tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

経済成長を取り戻す方法 その1

2010年04月02日 11時00分57秒 | 経済
経済成長を取り戻す方法 その1
 経済成長を取り戻す方法を考える前に、「こうすれば経済は成長しない」という逆方向の検討を試みることも役に立つかもしれません。

 一番基本的な問題を挙げれば、それは「国民が経済成長への意欲がない」ということでしょう。中世といわれる時期には、何百年に亘ってほとんど経済成長のない状態もあったようです。戦後もかなりの期間発展途上国(developing countries)は経済成長せず 、先進国(developed countries)が経済成長するという時期がありました。

 どちらの時期も、想像するに、国民は、「現状を変えることなど出来そうもないし、方法も解らない」さらには「現状をそれなりに肯定して諦めている」といった状態だったのでしょう。

 それなりに豊かになった日本は、こうした、いわば「成長意欲枯渇の罠」にはまっているような気がしないでもありません。

 しかし、日本人はこれでしょうがないと思っているわけではないでしょう。何とかもう少しましな経済社会になって欲しいとみんな思っています。
 戦後世代 は、そういうときに、自分なりに行動を起こしました。焼け跡ビジネス、闇市から始まったのが日本の戦後の経済成長でしいた。
 お金の面で見れば、金融は常にオーバーローンで、蓄積以上に投資をし、外貨準備はぎりぎりの状態でした。

 今、日本人は巨大な金融資産を持っています。しかしそれを使って行動を起こすことは余りしません。政府が経済政策で何とかしてくれるだろうと期待して「政府を変えてみたり」しますが、余り効果はないようです。

 ここに第二の罠があるようです。それは「他力本願の罠」でしょう。政府にできることには限度があります。熱血先生の力でだめなクラスを立ち直らせるというのはTVドラマではありますが、現実には大変です。財政金融政策が本来の効果を持つのは、国民の意識 を変えられたときです。

 今日本国民は、こうした罠にはまって、リスク・テイクも他人(政府)に任せて、批判はしますが、行動は自己防衛専一になり、縮み志向で束の間の安寧を求めているようです。

 これで経済成長が実現できたら、そのほうが不思議だと思いませんか。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。