鳥キチ日記

北海道・十勝で海鳥・海獣を中心に野生生物の調査や執筆、撮影、ガイド等を行っています。

141206 十勝川ワシ観察クルーズ

2014-12-17 11:52:09 | 鳥・冬

All Photos by Chishima, J.
青空に柱となって舞うオオワシ 以下すべて 2014年12月 北海道十勝川中流域)


 本日のお客様4名は、いずれも地元十勝の方々。乗船前にお話していると、「帯広の近くでオオワシが見られるなんて…」とのこと。そうなんです。わざわざ遠出しなくても、帯広から半日程度の範囲でワシもタンチョウも楽しめるんです。
 まずは出艇地点近くの陸上からオオワシを観察。近すぎず遠すぎずの距離で表情や爪を含む詳細を堪能した後は、いざ川へ。冬にしては珍しく細波の一つも立たず、陸上の風景を水鏡に映した川面を滑るように下るだけで、俗世間から切り離されたような、スペシャルな感じに包まれます。
 オジロワシやカモ類、セキレイ類などを見ながら放談を楽しんでいると、河畔林から飛び立って旋回・上昇を始めたオオワシが1羽また1羽と数を増し、最終的には10羽が「ワシ柱」を作っていました。この時期の十勝川中流域には30羽以上のオオワシが飛来しているとはいえ、このクルーズでのこんな出会いは初めてで、参加者もスタッフも大興奮!!そして青空を背にしたオオワシの美しいこと。半口を開けての「すげ~、すげ~…」以外に言葉が見つかりませんでした。

真上を飛ぶオオワシ・成鳥
くさび形の尾羽の形状がよくわかる瞬間。



 オオワシが一段落した後は、オジロワシのつがいを至近距離で観察でき、終点間際でも若鳥がサケを、カラスやトビと争いながら食べるシーンも目撃するなど、ワシ類の連続に、寒さを感じる間もない一時間余りでした。
 いよいよワシ類も増えてきて、これからピークを迎えることと思います。川面という非日常空間から雄大なワシ類はじめ水鳥や小鳥、その時々の気象や川の条件が織り成す景観を楽しむことのできる十勝川ワシ観察クルーズに、是非お越し下さい。ただし、ワシ類への過度の負荷を避けるため、水、土、日の週3日の運航としておりますのでご理解・ご協力をお願いいたします。十勝川ワシ観察クルーズの詳細については、十勝ネイチャーセンターのHPを参照下さい。


河畔林に止まるオジロワシの成鳥



(2014年12月6日   千嶋 淳)

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