第二次大戦後、憲法で戦争放棄を謳い平和国家として再出発した日本ですが、その日本の中でも、自衛力まで放棄した国が存在可能かという意見はありました。
何処かの国が攻めてきても、何もしないで、その国のするに任せるなどという事で国家が成立するはずがない、という意見です。
それに対して、戦争をしない平和国家に戦争を仕掛けて来る国などないから大丈夫だという意見もありました。
そうした現実的でない議論をしていても問題は解決しません。世界中に200ほどもある国がそれぞれどんな考えを持っているかは解りませんから議論のしようがないからです。
やはり現実の問題は、現実を前提に考えなければなりません。
現在の国際法では自衛権は、現在の世界ではその必要があるという認識でしょう、認められています。これは個人でいえば、正当防衛にあたるものでしょう。
国連、国際法の立場に立てば、純粋に自衛のための戦力は保持は認められている、積極的に解釈すれば「その程度は持ってください」という所でしょうか。
現実に現在の世界は、少しずつ、それが必要という状況を強めているようにすら思われます。
では、そうした中で、戦争をしない国である日本は、いかなる行動をとるのが最も合理的なのかという問題を、我々は考えなければなりません。
一番大事なことは、日本は、自衛隊は持っています。しかし正当防衛以外、絶対に戦争はしませんという事を世界中に徹底して説明することです。
これは徹底したものでなかればいけまえん。かつて、バングラデシュで日本のJICAの関係者7人がISに射殺されたことがありました、あの時、そのうちの一人が「俺たちは日本人だ」といったそうです。しかし相手は、「日本も有志連合だ」と言って発砲したそうです。日本政府は「有志連合というのは誤解」というかもしれません。
平和国家日本は、誤解を受ける前に、「戦争はしない国」というイメージを確りと世界中に周知しないといけないのです。
戦争のさ中では,説明や言い訳など役に立ちません。「日本人なら撃たない」と言わせなければならないのです。「俺たちは日本人だ」と叫んだ声が空しく響きます。
その日本ですが、最近は「戦争をしない国」というイメージはどんどん薄れてきているようです。
憲法は何も変わっていないのですが、日本も戦争をする国になるのではないかというイメージが次第に強くなっているように思われます。
戦争をしない国はどこの国とも出来るだけ等距離の外交をしなければなりません。
勿論、等距離の外交と言っても、ロシアのように、勝手な理由で外国に戦争を仕掛けるような国には厳しい態度を取るべきでしょう。
しかしその厳しさも、国連機関の判断を基準に、日本自体の自主性を持ったものでなければならないでしょう。
アメリカの政府関係機関が、台湾有事の際に、日本が 戦争に参加するシミュレーションなどした場合には、釈明や削除を求めるべきでしょう。
中国との関係は最も重要でしょう。必要なのは、長期的視点を忘れぬ外交ではないでしょうかう。
今、最も問題なのはアメリカとの集団的自衛権でしょう。閣議決定であれば、見直しが必要なようです。
まずは、改めて日本は戦争をしないことを明確に世界に伝えることが重要と思うところです