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とつぜんコラム №135 インターネットは地球の神経

 1985年。阪神タイガース日本一の年だ。今から27年前である。この27年の間にいろんなことが変わった。世界も変わったし日本も変わった。社会も変わった。小生もそれなりに馬齢を重ねつつ変わった。ゲキドウの時代であった。一番変わったのは、やはり情報通信の分野であろう。インターネットの出現は功罪ともに社会に大きく影響を与えたのではないか。
 小生は、こうしてブログを開設しているのだから、インターネットには常日ごろ接しているわけだ。もちろん、ブログの閲覧や記事を書く以外にも毎日パソコンを使っている。会社での仕事にもパソコンは使う。社内に回す書類の作成や、物品の仕入先への発注もメールで行う。パソコンのCRTに文字を書かない日はない。
 小生は、若いころコピーライターをした経験がある。そのころは原稿は紙の原稿用紙に手書きだった。判らない漢字を書く時は辞書を引いた。意味の記憶があいまいな言葉は広辞苑にあたった。ところが、今は、かような辞書辞典のたぐいは使わない。誤変換にさえ気をつければ漢字を間違うことはない。判らない言葉も検索にかければ簡単に判る。「文を書く」という作業を行うにおいて、最も変わったことは、辞書辞典を使わなくなったということだろう。ほんとうは、ワードや一太郎(特にワード)の辞書を鵜呑みせず、きちんと紙の辞書をひも解くべきだろう。また、ウィキペディアなんぞをあてにせず、判らない文言は広辞苑でも見るべきだ。とはいいつつも、かような手間はつい面倒くさがる。モノを書く人間として自戒すべきだと思うが、インターネットの便利さは、そんな小生のごとき軟弱な自戒など軽がると粉砕してしまうのである。
 このように、小生のごときいち市井の人間の文章書きという、極めて限定された物事でも、インターネットは多大な影響を与えたのである。世界に社会に与えた影響は計り知れない。最近の中東の政変はインターネットぬきには考えられない。
 このインターネットを悪用した事件も起きている。記憶に新しい所では、大阪市や横浜市などのホームページに犯罪予告をしたとして4人が逮捕され、誤認逮捕と判って警察が4人に謝罪するという事件が起きた。真犯人は4人のパソコンを遠隔操作して、4人になりすまし犯行におよんだというわけ。無実の4人のパソコンにウィルスが感染して、真犯人に操られたらしい。どうも、無料ソフトをダウンロードした時、ウィルスに感染したらしい。
 小生は無料ソフトのダウンロードはしない。必要なソフトは有料でCDの形で購入する。インターネットの発達で、違法適法色んなソフトが無料で手に入るようになった。昔からタダほど怖いものはないという。インターネットの世界でも同じであることが、証明された事件だ。 
 昔はスケベな映像を観ようと思えば、映画館に日活の映画でも観に行けなければ観られなかった。映画館の入り口でだれかに見られていないだろうか、キョロキョロしながら映画のキップを買った。
今は自宅でぬくぬくと、インターネットでお手軽にスケベな映像が観られる。ところが、かような映像を観ていると、思わぬ金額が請求されて驚いたりする。もちろんこんなものは詐欺だから無視すべきだが、人にスケベと知られたくない、後ろめたさか、被害にあうご仁もいるとか。
 このような卑俗な例から、大きくは一国が一国に対してサイバー攻撃をかけるなど、インターネットの功罪の罪は様々だが、この便利なものを手に入れた人類は、もう手放すことはないだろう。
 地球という惑星をひとつの生命として見るガイア理論なる考え方がある。地球の自然環境は、気象、海洋、生物全部が有機的にからみあっていてひとつ大きな1体のいきものとして見る。それぞれの科学のジャンルを部門別個別に思考研究観察するのではなく、巨視的に全体を見ようというもの。
 近年、この地球といういきものに、人類という新たなファクターが加わった。いきもの地球を考えるにおいて人類を抜きには考えられないほど巨大な存在となった。その人類も、原初は小さな集落の小集団であったのが、村を作り、町を作り、都市を作り、それらが統合されて国家となった。複数の国家がそれぞれ覇を唱えていた。ところが最近、この地球に国家間を結ぶ神経ができた。インターネットという神経が。脳を中心とした人体の各部各臓器各組織を神経で接続されているように、いきもの地球の人類という臓器を接続する神経ができたのだ。

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