tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

年末商戦、消費への影響は?

2018年01月30日 18時16分38秒 | 経済
年末商戦、消費への影響は?
 今年も、もう1月は終わろうとしていますが、今朝ほど昨12月分の「家計調査報告」の速報が総務省統計局から発表になりました。
 マスコミでは、2017年の年末商戦は結構な賑わいだったようでしたが、統計数字が発表になってみると、それほどではなかったようです。

 速報の調査対象は2人以上の所帯ですが、結論から言いますと、未だ消費支出が動意づいたとは言えないという所のようです。
 具体的な数字は、2人以上の所帯の平均で322,157円、前年同月比名目値で1.2%の上昇、実質値では-0.1%という事で僅かですが減少です。

 という事は、消費者物価の上昇が、昨年12月は前年同月に比べて、1.3%だったという事で、政府は物価上昇2%という目標になかなか到達しないと言っていますが、家計から見れば、消費支出は1.2%増やしたが、物価が1.3%上がったので、実際に買えたものは0.1%減ってしまったという事です。

 TV報道などの年末の賑わいは結構盛り上がっていたように感じられましたが、家計の内実は、堅実の状況にあまり変化はないという所でしょうか。
 生鮮食品の値上がりが大きかったからという解説もあり、確かにその通りですが、物価が2%に早く上がればいいという政府の方針にはやはり違和感を感じます。

 2人以上世帯の場合には実収入の統計数字が無いので収入と支出の関係は解りませんが、収入と支出の関係も解る「勤労者所帯(2人以上)」について見ますと、もう少し状況がハッキリするようです。
 勤労者所帯の場合実収入は940,875円で、前年同月比で名目1.7%の増加、消費者物価の上昇が1.3%ですから実質の増加は0.4%です。

 一方、消費支出の方を見ますと、352,076円で、前年同月比0.8%の増、消費者物価上昇率が1.3%ですから実質値は-0.5%という事になっています。
 昨年1~11月の消費者物価の平均上昇率は0.55%ですから、12月の消費者物価の上昇が特に高かったという不運もありますが、この所、消費者物価は何となく上昇気味のような気がするので、心配です。

 その結果という事でしょうか、勤労者所帯の平均消費性向は45.0%で前年12月の45.4%から0.4%低下するという結果になっています。

 2016年の平均消費者物価上昇率は-0.1%、昨2017年は+0.5%ですが、しり上がりに、物価上昇率が高まっています。
 このブログでは、そろそろ家計の消費行動も徐々に積極化するのではと、期待しているところですが、消費者の積極的行動の芽を物価上昇で積んでしまわないように、政府のご都合より、庶民の家計の都合を優先した政策をとって欲しいと思うところです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。