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2022年1月 家計調査、消費動くか

2022年03月11日 17時13分51秒 | 経済
今日、総務省より「家計調査」の今年1月分が発表になりました。

毎度書いていますように、今の日本経済の問題点は、政府が財政で支援しても、日銀が異次元金融緩和を続けても、個人消費支出が伸びて来ないということにあるようです。

ご承知のように、個人消費支出、活計調査では所帯単位の消費支出が調査対象ですが、いずれにしても、GDP統計をみれば、GDPの半分以上が家計最終消費支出ですから、これが伸びない事には経済成長率は高くなりません。

しかも、これが伸びないのは、今はコロナのせいもありますが、コロナがなかったアベノミクス時代もそうだったわけで、日本経済の痼疾のようになっているものですから、このブログでも長期にわたって、勤労者世帯の「平均消費性向」を中心にずっと追いかけているところです。

ところで、昨年の年末商戦もあまり盛り上がらずだった消費支出が1月に至って、少し動いてきたのかなといった感じが今回の家計調査で出てきたように思います。

1月の消費支出は、2人以上全所帯で実額287,801円で前年同月比で名目7.5%、実質6.9%のかなり大幅な上昇になっています。  
昨年の10月、11月、12月が、いずれも、前年同月比マイナスで-0.3%、-1.6%、-0.2%だったに比べると減少から増加に転じて、それも鬱憤でも晴らすように大幅増という所でしょうか。

消費支出の10大費目で見ましてもマイナスなのは水道光熱(公共料金)と教育(塾などコロナで休み?)の2つだけで、あとはすべてプラス、伸びが大きいのは交通通信(ネット・自動車関係費など)、教養娯楽などで、久方ぶりの増加です。

消費支出だけでなく収入と支出の両方の数字がとれ、収支の関係が解る2人以上勤労者所帯について見ますと、実収入は479,805円で名目2.2%実質1.6%と小幅ながら安定的な増加です。

これから税金や社会保険料などを除いた可処分所得は396,098円で消費支出はこのうち314,358円ですから、消費支出を可処分所得で割った「平均消費性向」は79.4%で昨年1月の77.5%より1.9ポイント高くなっています。

因みに一昨年の1月を見ますと78.9%ですから、昨年は下がりましたが、今年は一昨年よりも高くなったということになります。
   
一昨年の1月は、まだコロナをそんなに気にしなくてもいい状態だったことを考えますと、この1月は、個人消費の動向に何か変化が表れてきたのかという見方も可能かと思いたいところです。

勿論それはまだまだ今後の数字を見てからの話ですし、その後発生したウクライナ問題がまた家計の消費行動にも、経済全体にもマイナスの影響を持つのでしょうから、「平均消費性向」で日本経済の先行きを占うのも、当分は紆余曲折の中にあるという事になってしまうのでしょう。


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