tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

どうなる?アメリカの資金調達

2009年02月12日 11時10分32秒 | 経済
どうなる?アメリカの資金調達
 71兆円に圧縮されたアメリカの景気対策法案が上下両院の合意で来週早々にも成立する見通しが立ったようです。アメリカの金融機関や金融市場の反応は、今までのところ「期待外れ」ということのようですが、早い成立は、今後の手が打ちやすくなることも含めてご同慶の至りです。

 それにしても金額が大きいですから、これからの問題は、そのための財源をどこから調達するかです。発行する国債の大部分は、おそらく、海外に引き受けてもらうことになるのでしょう。アメリカの「証券」は信用を失いましたが、アメリカ国債の信用は、どうなのでしょうか。

 国債ですから、アメリカが破産しない限り、ドル建ての元利は保証されるでしょうが、問題はドルの価値です。常識的に言えば、債務増大でドルの価値は下落するはずです。多くの皆様もご承知のように、もう大分前からドル暴落は予測され続けてきています。そして、もし外国がアメリカ国債を買わなければ、それは現実になるでしょう。

 ところで、別の面から見ますと、中国や日本は膨大な米国債を持っています。ドルが暴落すれば、この債権はそれだけ目減りします。さらに、アメリカに輸出をしている国や企業は、ドル安(日本なら円高)で大きな経済的打撃を受けます。
いずれにしてもドル暴落は大きな痛手ですし、できれば避けたいという気持ちも強いでしょう。

 結局、各国がアメリカの国債を購入してあげて、世界経済の当面の安定を保つということになるのでしょうが、これは、「大きすぎてつぶせないアメリカ」が借金体質の上にさらに借金を重ねて当面を糊塗することでしかありません。問題は先延ばしされるだけで、解決はしないのです。
 
 こうして、「ドル暴落を予想してドル離れを選ぶか」あるいは「ドル暴落を当面避けるためにアメリカに協力するか」の間で日本も、世界の主要国も揺れ動くのでしょうが、いつかは(そう遠くない将来に?)最終選択を迫られることになるのでしょう。世界の政治・経済はどんな道を選ぶことになるのでしょうか。


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