雫石鉄也の
とつぜんブログ
とつぜん上方落語 第20回 三十石
カミガタ星雲第3肢の恒星ミヤコは七つの惑星を持っている。そのうち生命が存在する星は、第4惑星フシミである。
惑星フシミは水もあり、大気、重力は地球型だ。太陽であるミヤコからの日射量も適当な量で、フシミはこの星域のハブ惑星となっている。ここから25光年離れた惑星イセ。そのイセにはカミガタ星雲のみならず、アンドロメダ星雲、銀河系など広く宇宙全域で信仰されているオイセサン信仰の中心地ナイグウがある。そのナイグウを参拝した人々は、フシミで旅の疲れをいやし、それぞれの故郷に帰っていくのだ。
フシミ最大の空港チュウショジマ。その空港のホテルにはたくさんの人たちが集まっている。
「では宿帳に記載しますので、お名前をいってください。では、そちらのお方から」
「リック・デッカート」「キムボール・キニスン」「アナキン・スカイウォーカー」「ノースウェスト・スミス」「田所優作」「犬神明」「ジョン・カーター」
「そちらのお女中は」
「デジャー・ソリス」「クラリッサ・マクドゥガル」「青鹿晶子」
「そちらのロボットは」
「C3PO」「アトム」「ウラン」「R2D2」「T-2000」
みんなはこのホテルで一泊。翌日、チュウショジマ宇宙空港には最新の恒星間旅客船「サンジュッコク」が係留されている。1000人の乗客を収容する、その白銀の「サンジュッコク」は太陽ミヤコの陽光を受けてメタリックに輝いている。
乗客全員が乗りこんだ。船はこれより、航路ヨドを通り3度のワープを経て、カミガタ星雲第7肢の恒星オオザカの第3惑星ハッケンヤへと向かう。
「反重力ジェネレータースイッチオン」
「スイッチオン」
「浮上用意」
「ちょっと待って」
「スイッチオフ。浮上中止」
「どうした」
「女性が1人乗り遅れた。乗船は可能か」
「可能だ。出発を20分遅らせる」
「乗客の皆さんにお知らせします。出発が20分遅れます」
「どうしたんだ」
「なんでも女が1人乗り遅れたらしいぞ」
「あ、CAさん。ここ空いてますよ。その女性、この席にどうですか」
「おまえ、その女知ってるのか」
「ああ、さっきちらと見た。えらいべっぴんやで」
「さあ、この席にどうぞ」
「はいはい。親切なお方」
「うわあ。えらいおばあさんや」
こうして乗客全員が乗り込んだサンジュッコクはふわりとその巨体を宙に浮かせた。フシミの衛星軌道まで来たサンジュッコクは、核融合エンジンに点火。2光年先のワープポイントまで一気に飛んだ。最初のワープ。実体化したのはヒラカタ星系である。実体化したサンジュッコクはこのヒラカタ星系でしばし停まる。船体のメンテナンスと乗員の休憩のためである。この時、もの売りの小型宇宙船がサンジュッコクに接舷。「くらわんか。くらわんか」とヒラカタの名物を売り歩くのである。
このあとサンジュッコクは2度のワープを経て、カミガタ皇帝タイコー陛下の治めるオオザカはハッケンヤまでの旅となる。
サンジュッコク夢の通い路なかばでございます。
惑星フシミは水もあり、大気、重力は地球型だ。太陽であるミヤコからの日射量も適当な量で、フシミはこの星域のハブ惑星となっている。ここから25光年離れた惑星イセ。そのイセにはカミガタ星雲のみならず、アンドロメダ星雲、銀河系など広く宇宙全域で信仰されているオイセサン信仰の中心地ナイグウがある。そのナイグウを参拝した人々は、フシミで旅の疲れをいやし、それぞれの故郷に帰っていくのだ。
フシミ最大の空港チュウショジマ。その空港のホテルにはたくさんの人たちが集まっている。
「では宿帳に記載しますので、お名前をいってください。では、そちらのお方から」
「リック・デッカート」「キムボール・キニスン」「アナキン・スカイウォーカー」「ノースウェスト・スミス」「田所優作」「犬神明」「ジョン・カーター」
「そちらのお女中は」
「デジャー・ソリス」「クラリッサ・マクドゥガル」「青鹿晶子」
「そちらのロボットは」
「C3PO」「アトム」「ウラン」「R2D2」「T-2000」
みんなはこのホテルで一泊。翌日、チュウショジマ宇宙空港には最新の恒星間旅客船「サンジュッコク」が係留されている。1000人の乗客を収容する、その白銀の「サンジュッコク」は太陽ミヤコの陽光を受けてメタリックに輝いている。
乗客全員が乗りこんだ。船はこれより、航路ヨドを通り3度のワープを経て、カミガタ星雲第7肢の恒星オオザカの第3惑星ハッケンヤへと向かう。
「反重力ジェネレータースイッチオン」
「スイッチオン」
「浮上用意」
「ちょっと待って」
「スイッチオフ。浮上中止」
「どうした」
「女性が1人乗り遅れた。乗船は可能か」
「可能だ。出発を20分遅らせる」
「乗客の皆さんにお知らせします。出発が20分遅れます」
「どうしたんだ」
「なんでも女が1人乗り遅れたらしいぞ」
「あ、CAさん。ここ空いてますよ。その女性、この席にどうですか」
「おまえ、その女知ってるのか」
「ああ、さっきちらと見た。えらいべっぴんやで」
「さあ、この席にどうぞ」
「はいはい。親切なお方」
「うわあ。えらいおばあさんや」
こうして乗客全員が乗り込んだサンジュッコクはふわりとその巨体を宙に浮かせた。フシミの衛星軌道まで来たサンジュッコクは、核融合エンジンに点火。2光年先のワープポイントまで一気に飛んだ。最初のワープ。実体化したのはヒラカタ星系である。実体化したサンジュッコクはこのヒラカタ星系でしばし停まる。船体のメンテナンスと乗員の休憩のためである。この時、もの売りの小型宇宙船がサンジュッコクに接舷。「くらわんか。くらわんか」とヒラカタの名物を売り歩くのである。
このあとサンジュッコクは2度のワープを経て、カミガタ皇帝タイコー陛下の治めるオオザカはハッケンヤまでの旅となる。
サンジュッコク夢の通い路なかばでございます。
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