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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン


監督 松岡錠司
出演 オダギリジョー、樹木希林、内田也哉子、松たか子、小林薫

 1960年代。九州。ボクの両親は、何をしているのか分からないオトンとしっかり者のオカン。オトンは時々家にやって来てボクに絵を教えてくれる。ボクも絵の好きな子供だった。
 オトンに見切りをつけたオカンはボクを連れて炭鉱の町筑豊の実家へ帰った。オカンはボクを女手ひとつで育ててくれた。貧乏なオカンは全財産をはたいてボクを美術の高校に行かせてくれた。大学も東京の美術大学に行かせてくれた。まじめに勉強せず、卒業しても定職につかず自堕落な生活を続けていた。それでもオカンはボクに金を送り続けてくれた。
 そんなボクにも恋人ができ、イラスト、コラム、ラジオの仕事が入り始め借金を返済。生活も安定してきた。ボクはオカンを東京に呼んでいっしょに暮らし始める。
 映画のタイトルの「東京タワー」とは東京のシンボル。と、いうより都会のシンボル。だから大阪に出てきた人にとっては通天閣だし、神戸にでてきた人にとってはポートタワーだ。
 田舎から裸一貫で都会に出てきて、がむしゃらに働いて一代で大企業を創る。という立身出世物語は数多ある。しかしそんな話はこの現代では、なにかやましいことをしているに違いないと思われて白けるだけ。精錬潔白でそんな大企業が創れるはずがないから。
 この映画の主人公「ボク」も田舎から都会に出てきた。ところが大きくなってもオカンのスネをかじる。大学を卒業してもまともに働かない。立身出世男と「ボク」では、「ボク」の方により親近感を感じる人の方が多いだろう。だからこの映画は「ワタシ」の話であり「アナタ」の話でもある。
 オカンは日本人の死亡原因第1位の癌で死ぬが、別に凄まじい闘病生活を送るわけではない。普通の闘病をして、普通に抗癌剤治療を受けて普通に苦しみ普通に亡くなった。
 20世紀後半から21世紀にかけてのごく普通の日本人のごく普通のドラマ。鏡のような映画である。スクリーンに映っているのは「ボク」であり「ワタシ」で「アナタ」なのだ。
 
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10月29日(月) 阪神タイガースの補強

 阪神タイガースの今シーズンの成績は3位。12球団で最低の貧打線。規定投球回数に達した投手が一人もいない。得点より失点の方が多い。これでセリーグ3位は上出来といってもいいだろう。これはひとえに中継ぎ抑えといったうしろで投げる投手のおかげといってもいい。
 セリーグの覇権奪回と85年以来の悲願の日本1を達成するために、大幅な補強が必要なのはいうまでもない。補強のポイントは先発投手と打線。
 先発投手。これは井川が移籍した時点から分かっていることで先発投手の補強に関しては小生も異存はない。
 問題は打線。球団は長距離バッターを欲しがっているようである。これには小生は反対。長打一発の魅力は小生も認めるが長打は確実性がない。確実に1点を取りに行く野球を目指すなら、長距離バッターよりも足の速い3割バッターが必要である。2塁打を打つ2割7分ぐらいのバッターより、単打ばかりでも3割を打てる俊足バッターの方が勝利に貢献すると思うが。
 長打は水物。単打は好打者なら、打とうと思えば10本に3本は打てる。そして盗塁すれば2塁打と変わりがない。
 もし、ここに85年当時のランディ・バース一人と赤星二人がいれば、赤星二人を取るべきである。一発攻勢よりもつなぎの野球を目指すべき。

 ところで話ががらっと変わりますが、ちょっとだけ宣伝させてください。小生の古くからの友人で星群の会出身の菅浩江氏が、東京創元社から新作を出版します。それに関して京都でサイン会を行います。ご都合のつく方はどうか行ってやってください。
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