トシの旅

小さな旅で学んだことや感じたことを、
まとめるつもりで綴っています。

私の好きな街7  馬籠・妻籠

2010年06月19日 | 日記
木曽路の宿場町でもっとも知られているのが馬籠と妻籠、中山道で、江戸日本橋から42番目と43番目の宿場町です

初めて訪ねたのは、40年前でした 当時、私は、愛読していた「ハイカー」(山と渓谷社刊)を手に
各地の町並みを少しずつ歩いていました 写真が掲載されていた、「い古まや」(生駒屋)の前から見た妻籠宿の風景をぜひ見てみたい! それがきっかけでした



暇がたっぷりあるのに、貧しかった学生時代 どこへ行くにもまずバイトで、資金を貯めるまでにかなりの時間が必要でした やっと旅に出られたのは、日も短くなった晩秋の頃だったように思います

40年前と同じように、中津川駅から、バスで馬籠に入りました 5年ほど前のことでした

40年前も、藤村記念館のある旧馬籠宿本陣のあたりは、「山の中である」という言葉にふさわしくないような
洗練された雰囲気がありました
   
今も基本的な部分は変わらないのですが、すっきりとした、「都会的」という表現に近い、しゃれた町だと感じました
 
石敷きの旧街道も、枡形の石段や水車、旅籠の建物も高札場も・・・・・何もかも・・


40年前は、馬籠に着いてほどなく日が暮れたよう感じました 馬籠峠にむけて街道を登っていく途中にあった民宿に入りました 泊まり客はもちろん私だけでした 当時まだたくさん残っていた、板敷に石をのせた屋根の農家風の民宿でした 馬小屋だったと思われる納屋にあった、五右衛門風呂に入りました
おかげさまで 往事の宿場町の雰囲気を、十分楽しむことができました

40年前は、翌朝、馬籠峠を越えて妻籠宿まで街道を歩きましたが、このときは、馬籠峠からバスで妻籠宿をめざしました 

妻籠宿では、やはり「い古まや」です 「い古まや」の看板も、桐の木?(葉っぱの形状からそう思うのですが)も昔のままでした 40年前にも、この旅籠の2階に宿泊者がくつろいでいて、ずいぶんうらやましく思ったものでした
 

妻籠の「い古まや」あたりは、間口の狭い家が街道沿いにびっしりと並んでいます もちろん、奥行きはしっかりあるのですが・・・

私は、この松代屋からの街道の姿も気に入っています 松代屋は、文化元(1804)年創業の中山道屈指の老舗宿とのこと 大部分が当時のままだそうです
 
板敷き石置き屋根の建物も、復元されています やはり、木曽路、おみやげも木製品が多いですね


街道をさらにさかのぼると、間口の広いどっしりとした感じの民家が目立つようになります

写真の中央の妻籠宿本陣、右の脇本陣も復元され展示館になっています
  

妻籠に宿場町らしい魅力を強く感じるのは、江戸時代後期の宿場町を保存し復元した、人々の努力のためだと思います 本陣も、脇本陣も、そして高札場も、水車小屋、枡形、常夜灯も・・・・  かつての姿を見事に表現してくれています
   
 

主要な交通路を外れた馬籠や妻籠でしたが、近代化への動きの中でも消滅することなく、多くの人々に注目され、たくさんの観光客を集めているのは、宿場町にこだわったまちづくりに努力してきたからだと感じたものでした