tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

「社会経済学」のすすめ

2009年12月09日 10時51分06秒 | 経済
「社会経済学」のすすめ
 金融政策はゼロ金利で行き止まり、財政政策は国債発行論議でデッドロック。政府手持ちの経済政策は「財政政策」と「金融政策」の2つだけで、100年来進歩がありません。

 その結果何が起こっているかというと、世界には、中国やインドのように10パーセント近い成長をする国とそれを横目で見て羨ましがりながら「ゼロ成長」に呻吟する国があって、国民も何とかしたいと思っているに関わらず、なんとも仕様がないというのが現在の状況です。
 
 これはまさに経済学の貧困 、経済学者の怠惰ということではないでしょうか。
 しかし、一概に、経済学や経済学者を責めるわけにもいかないと思います。経済学というものが、極めて狭い専門領域になって、経済学の教科書には、「金融政策」と「財政政策」しか書いてなくて、最近はそれにいわゆる「マネー経済学」が付け加わったぐらいです。

 経済学自体がそういうものですから、それをいくら学んでも、すべての発想はその中から出てくるのですから、新しいことが出てこないのも致し方ないことかもしれません。

 日本の経験から見ても、今の世界経済の現状を見ても、経済が活発に活動するかどうかは、その社会がどういう社会 であるかによって大きく違っていることは明らかです。停滞する先進国も、かつては高成長時代を経験しています。

 「成熟経済だからしょうがないよ」というのも一理あります。たしかに人間なら成熟すればもう育ちません、後は老化するだけです。しかし社会は違います。50年後、100年後の社会は今よりずっと進んでいるでしょう。 という事は、今の社会はまだ発展途上だということです。
 いずれ発展するのだけれども、今は(くたびれたから)休んでいる、という事でしょうか。

 休んでいても仕方がない、少し動こうか(働こうか)、という気なれば、そのとき経済活動も活性化するでしょう。社会の雰囲気が変わって、経済活動の状態も変わることになるのです。
 これは経済学ではなくて、「社会学」でしょう。先進国の人々の心を「もっと進んだ社会があるはずだ、もう一歩先に進もう」という気持ちにさせるための学問であり政策論です。
 
 たとえて言えば、「坂の上の雲」をTVで見るだけではなく、国民に今の社会であの頃の元気さを取り戻してもらうことでしょう。そうした国民の雰囲気作りができれば、日本経済も再活性化することでしょう。

 そのためには「坂の上の雲」がなければなりません。坂の上の雲の姿・形を国民に見せるのが、政府の「頭を使った経済政策」、社会のあり方をベースにして経済の活動のあり方を変える「社会経済学」、もっとはっきりいえば、「政治のリーダーシップ」そのものではないでしょうか。


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