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tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

日本の個人貯蓄2000兆円へ

2021年09月18日 16時33分43秒 | 経済
日本の個人貯蓄2000兆円へ
今日の新聞でも報道されていましたが、従来から日本の個人貯蓄が世界トップクラスという事で、よく1800兆円、GDPの3倍を超える貯蓄を持っていると言われていました。

この金額がコロナ禍の下でも次第に増えていよいよ2000兆円に達するところまで来ています

これは日本銀行の資金循環表で見ることのできる数字ですが、昨日発表になった資金循環表を見ますと(2021年6月末現在)、「家計の資産合計」は、まさに2000兆円直前の1992兆円です。

「誰がそんなに持っているんだろう」「うちはローンの返済に追われているのに」などといった声もきかれますが、家計の借金は別に記載されていて、これは362兆円ですからトータルではそんなに多くありません。

但しここで「家計」と定義されているのは、自営業主を含みますから、自営業の場合は仕事上のおカネも入っていることになり、サラリーマン家計の貯蓄とは少し違うかもしれません。

資金循環表では、自営業とサラリーマン家庭の区別はできませんから、区別をするとすれば、家計調査の貯蓄の統計ですが、これも「二人以上所帯」という事で纏めた数字になっています。

然し家計調査には「二人以上勤労者所帯」という分類があります。このブログで、平均消費性向の推移をみている部分です。(家計調査で「収入」の金額が取れるのは勤労者所帯だけですのでそうなります)

それではと「家計調査」の「貯蓄・負債編」で、「二人以上所帯」(自営業を含む)と「二人以上勤労者所帯」の貯蓄の数字を比べてみますと、「二人以上所帯」では1791万円、「二人以上勤労者所帯」では1378万円でした。

やっぱり自営業の家計が入っている方が高くなっていますが、これは家計と仕事のお金の出入りが一緒になっているかいないかの性質上の違いですから、一般的には貯蓄の分析は勤労者所帯という事になるようです。

ところで、コロナ禍の中で、景気は最悪なのに貯蓄は増えているというのは何故かとぃうことになるのでしょう。

収入も増えませんが、このブログでも毎月報告していますが、昨年来巣篭り需要などと言われますが、矢張り消費不振で、平均消費性向はじりじり下がり、家計の貯金は増えてきたようです。(今年にないって多少上昇の様子も感じられますが)

そこで、日本銀行の「資金循環表」に戻って、家計の貯蓄残高の増加の中身を見てみます。今年の6月末の残高を、1年前に比べた数字は、総額は6.3%増で、現金預金は4.0%増ですが、投資信託が28.7%増、株式が30.0%増という事になっています。
(ただし。投資信託と株式を合わせても家計の貯蓄の15%ほどで、日本の家計貯蓄の大部分は現金・預金と生命保険です)

家計の貯蓄が2000兆円というのは凄いと思いますが、こうしてみますと、余り健全でない日本経済の中で、貯蓄額だけが膨らんでいるという現象が見えて来るように思えます。

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