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10月17日(水) 最短のキャッチフレーズ

 
 印刷媒体の広告は、キャッチフレーズ、ボディコピー、写真あるいはイラスト、商品名あるいはキャンペーン名ロゴ、企業など広告主ロゴ、などで構成される。これらすべてが入っている広告もあるし、ビジュアルにキャッチフレーズだけのシンプルなものもある。
 シンプルな広告といっても絶対に必要なモノがある。なんにもない広告をうって、どうだシンプルだろうと自慢しても、新聞や雑誌の紙面に白い空間ができるだけで、印刷ミスと思われるだけである。
 まず、広告主名。これは絶対に必要。ないと誰が広告を出したのか分からない。次に商品あるいはキャンペーン名。これもいる。何の広告か分からない。もう一つ、キャッチフレーズ。これもぜひ必要。これがないと何をいいたいのか分からない。以上、この三つは印刷媒体の広告に必要。
 で、キャッチフレーズ。これは文字で表現できればどのようなモノでもかまわない。ここは日本で広告ターゲットの大多数が日本人だから日本語で表記されているが、場合によっては英語でも中国語でもスワヒリ語でもかまわない。ヒッタイト文字でも神代文字でもかまない。ただしターゲットが理解できれば、という条件付だが。ターゲットが一人もわからないキャッチフレーズは、キャッチフレーズというよりビジュアルの1種と解釈すべきだ。
 キャッチフレーズにも色々ある。名作とされているのは

トリスを飲んでハワイへ行こう      サントリー
恋のミルキーオレンジ          資生堂
こんにちは土曜日くん          伊勢丹
おしりだって洗ってほしい        TOTO
愛のスカイライン            日産自動車
モーレツからビューティフルへ       富士ゼロックス

 などなど。中にはこんな長いのもあった。

俺たちはアーミーを着ていても丸腰で戦うんだ    ラングレー

 ジーンズのキャッチフレーズである。逆に短いので印象に残っているのが

アサヒスタイニー、ア   アサヒビール

 アサヒビールがミニサイズの瓶ビールを新発売した時のキャッチフレーズである。この場合、この文字列が1行に表記されていたから「アサヒスタイニー」は商品名ではなく、キャッチフレーズの一部と見なすべきではないか。
 そして最短のキャチフレーズがこの写真。グリコのプッチンプリンの広告である。この「プ」がキャッチフレーズ。これ以上に短いキャチフレーズはない。こんな小さな広告だが広告主、商品名、キャッチフレーズがちゃんとある。
この「プ」を書いたコピーライター。なかなかのコピーライターとお見受けする。凡百のコピーライターにはこんなコピーは簡単には書けない。書けてもクライアントに提案する度胸はない。


星群の会ホームページの雫石鉄也担当コラム「SFマガジン思い出帳」が更新されました。
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