tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

プーチンのロシア、平均余命延伸目標の意味は?

2018年05月12日 11時26分31秒 | 政治
プーチンのロシア、平均余命延伸目標の意味は?
 去る3月、最大の政敵を立候補不能にしたうえで76%という圧倒的な支持を得て大統領に当選したプーチンさんですが、この当選に対しては、反対のデモも過去最大かどうかは別として相当なものだったようです。

 北朝鮮の大きな変化も予測され、中国も、独裁色を強めるとは言われながらも、政治の浄化、国民生活の安定向上に舵を切らなければならなくなっているようです。
 世界各国の情勢も動かないように見えて、動くときは急速なのかもしれません。

 背後には情報通信手段の急速な進歩などがあり、世界のあらゆる情報が至る所に浸透していくといった状況があるのでしょう。
 アメリカがそうした状況の先陣を切りながら、内向き政策に走るというのは大変な皮肉ですが、アメリカの良識は、トランプ政策とはかなり違っているように思います。

 こうした世界人類社会の変化を見ての事でしょうか、プーチンさんも、これまでの軍事力や領土拡張一辺倒の様なスタンスから、ロシア人の平均余命を78歳に伸ばすという内向きの、国民を喜ばせるような政策目標を打ち出しました。

 おそらくこれは象徴的な指標で、ロシア国民の生活をより良くしていくという政策意図を国民に示そうとしたという事でしょう。
 ロシア人の平均寿命は現状72.9歳だそうで、2024年に75歳台に、2030年に77歳台に伸びるという予測とのことですが、プーチンさんは、それを大きく先取りし、2024年までに78歳にすることを大統領令で目標に定めているとのことです。

 国民の平均余命が大統領令で決められるのかどうかは解りませんが、それに政策資源の一定部分をつぎ込むという意思は明らかでしょう。
 領土拡大ではなく、民生の安定向上に力を入れようという事であれば、これはロシアにとっても、世界にとっても大変良いことだといえそうです。

 民生の安定向上にはカネがかかります。経済制裁を受け、経済成長もままならないロシアですから、民政にカネを掛ければ軍事力の増強などには影響が出ることは当然です。
 プーチンさんも、そこまでやらなければ、今後国民の支持は得られないと読んだのでしょう。

 これは大変重要なことのように思われます。より多くの国の指導者が、国民の生活の安定を重視し始めるということは、その国の国民にとっても、地球市民にとっても、大変結構なことです。

 そして多くの国の経験から見れば、いったん国民生活の改善に力を入れて国民の支持を得ようと言いう政策をとると、国民の要望はどんどん大きくなり、それが財政を圧迫し、軍事力増強などに振り向ける原資の捻出が次第に難しくなるという結果を招きます。

 これは世界の平和と安定には大変結構なことでしょう。
さて、今後、ロシアの政策はどう展開していくのでしょうか。

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