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緊急事態宣言4回:腰だめ政策決定、戸惑う国民

2021年07月15日 21時13分54秒 | 政治
緊急事態宣言4回:腰だめ政策決定、戸惑う国民
安倍政権、菅政権が自負するのは「決める政治」ということなのでしょうか。
見ていて感じるのは、勢い余って、決められない事まで「決めて見せる」というという離れ業をやってしまう事です。

このブログでは、とても出來っこない財政再建(プライマリーバランスの達成)の期限を自信をもって(持った顔をして)決めている事を何度かとり上げました。その時はカッコよくても、期限が来て出来ないとカッコ悪いですね。

今回取り上げるのは、コロナ関連で、「緊急事態宣言」についてです。
第1回の緊急事態宣言は、2020年の4月13日に出されました。この時は期限を1か月と「決めて」いたのです。

最初の疑問は、1か月?、それで目鼻がつく?、でした。
欧米諸国では、感染者、死者が急増、感染力の強さもサーズなどに比べれば格段に強いと解って来ていて、PCR検査で感染の広がりを早期に把握する必要があることは皆気が付いていました。

しかし日本ではPCR検査能力は全く不足。そのデータ不足の中での政府の「期限1か月」でしたが、「期限」間近のゴールデンウィーク辺りには、緊急事態宣言の期限1か月は、もう「何だ腰だめか」といったものになっていました。

安倍さんは、5月6日に宣言解除が出來なかったのは「断腸の思い」だとのレトリックで躱し、結局、解除は5月下旬にずれこみ、解除されたところでも、死者の数は減ってきたとはいえ、感染の懸念は何も変わりがないので、自分で気を付けるしか無いですね、といった雰囲気でした。

その後菅政権になって、「決める政治」を引き継いだのでしょう、日本学術会議の推薦した議員の内6人を任命しないと「私が決めました」でデビューしました。

その後はご存知の通り、景気が落ち込んだら大変と、政策を景気浮揚に「決め」、GoToキャンペーンに精出しました。総理と再生相などは熱心に旗を振り、自民党も応援、GoToトラベルでのコロナ感染者は60人とか100人程度などと言っているうちにコロナウィルスはここぞと猛威を振るうことになったようです。

そして結局第二回の緊急事態宣言になりましたが、宣言は1月8日、期限は1か月という事でした。
この辺りで、「何で期限を決めるの?」という疑問が出て来ます。「何か根拠があるの?」という疑問です。

「決める政治」なんだから、期限も決めるのでしょうという解説はありましたが、説得力はありません。
結局、解除は3月21日になったと記憶しますが、なぜ解除したのかです。
「解除jすれば、(何も客観情勢は変わっていないのだから)リバウンドするでしょうと多くの人は感じていたようです。

そして予想通りの結果がやく1カ月後、4月25日に出された3回目の緊急事態宣言です。
この辺りからワクチンという新しい要素が入ってきます。負け戦を勝ち戦に転換する Game Changerの登場です。

そのせいもあったのかどうかわかりませんが、この緊急事態宣言は5月11日までと短期間ですが、矢張り期限を「決め」ています。
5月11日は何かの区切りの日だったのでしょうか、コロナウィルスと相談したのでないでしょうから、政権には、何か別の決める理由があったのでしょうか。

結局これはずっと伸びて5月31日になり、地域によっては6月20日になったりで、東京は7月11日まではいわゆるマンボウでしたが、12日には4回目の緊急事態宣言、沖縄はずっと続いて8月22日までになっているようです。

ここまで来ても、まだ解らないのは8月22日になれば何か変わる事が解っているのでしょうかという事です。
そんなことは多分あり得ませんから、「緊急事態宣言の期限」というのはやっぱり、最初から最後まで政権か誰かかの腰だめで「決めた」という事でしょう。

本来、緊急事態というのは、コロナウィルス次第なのです。政権が勝手に決めても何の意味もないのです。

決めるとすれば「コロナ制圧の目鼻がついたら解除が可能です(それまで頑張りましょう)というのが最も正確、最も正直な言い方でしょう。
政権が、勝手に決めて、勝手に変えるというのは、政権の都合で国民を騙すことでしょう。
 
さらに言えば、4回目の緊急事態宣言をしたということは過去3回は「失敗だった」ということの証明ということではないでしょうか。

緊急事態宣言の解除は、ワクチン接種が、十分に行き渡った時、それも、新たなイプシロン株が出現しないという条件の下で、ということになるのではないでしょうか。  

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