となる本であることは間違いない。
 特筆すべきは、その圧倒的な書影の豊富さである。すべてカラーで、数えてないが1000点以上になるのではないか。知らない本知ってる本、いろいろ出てきて、ながめているだけで楽しい。
 ショートショートを愛する者は、座右において、おりにふれて手にすべき本である。

 この本は自費出版。こちらから注文できる。

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前立腺風雲録 第21回

 自己導尿もだいぶん慣れてきた。多少、出血はするが、自己導尿を始めて日が浅い人はいたしかたないとのこと。おいおい出血もしなくなるだろう。
 入院して1ヶ月になろうとしている。そろそろ退院の算段をする必要がある。初めて外出許可をもらう。6月11日のことである。病院のまわりを1時間ほど歩く。暑いのにびっくりする。5月に入院して約1ヵ月。病院内はエアコンが効いていて室温はいつも一定。久しぶりに外気にふれて、気温の変化に驚く。
 6月15日に退院の予定となった。退院前日、外出して散髪に行く。ついでに書店に立ち寄り本を買う。この病院、六甲アイランド甲南病院は六甲ライナーのアイランドセンター駅に直結している。そこから六甲ライナーに乗れば、JR住吉まで10分ほど。1ヵ月ぶりに乗り物に乗る。
 住吉のジュンク堂に行く。その時買った本がこれ。久しぶりに乗り物に乗って病院から離れて外出。ジュンク堂で1時間ほど過ごす。活字中毒者としてはいやされる時間である。
 さて、15日になった。小生、今まで何度か入院したことがあるが、退院する日というのはうれしいものである。今までは胃潰瘍の出血での入院であったので1週間ほどの入院であった。それが、今回は1ヶ月の入院となった。しかも、最初は憩室の出血だから消化器内科での入院。途中から前立腺肥大による排尿障害。泌尿器科へと変わった。長期かつ波乱万丈の入院であった。退院がひときわうれしい。
 退院したあとも、消化器と泌尿器科の診断を受ける必要がある。消化器はかかりつけの冨田クリニックにかかるつもり。泌尿器は8年前は芦屋の吉田泌尿器科で針生検を受けたが、あそこは午後6時まで。会社をフライングぎみに飛び出してなんとか間に合う。もっと近く、遅くまでやっている泌尿器科を探した。灘区の小田泌尿器が良さそう。JR六甲道の近くだし7時30分までやっている。
 冨田クリニックと小田泌尿器科への紹介状と、自己導尿用の用具一式を持って、2016年6月15日に退院した。
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トラキチ酒場せんべろ屋 第25回


「お、雫石さん、きのうはどないしたんや。阪神の試合観てへんかったんか」
「うん。きのうの夜は出かけとった」
「どこいっとたんや」
「うん。梅田のな、ビール博物館にいっとったわ」
「へー、あのグラフロのか」
「うん」
「で、どやった」
「なかなかおもろいとこやったで。ただし、ちょっと高いで」
「どれぐらいや」
「二人でいったんや。ビール2本とアテ六つで1万円超えたわ」
「ふーん。で、きょうは弁当持ってきたか。お、うまそやな。なんか甲子園で食った、糸井嘉男超人オムソバ弁当にようにとるな」
「そや。糸井弁当や。きょうはワシの誕生日や。誕生日は阪神の選手にちなんだ弁当を作ってくれるんや」
「そうか。ええな。ところで阪神調子とりもどしてきたな」
「そや。2種類の勝ち方がでけるようになったな」
「まったく。きのう、あんた見てへんかったけど、圧倒的な打力で打ち勝った」
「試合は見てへんかったけど知っとる。今日は逆転して僅少差をリリーフで逃げ切った」
「そや。上本、大和がええ仕事しとやんか」
「この二人が仕事すると阪神強いな」
「あしたから休みやな」
「そやな」
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中央市場前のイオンを視察する


 小生の、こうしたらどうかという提言を無視してできた、中央市場前のイオン。6月30日に一部先行オープンした。このたび、オープンしたのは食品スーパーだ。小生、料理を趣味とするから、スーパーで食材の買物はよくする。で、小生の反対を押し切ってまでオープンしたイオン。いかなるモノか偵察に行ったしだい。
 最寄駅は神戸市営地下鉄海岸線中央市場前駅である。中央市場前を降りて改札を出たら、すぐ直結通路があって、地下鉄で行くには便利である。
 入り口の前でキヨモリくんががんばってはる。この近くには清盛塚があり、このあたりは平家恩顧の土地なのだ。よって、ここは平家郎党ならポイント5倍。源氏の末裔ならポイントなし(ウソ)
 で、中に入った。ものすごく広い。品物も豊富。中央市場直結というから、特に水産物を見た。期待したほどではなかった。切り身の魚がほとんどで、1尾丸ごとの魚は少ない。正直期待外れ。これなら芦屋のパルヤマトの水産物のほうがいい。
 小生、地下鉄海岸線で通勤しているので、会社帰りに立ち寄るには便利である。買物の選択肢に入れよう。

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