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とつぜん対談 第102回 クマゼミとの対談


 二、三日前から、この方が鳴き始めました。やはり、この方の鳴き声がないと夏が来た気がしません。もう、そろそろ梅雨も明けるでしょう。本格的な夏がやって来ます。今回は夏の使者クマゼミさんが対談の相手です。

雫石
 あ、どうも。お久しぶりです。

クマゼミ
 ちょっと待ってください。まだ完全に眼が覚めてませんので。

雫石
 あ、はい。

クマゼミ
 う~ん。うっうっ。あ、眼が覚めた。

雫石
 あの、やっぱり、幼虫の時は眠ってるのですか。

クマゼミ
 う~ん。なんといっていいかな。幼虫の時は幼虫としての意識はあります。成虫になったら成虫としての意識が出てくるので、幼虫時代の意識は眠っていたように感じられるのです。

雫石
 ふ~ん。そんなもんですかね。私はセミになったことがないので判りませんが。

クマゼミ
 私は人間になったことがないので判りません。

雫石 
 ところで、数日前は少数のクマゼミさんが鳴いてましたが。

クマゼミ
 ああ、あれは先遣隊です。少数の先遣隊がまず、地上に出て、地上の様子を観察するのです。で、OKとなれば本隊が出てくるのです。

雫石
 先遣隊のセミはどうやって地下へ情報を送っているのですか。

クマゼミ
 秘密です。

雫石
 ところで、あなたちは1日中鳴いているわけではありませんね。

クマゼミ
 はい。私たちは朝のうちから午前中にかけてしか鳴きません。

雫石
 なぜ午前中だけ。

クマゼミ
 日中は暑いからです。

雫石
 へー。あなたたちも暑いのはダメなんですね。

クマゼミ
 そうです。鳴くのは私たちの仕事です。涼しいうちにその日のノルマを果たすのです。

雫石
 ここは関西の神戸です。昔はセミといえばジージーと鳴くアブラゼミがメインだったのですが。いつのまにかあんたたちクマゼミばかりになりました。やっぱり地球温暖化の影響ですか。

クマゼミ
 そんなことは私たちの知ったことではありません。

雫石
 あなたは日本最大のセミなんですね。

クマゼミ
 そうですか。シャーシャー。

雫石
 日本最大といわれてどうですか。

クマゼミ
 シャーシャーシャー。

雫石
 え、なんですか。

クマゼミ
 シャーシャーシャー。

雫石
 だめだな。クマゼミ語しかしゃべらなくなってしもうた。
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