「コースの13品の他に、お菓子とお茶を差し上げたいと思うのです。お菓子はお持ち帰りいただけますので、お包みするほうが宜しいでしょうか?」
こんな風に、静かに尋ねてくださる方がいたら、もっとこの場所にいて、お話を聞いていたくなります(微笑)。
こちらで、いただきたいと、所望しました。
四つ割りした、どら焼のようなお菓子と、お茶の支度が運ばれてきました。
おお、素敵。
盛りつけが二通り。私のまえには、鶴が日ノ出のようにお菓子を背負い、連れの前には、朱塗りの高坏に静かにおかれています。並べてみました、お行儀アウト(笑)。
■こんぺん
芳醇な胡麻の香りがします。
衣で餡を挟んでから、焼いたと見えるお菓子です。
■41種の薬草茶とともに
おぅ。お茶をついでくださると、草の香りがします。(笑)。
アムッ……ざくりっ、むっちりした食感の皮に、香りたつ胡麻のしっとり餡が美味しい!
米粉に卵黄で衣にして焼くと、こんな食感になると思うのですが…。
品のよい、静かなお菓子です。これに苦味のあるお茶は、よく合いました。何か、懐かしい遠い日を思い出したくなる気持ちになりました。
このお菓子を誉めると、店主は「今はピーナッツバターを使う店が増えたのですが、この店は昔ながらに作っています」と、話してくれました。
どこで買えるか、と尋ねると、曖昧な笑顔に。
後から調べてみました(笑)。
こんぺん(クンペンとも)は、伝統の琉球菓子で、いまでも法事のひき菓子に使うところもあるそうです。
琉球王家は米粉に卵黄を使い、餡を黒胡麻、落花生で作ったとのこと。これは冊封使のもてなしにも使ったそうです。
昨今は小麦粉、砂糖、卵で生地を、ピーナッツバターに胡麻を混ぜた餡が使われるそうです。
ここにも胡麻が使われていました。食べることを大事に考える文化に頭をたれる時でした。
豊かな晴れやかに美しい琉球料理を堪能しました。一時間半の食(笑)を、深く掘り下げてみたかった、実に学びのある食でした。
折り紙細工の袋や鶴をわけてくださったり、お茶をおかわりしたり。ほのぼのと過ごした、いい時間でした。
はじまりは、宮本亜門さんと「琉球料理乃山本彩香」の記事を、雑誌クロワッサンで読んだことでした。命を養う食という言葉に、若造のワタクシは憧れて、いつか行きたい、と願ったものでした。
この願いは、2012年に閉店で叶わぬものとなりました。私も忘れていました。しかし、ひきついでくださる方がいて。今回、ご縁が繋がって、稀有な体験ができました。
店主にして、お料理を作ってくださった小林清高さんに、丁寧に優しいお二人の方に感謝します。どうか、お健やかに、この手間を惜しまぬ食を、つないでいってくださいませ。
今ならわかります。沖縄だから残る特別な食もありますが、おそらく、多くの伝統食には、その土地ならではの命を護る願いが込められているのです。もてなしやご馳走の最終の願いは、相手の幸い、健やかさを願うことだと思うのです。
そういう大人に、私もなりたい。
■郷土料理の琉音(りゅうね)、那覇市久米一丁目
二つの食の選手権に参加しています。一日一回、クリック応援していただくと、更新の励みになります。ありがとうございます。
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こんな風に、静かに尋ねてくださる方がいたら、もっとこの場所にいて、お話を聞いていたくなります(微笑)。
こちらで、いただきたいと、所望しました。
四つ割りした、どら焼のようなお菓子と、お茶の支度が運ばれてきました。
おお、素敵。
盛りつけが二通り。私のまえには、鶴が日ノ出のようにお菓子を背負い、連れの前には、朱塗りの高坏に静かにおかれています。並べてみました、お行儀アウト(笑)。
■こんぺん
芳醇な胡麻の香りがします。
衣で餡を挟んでから、焼いたと見えるお菓子です。
■41種の薬草茶とともに
おぅ。お茶をついでくださると、草の香りがします。(笑)。
アムッ……ざくりっ、むっちりした食感の皮に、香りたつ胡麻のしっとり餡が美味しい!
米粉に卵黄で衣にして焼くと、こんな食感になると思うのですが…。
品のよい、静かなお菓子です。これに苦味のあるお茶は、よく合いました。何か、懐かしい遠い日を思い出したくなる気持ちになりました。
このお菓子を誉めると、店主は「今はピーナッツバターを使う店が増えたのですが、この店は昔ながらに作っています」と、話してくれました。
どこで買えるか、と尋ねると、曖昧な笑顔に。
後から調べてみました(笑)。
こんぺん(クンペンとも)は、伝統の琉球菓子で、いまでも法事のひき菓子に使うところもあるそうです。
琉球王家は米粉に卵黄を使い、餡を黒胡麻、落花生で作ったとのこと。これは冊封使のもてなしにも使ったそうです。
昨今は小麦粉、砂糖、卵で生地を、ピーナッツバターに胡麻を混ぜた餡が使われるそうです。
ここにも胡麻が使われていました。食べることを大事に考える文化に頭をたれる時でした。
豊かな晴れやかに美しい琉球料理を堪能しました。一時間半の食(笑)を、深く掘り下げてみたかった、実に学びのある食でした。
折り紙細工の袋や鶴をわけてくださったり、お茶をおかわりしたり。ほのぼのと過ごした、いい時間でした。
はじまりは、宮本亜門さんと「琉球料理乃山本彩香」の記事を、雑誌クロワッサンで読んだことでした。命を養う食という言葉に、若造のワタクシは憧れて、いつか行きたい、と願ったものでした。
この願いは、2012年に閉店で叶わぬものとなりました。私も忘れていました。しかし、ひきついでくださる方がいて。今回、ご縁が繋がって、稀有な体験ができました。
店主にして、お料理を作ってくださった小林清高さんに、丁寧に優しいお二人の方に感謝します。どうか、お健やかに、この手間を惜しまぬ食を、つないでいってくださいませ。
今ならわかります。沖縄だから残る特別な食もありますが、おそらく、多くの伝統食には、その土地ならではの命を護る願いが込められているのです。もてなしやご馳走の最終の願いは、相手の幸い、健やかさを願うことだと思うのです。
そういう大人に、私もなりたい。
■郷土料理の琉音(りゅうね)、那覇市久米一丁目
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