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トッポパパのメランコリー、 その27 『術後1年検診.............骨化の進行は?』

2010年08月07日 | トッポパパの後縦靱帯骨化症(OPLL)闘病記
トッポパパが昨年5月の海外出張中に、身体の痺れと激痛に突然襲われ、途方にくれて帰国しました。
いろいろな検査の結果、特定疾患(後縦靭帯骨化症、OPLL)と大学病院で診断され、7月後半に頸椎の大手術を受けました。
この病気の原因はまだ特定されていないので、現在でも難病指定とされています。
トッポパパの術後経過は予想以上に順調で、リスクの高い手術ではありましたが、その選択も正しかったと感じながら1年が経過しました。

現在は、ごく軽い痺れが左手に残る程度で、何の不自由を感じることなく日常生活に送っています。
ただ、病巣である頸椎の靭帯の骨化部分を取り除く手術ではなく、脊髄(中枢神経)の圧迫を取り除くため、頸椎を広げる手術でした。
問題は頸椎のスペースは広くなったが、圧迫され続けた中枢神経はどうなったのか?、骨化の進行状態はどうなっているのかが、気がかりな1年でもありました。
大学病院へ足を踏み入れると、ちょうど入院時と同じ季節なので、ジージィーとなくセミの音を聞きながら、もう1年が経ったのかと感慨無量でした。

トッポ、『お帰り、どうだった? 大丈夫?』



大学病院は2月の7ヶ月検診以来でしたが、相変わらず多くの患者さんが早朝より診察待ちで混雑していました。
朝7時前に家を出たのですが、重症患者さんの診察が長引いたのか、昼過ぎの診察になりました。
名前を呼ばれて室内に入ると、7月22日に検査したデータを前に、お医者さんがMRIの画像をじっと精査しています。

トッポパパ、『ところで、どうでしょうかね?(ちょっと緊張気味で)』
ドクター、『画像を観てください。 非常によくなっているようです。』

トッポ、『じゃぁ、よくなったんだね!』



今思い出すのは、最初に病院長の診察を受けた時、教授がMRI画像を観ながら『これは、立派な骨化だね....』と、つぶやいたことでした。
今回、術前と1年経過の画像を比較をするということで、二つ並べて説明を受けました。
画像はドクターからいただいたコピーをスキャンしたので、鮮明ではありませんが比較はできるようです。

左の画像で、真ん中より下にかけて、電車の線路のような白い線が観えます。
この辺りは胸椎にあたる部分で、白い部分が髄液で、髄液に囲まれて保護されている黒い部分が、頸髄(中枢神経の束)です。
白い2本線の外側の黒い部分が靭帯で、その外側が頸椎(胸椎、腰椎の順です)になります。
一般的には、頸椎(靭帯も含めて?)の内径は16mmぐらいのようで、中枢神経の束の外径は12mmぐらいと聞きました。(もちろん個人差はあるようです)

白い電車道の上の方に目を向けると、急激に黒い部分が圧迫されて細くなっています。
白い線もほとんど見えない(髄液で保護ができていない)のがわかります、そしてその外側の黒い部分(靭帯)が太くなり中枢神経の束を圧迫しているのが分かります。
ここが骨化した部分です。
中枢神経はチューブのようなものですので、断面図では分かりにくいのですが、たぶん一番細いところは半分ぐらい狭窄された状態です。
よく、こんなきれそうな中枢神経を抱えた状態で生きてこれたと不思議です。
立派な骨化だと言われても、その時はよく理解できませんでしたが、この写真をじっくり観ると、あらためてこの病気の怖さを感じました。

『転倒には細心の注意を払ってください』というドクターの言葉の意味がわかりました。
転倒して頸椎が衝撃を受けると、狭窄部の中枢神経が損傷したり、断絶する危険性があるとの警告だったのでしょう。
もちろん、中枢神経が切れれば即死でしょうし、損傷しても身体の麻痺や激痛が起き、日常生活を送るのが困難になるのでしょう。
ですから、難病指定なのでしょう。

トッポパパの場合は、手術で骨化部分の削減は行わず、首の後ろから頸椎を開いて中枢神経の束の通り道を確保することでした。
ただ、リスクの高い手術であることに変わりなく、術後も、圧迫された中枢神経が元に戻るのか?、骨化の進行はどの程度なのか? と、気がかりの1年でした。


 手術前のMRI画像                                      術後1年のMRI画像

 

術後1年の右上のMRI画像を観て、やっと安心しました。
なんと、頸椎部分の頸髄の太さが他の場所と同じくらいの太さに戻りつつあります。
中枢神経が頑張って、再生?というか元の太さに戻った! 
1年の間に、長期にわたって圧迫され損傷していた中枢神経が正常に近くなったと考えていいようです。
それにスペースが確保されたので、髄液の通り道も確保されてきたのか、白い線で覆われはじめています。

本当に、よく頑張って再生してくれた中枢神経に感謝感激です。



トッポ、『ところで、骨化の進行はどうだった。』
ドクターに尋ねたところ、この画像だけでは骨化が進行していないとは断言できないが、画像で見る限り進行しているようには見えないと思いますとの回答でした。

トッポパパ、『現在残っているかすかな痺れは、損傷した神経が完全には復元できていないからと考えられるわけですね。』
ドクター、『そうです。 ただ術後1-2年の間は、まだ回復する可能性もあります。』
トッポパパ、『まだよくなる可能性もあるわけだ!(あまり欲張ってもいけませんね)』

ドクター、『ここまで、軽快になっていますので、次回は1年後の診断でいいでしょう。』
トッポパパ、『ほんとうに、ありがとうございました。 安心しました。』
と、最敬礼で病院を後にしました。



トッポ、『よかったね、もう大丈夫だね。』

今思えば、トッポが頸椎ヘルニアで手術をして、九死に一生を得る手助けをしてあげたので、トッポの恩返しで奇跡の回復ができたのかもしれません。
どうやら、約束した『この病気では絶対死なない! 死ぬ時は他の病気で死んでやる!』と言った強がりも、守れそうになってきました。(笑)

多くの方に励ましの言葉をいただき、どれだけ元気づけられたかわかりません。
あらためて皆さんに感謝いたします。

厳密にいえばトッポパパのこの病気も完治したわけではありません。
また、この病気で現在も悩んでいる人も少なくないと思います。
同じ病気を抱えた皆さんが少しでも、軽快になり、より元気になればと心から祈念しています。

また、上記の経過報告もドクターとの会話を参考にして、トッポパパなりの解釈ですので、専門的には違う点もあるかと思いますが、その場合はご容赦ください。

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86 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お早うございます。 (アレクリパパ)
2010-08-07 09:16:54
MRIの画像で、良く分かりました。
こういう先端機器が販売されて、患部の観察も楽になったものですね。
左の画像の中枢神経、がたがたに細くなっていますね。
ホント、ショックを与えたら切れる可能性があることが良く分かります。
右側の画像では、綺麗なチューブになってきていますね。
神経の圧迫もなくなるわけですね。
骨化も進んでないようで良かったです。ホッ。
でも、手術の後は、手術のストレスでこの周辺って炎症を起こしたりしている筈ですよね。
超人の場合は、腫れることもなく、早期の退院となったのでしょうか。
とにかく、良かったです。
人間の神経系は慶応病院。
ワンちゃんの場合は、相川動物医療センター。
肝に銘じておきます。
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おめでとうごじます (souu)
2010-08-07 09:34:38
1年でこれだけの回復は大したものですね。
油断しないで完治して下さい。
「この病気では絶対死なない!」この気持ちは
大切ですね。主人が癌になった時も そんなことを
思っていました。
トッポちゃんも元気で何よりです。最近、娘のダックスが
ヘルニアになり症状はまだ軽いようですが心配しています。
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よかったぁー (おーちゃん)
2010-08-07 16:07:26
こんにちわ
ほんとよかった
あまり無理しないでね
トッポ君が心配そうにみている
表情が伺えます
い年経過してまずまずですね
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Unknown (tubasa)
2010-08-07 16:31:12
よかったですねぇ。
骨化の進行もなさそうで一安心です。
でも、やはり油断は禁物。今後も大事になさってくださいね。
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安心致しました (ココのママ)
2010-08-07 22:07:59
TOPPO PAPAさま
術後、1年の検診結果が良好で何より
安心致しました。
ほんと、良かった~
お仕事も、益々ご多忙と思いますが
どうぞ、ご自愛くださいね。

また、海外の話題や風景楽しみにしています。
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お疲れさまでした (かりん)
2010-08-08 11:10:22
大学病院での診察待ちは大変ですね~

検診結果が良好で安心しました

映像を見ると経過が良くなってのがはっきりと

今後どのようになるかは心配は尽きませんが

トッポ君の存在は大きいですね~。
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アレクリパパさんへ (TOPPO PAPA)
2010-08-08 23:43:11
手術の説明があったとき、以前の画像を少し見たことはあったのですが、その時は何が何だか分からず聴いていました。
こうして比較してみると、やっと手術がうまくいったのだという実感がします。、
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souuさんへ (TOPPO PAPA)
2010-08-08 23:46:03
病気に立ち向かう時は、精神的に負けてはいけないようですね。
トッポパパの友人も、多少の差はあれ、大病を経験している人も多いのですが、みなさん病気に負けることなく頑張っています。
この年代は結構タフな人が多いようです。
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おーちゃんさんへ (TOPPO PAPA)
2010-08-08 23:48:26
ありがとうございます。
あれだけ大騒ぎした手術も、振り返ればあっと言う間に1年が過ぎたようです。
神様が、もうしばらく頑張んなさいということで小。
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tubasaさんへ (TOPPO PAPA)
2010-08-08 23:51:00
ありがとうございます。
完治ではないので、無理をしないように今後も病気と付き合って行きます。
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