tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

財布の紐を緩めない勤労者所帯

2018年05月08日 23時03分42秒 | 経済
財布の紐を緩めない勤労者所帯
 今日、総務省統計局から2018年3月分の「家計調査」の結果が発表になりました。
 早速、気になっている平均消費性向(勤労者所帯)を見てみましたが、残念ながら3月も前年同月比「低下」でした。

 勤労者保体の数字は2人以上世帯の内数で、従って単身所帯は含まれませんが、通常、代表的指標とみなされるものです。

 2018年3月、勤労者所帯の可処分所得(手取り収入)は373,320円で前年同月比は、2.8%の増加でしたが、消費支出は334,998円で前年同月比は、0.6%の低下ということで、結局、平均消費性向は前年の92.9%から3.2%ポイント下がって89.7%になっています。

 今年度の民間最終消費支出は、政府経済見通しによれば、311.5兆円ですから、日本全体の家計が勤労者並みに財布の紐を締めれば(平均消費性向が低下すれば)日本経済には10兆円ぐらいの消費支出のマイナス効果が出ることになり、経済成長率には2%ほどのマイナスになるわけです。

 もともと、政府経済見通しでは、雇用者報酬は3.4%伸びることになっているのですが、民間最終消費支出は2.1%しか増えないことになっているので、(勿論雇用者報酬と民間消費支出の算出ベースの違いはありますが)それぞれを平均的なものとみなせば、政府自体が「財布の紐は締まる」とみているということになります。

 消費拡大の必要を言いながら、消費が増えるような政策が取れないことを自認しているのでしょうか。

 確かに国会の殆ど前向きの経済政策についての議論など無い状態や働き方改革の何か職場を不安定にしそうな中身、年金や医療介護、子育て支援の財源不足の様相などを見聞きしていますと、国民はどう見ても先行き不安に駆られ、先ずは「将来の生活防衛のために貯金」と考えるのも頷けるところでしょう。

 1月の消費性向上昇でムードが変わるのかと思ったのは糠喜びで、今後も家計調査が発表になるたびに、「消費性向前年同月比で低下」などと書かなければならないということになりますと、どうにも気が重くなるところです。
 何かいいニュースはないでしょうか。

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