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東大に合格すれば54万円

 もし小生の出身高校の同窓会が、こんなことをすれば、小生はただちに同窓会を脱会する。バカの仲間と思われたくない。この同窓会の役員には会計監査がいないのか。いたらなぜこんなバカな金の使い方を止めなかった。
 茨城県の某県立高校。この高校の同窓会が、卒業生で東大に合格すれば、1年分の授業料にあたる54万円を同窓会費から支給する。
 この高校、地元の伝統校。昔は地域で大学を目指す子はみんなこの高校に入学した。ところが、最近は、成績の良い中学卒業生は、他の地域の高校や都内の私立の高校へ行く子が増えてきた。そこで優秀な生徒を集めるために同窓会がこんなことを考えたわけ。
 なぜ東大なんだ、との問いに同窓会長は「大学名を明示した方があとあとまでもめない」もうもめているじゃないか。新聞ダネになるのだから。
 それにしても、ほんと、なぜ東大なんだ。だいたいが東大に行くような子は裕福な家の子弟が多い。子供を東大に行かせようと思えば、塾だなんだと大きなお金がいる。そんな裕福な家の子に54万円をやるぐらいなら、東大志望ではないけれど、家の経済状態で進学が困難な生徒に支給する方がいいだろう。盗人に追い銭的バカな金の使い方だ。
 絵の才能があり、本人も絵の勉強がしたい。でも家が貧乏。そんな子が芸大に合格すればお金をだせばいいだろう。
 クロマグロが食べられなくなる。しかし希望がある。近大の水産学科がクロマグロの完全養殖に成功した。この高校の生徒がこのことを知って、日本の水産業の将来を憂い、近大の水産学科に進学したいとおもったら、近大に合格すればお金をだせばいいだろう。
 東大法学部を出てアル中になって財務大臣になって、外国で酔っぱらって恥をさらしたご仁もいた。
 もし小生がこの高校を卒業して東大に合格しても、そんな金はいらない。そんな金をもらえば、同窓会に借りができ、一生同窓会のひも付きになってしまうではないか。同窓会の犬になるのはごめんだ。
 ともかく、この同窓会の所業に生徒に対する愛情が感じられない。あるのは、大人たちの名誉欲と自分の出身校の体面だけだ。
 お金の使い方を知らんバカもおるもんだ。
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とつぜん対談 第13回 ナットとの対談

 今日の対談の相手は大変に口数が少ない方です。機械の整備関係のお仕事をなさっておられます。縁の下の力持ちのお仕事です。寡黙に黙々と日々の仕事をしておられます。

雫石
 こんにちは。きょうもお仕事ですか。

ナット
 ・・・・・・。

雫石
 毎日ごくろうさまです。あなたが影で支えているから機械がちゃんと動くのですね。

ナット
 ・・・・・。

雫石
 もう何年この仕事やっておられます。

ナット
 18年。

雫石
 18年も!長い間には色々あったでしょう。

ナット
 ない。

雫石
 お仕事やってて報われたと思う時はいつですか。

ナット
 ・・・・・・。

雫石
 大切なお仕事ですから、お給料もたくさんもらっておられるでしょう。

ナット
  少ない。

雫石
 少ないって、どれぐらいですか?

ナット
 ・・・・・。

雫石
 生活苦しいでしょう。

ナット
 苦しい。

雫石
 やってられませんね。

ナット
 オレの仕事だ。

雫石
 引退を考えたことは?

ナット
 ない。

雫石
 お疲れではないですか

ナット
  ・・・・・・。うう。

雫石
 あ、ナットさん、急にどうしました。

 凸山市の凹電力凸原発2号機の冷却水循環用ポンプのシャフトを支えるナットが急に脱落。原子炉内部に水蒸気が充満。炉内の圧力が高まっております。水蒸気爆発は避けられない状況になりました。爆発すると大量の放射能が周囲に飛散して、甚大な被害が予想されます。
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浅倉久志氏ご逝去の報に接する

 翻訳家の浅倉久志氏がご逝去された。日本での英米SFの翻訳紹介では、伊藤典夫氏とともに2本柱ともいうべき存在の翻訳家だった。伊藤氏が先鋭的なSFを紹介翻訳するのに比べ、浅倉氏は広く深く長く仕事をされる翻訳家だった。海外SFを日本語で読もうとすれば、原作のできもさることながら、翻訳のできがものすごく重要。早川書房で成功するまで、海外SFの紹介普及がなかなかできなかったのは翻訳のまずさが大きかっただろう。SFの発展には作家もさることながら、翻訳家の存在も非常に大きい。浅倉久志氏を翻訳家に持ったことは日本のSF界にとって非常に大きな力となった。浅倉氏の翻訳であれば、それだけで/それだから/それだからこそ、そのSFは安心して読めた。
 小生は、直接言葉を交わす機会には恵まれなかったが、SF大会などのイベントでは、何度かお見かけした。
 小生にSFの楽しさを伝えてくれえた先輩が、またお一人なくなった。さみしいかぎりだ。

 浅倉久志氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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