goo blog サービス終了のお知らせ 

走る営業公務員、奮闘記!!

地方分権が進展する中での地方からみた木っ端役人の奮闘記です。

谷間のともしび

2009年03月07日 23時32分44秒 | その他

 昭和49年3月7日 52歳で父が他界した。

 そして、今日、私は52歳で父の命日を迎えた。
 感慨ひとしおである。

 とにかく真面目な男であった。
 子沢山の大家族の長男として生まれ、子どもの時からずっと苦労したといわれる。
酒で身代を食いつぶしていく父親を見て、自ら、酒を飲まないと心に決めてから奈良漬で顔を真っ赤にしていた。
勉強がしたかったのに貧しさで学校に行けなかった。
だから息子の私を大学に行かすのが夢だった。
しかし、息子が大学に行く前に逝った。

 死んだ父の手帳から、歌詞を書いたページが見つかった。
 母も私も、父がその歌を口ずさんでいるところを一度も見ていない。
不思議に思ったが、その歌詞を読み込むほどに、その時の父の心情が見えてくる。
当時、我が家は山の中腹のようなところに建っていた。

 「谷間のともしび」
  J.Lyons.S.C. Hart & the Vagabonds
  西原武三 訳詞

 「たそがれにわが家の灯 窓に映りしとき
  わが子帰る日いのる 老いし母のすがた
  たにま灯ともしごろ いつも夢に見るは
  あの日 あの窓こいし ふるさとのわがいえ

  たにま灯ともしごろ いつも夢に見るは
  あの日 あの窓こいし ふるさとのわがいえ」

 平凡な日々を大切に思う父であった。
 そんな父を嫌った時期がある。

 人が想像のつかないような苦労をしてきて、戦争で生き地獄を見てきて、何よりも平凡さの大切さを知り、平凡な日々を送れることを無常の喜びとした父だからこそ、その重みは比べようもないものだったのかもしれない。

 誠実に生きるとは、

  正直に嘘をつかない。
  失敗したら素直に謝る。
  思いやりの心をもつ。

 今一度、父の教えを胸に刻みながら生きていきたい...