tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

2019年春闘:労使の課題・政府の課題

2019年01月28日 18時23分43秒 | 政治経済
2019年春闘:労使の課題・政府の課題
 今日は経団連主催の2019「労使フォーラム」の第1日、いよいよ2019春闘もキックオフという所でしょうか。国会も始まりましたね。
 1月13日にも触れましたが、労使が本気になって頑張れば、日本の経済・社会はいくらでも良くなると考えています。

 その中心にある基本的課題は「生産性の向上」でしょう。そして、生産性向上は、労使が本気で手を染めなければ決して出来ない問題です。
 政府に出来るのは、そのための環境改善です。2019春闘では、いわゆる「官製春闘」が色あせてきましたが、それだけ労使の自主性、真剣さが見えてきたという事ではないでしょうか。

 経団連は「働き方改革」ではSociety5.0を掲げ、連合は、生産性3原則をモットーに、労使の協力により生産性の向上、そして、サプライチェーン全体への成果の適切な配分を謳っています。

 この所、社会のあらゆる面でAIなどを活用した技術革新の波が押し寄せていますが、これからのプロセスでSciety5.0の中身は次第に具体的に見えてくるでしょうし、産業社会の高度化の成果が、サプライチェーン全体に適切に配分されれば、格差の少ないバイタリティーに溢れたかつての日本型の成長社会の実現も決して不可能ではないでしょう。

 この際、政府に期待したいのは、「少子高齢化社会ペシミズム」を煽ることをやめ、すでに一昨年の春闘以来労使が踏み込んでいる「 少子高齢化をチャンスに変えよう」という姿勢を見習う事ではないでしょうか。

 その為には政府は「自分こそが正しい」と考える困った「思い込み」を卒業し、政府の仕事の顧客である国民、生産面では「産業の労使」、消費面では「生活者・家計」の意見を御用聞きのように良く聞くべきでしょう。そしてそれを最大限忖度して政策を考える、という態度が必要なのではないでしょうか。

 冒頭にも書きましたように通常国会も今日からです。しかし 働き方改革も、 財政再建・プライマリーバランス回復も、今の政府の方針ではとてもうまく行かないようです。
 国会で出てくるのは、総理に関わるモリ・カケの様な無駄な混乱、行政の忖度問題や不正や不注意によって発生する困った問題などなど、通常の神経では、これが国会?と思うような理解不能な問題での応酬など、日本経済・社会の成長発展とはまるで関係ないことだらけです。

 典型的な問題を1つ挙げれば、政府がいかに春闘に介入しても、1800兆円の個人貯蓄を持つ日本の国内需要不足による経済の停滞が一向に改善しないことです。
 なぜ国民が、家計が、消費をためらうのか、アベノミクスでは答が出ていません。
 政府には、賃上げ奨励ではなく、国民の本当の気持ちをよく聞いてほしいと思っています。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿