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とつぜんコラム №195 2018年になすべきこと

 あけましておめでとうございます。新しい年、2018年が始まりました。ことしはいかなる年になるでしょうか。
 昨年、2017年は、二人の男に世界は振り回されました。世界、と
いうより、日本はといった方が正鵠を得ているでしょう。
 二人の男、トランプと金正恩の二人です。二人とも核とミサイルをふりたててチキンレースを繰り広げているわけですから、周辺の国にとってはたまったものではありません。この臆病者の二人はなにをそんなに恐れているのでしょう。金正恩はアメリカが攻撃してくる、トランプは金がアメリカ本土にICBMを撃ちこんでくる。それを怖がっているのではないでしょうか。しかし、北朝鮮はアメリカ人を一人も殺していないし(公式には)、アメリカは北朝鮮人を一人も殺害してません。双方とも、攻撃してくるに「違いない」「もし」攻撃してきたら。攻撃の「兆候」が見られる。「違いない」「もし」「兆候」といった、憶測で恐がりあっているのですね。ですから、アメリカ、北朝鮮の双方に、恐くない、大丈夫、と確約させれば、矛を収めるかと思います。ですから、今年、2018年は、恐怖と対立から、安心と理解が、この2国間、のみならず全世界に広まることを願わずにはいられません。
 国内に目を向ければ、日本の企業の劣化が進んでおります。品質第一で誠実な風土が一番のセールスポイントだった、日本の企業。これが大きく揺らいでおります。日産の無資格者検査。神戸製鋼、三菱マテリアルのデータごまかし。さらには、あの福知山線脱線事故の教訓をいかしていないJR西日本の新幹線台車亀裂。ほんとういうと、北朝鮮のミサイルなんかより、これこそが本当の国難ではないでしょうか。死に至る急性の病気なら、本気になって治療に取り組むでしょう。でも、いま、日本の産業界に蔓延している、この病気はゆっくりと進行する慢性の病気です。放置すればこの国はいずれ死にいたります。
 昨年は上記に挙げた企業での劣化が発覚しましたが、今年は、さらに、もっと多くの企業で、より深刻な病気がでてくるでしょう。少し前までは、確かに日本の企業は、品質、信頼性ということにおいては、世界でトップクラスでした。TQC活動に取り組み、あるいはISO9001取得に向けて、全従業員が一丸となって、自分たちがつくる製品、提供するサービスのさらなる向上をめざして、がんばっておりました。
 国際競争力を高めることを、至上目標と定めて、品質向上とコスト削減に励んでおりました。品質向上は達せられました。今でも日本の工業製品の品質性能は世界のトップクラスです。ところが価格競争に負けまいとして、コスト削減が品質性能の向上よりは上位になったのです。
 日本の製造現場ではコスト削減。それがなによりも優先するようになったのです。下請け企業への採算を度外視した発注。より安価な部品を調達して製品を組み立てる。無理なリストラによって、必要な人員まで解雇してしまい、未熟な労働者による作業。少ない人員でより多大な仕事をこなすため、過重な時間外労働。かような重篤な症状が日本の企業に発症し、いま、この国の産業は重い慢性の病に罹患しているのです。
 新しい年になりました。日本の産業界は原点に立ち戻り、誠実な製品造りにいそしむべきでしょう。とりあえず、この慢性の病気の治療にとりかかるべきです。
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