tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

為替レートの安定を大事にしよう

2016年07月22日 10時41分32秒 | 経済
為替レートの安定を大事にしよう
 一時$1=¥100に近づいた円レートが大分戻してきました。昨日は107円台もありました。しかし今日はまた105円台です。先行きの分からない乱高下は困ったものです。

 マネーマーケットのプレーや達には、レートの変動はまさに ビジネスチャンスでしょう。しかし、国民にとって本当に重要な実体経済から見れば、日本企業がグローバル市場の中で、健全な国際競争をしていくためには為替レートが適切な範囲で安定していることが必須条件でしょう。

 此の所の日本経済、日本経済を取りまく動きを見ていますと$1=¥120では日本の物価は割安で、国際競争力もだいぶん強いようですが、$1=¥100になると、かなり厳しいことになるようです。

  ゴルフのハンディで言えば、12なら勝てるが10だと勝てない、ハンディ11ぐらいが実力かな、といった感じでしょうか(1ドル10円になぞらえて)。

 円レートの変動は、恐らく多くの国際投機資本の多様な思惑で動くのでしょうから、政府・日銀などは、そうした思惑を巧みに読んで、為替相場が出来るだけ安定するように努力するのが(為替操作国などと言われない様に注意しながら)重要な責務でしょう。

 投機筋には色々な思惑があって、$1=¥120だった時も、もっと円安にすれば景気が良くなる(株価も上がる)などという意見もあったのでしょうか、日銀はマイナス金利を導入して、逆に円高を誘い込んでしまったように思います。

 政府も日銀も、インフレ率2パーセントを目標にしていて、それを達成するまでは金融緩和を続けるということのようですから、ついついもっと円安にという誘惑にかられたのでしょうか。

 もともと2パーセントのインフレというのは今の日本経済にとっては 適切なものではありませんから、実力以上の円安志向になって、結果は「こと志と反した」ようです。

 最近また、今月末の日銀の政策決定会合を控えて、さらなる金融緩和、とかヘリコプターマネーなどの声が聞かれます。
 円安になれば株が上がるという思惑もあるのでしょう。しかし、行き過ぎた円安は、 実体経済にマッチしたものではありませんから、どこかで、またカタキを取られることになるでしょう。

 インフレ目標の当否も含めて、日本経済の実態に適切な為替レート、その近辺でいかに安定させて、日本経済の安定的な活動の条件整備をするか、金融業界中心でない、実体経済に相応しい為替レートの在り方を政策のベースに置いて考えるような為替政策が必要になるように思うところです。

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